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来日公演、ミュージカル『TOP HAT』が開幕
来日ミュージカル『TOP HAT』が、9月30日より東急シアターオーブで開幕。初日前に行われた公開ゲネプロの模様をお届けします。(文/千葉玲子)
NEWS & INFORMATION 2015 10/2 UPDATE
☆一幕のハイライト「TOP HAT, WHITE TIE AND TAILS」と「PUTTIN’ ON THE RITZ」の一部をご覧いただけます☆
ハリウッド・ミュージカル映画の黄金期を作り上げたコンビ、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース。“アステア・スタイル”と呼ばれるダンスとともに、『スイング・タイム(有頂天時代)』や『踊らん哉』などの名作の数々は、今もファンの心に鮮烈な印象を残しています。
半世紀以上の時を経て、彼らの代表作の一つ、映画『トップ・ハット』(1936年日本公開)が英国で舞台化されました。2011年の国内ツアーの評判を経て、翌年ウエストエンドで開幕。70年以上前の作品を舞台化するにあたり、全体的にテンポ良く練り上げられた脚本と演出、登場人物の心情により沿って展開するドラマティックなダンスナンバー、エレガントで洗練された美術・衣装・照明などが評価され、2013年にローレンス・オリヴィエ賞3冠を獲得。
今回の来日は、今年7月まで行われていた英国ツアーに続いての海外ツアー公演です。英国ツアーでも同じ役を務めた主演コンビ、アラン・バーキット(ジェリー役)とシャーロット・グーチ(デイル役)が来日しています。日本公演の記者発表で、デュエットダンスで心掛けていることを問われると「心から踊ることと、物語をいかに語っていくかが大切」と話していた二人。言葉どおり、お互い惹かれ合っているのに思いが通じない、ジェリーとデイルのいじましい心情がダンスを通して伝わってきます。
デイルがジェリーに恋するきっかけになる「ISN’T THIS A LOVELY DAY」や、ジェリーのさりげないエスコートから始まる名曲「CHEEK TO CHEEK」をはじめ、ずっと見ていたくなるようなダンスシーンの連続。タップを踏んでも高く跳躍しても脚をあげても上体を反らしても、まったくブレない体幹部の見事さ。ジェリーが芝居の延長で何気なく踊り始めたときのカッコよさ。流れるように踊っているのに、一瞬、時が止まったかのように錯覚してしまう瞬間もあって、字幕を見たくても舞台から目が離せません。
もちろん、オープニングを飾る「PUTTIN’ ON THE RITZ」や一幕のラスト「TOP HAT, WHITE TIE AND TAILS」などの躍動感あふれる群舞も見どころ。
また、もう一組のカップル=ホレス役のクライヴ・ヘイワード&マッジ役のショーナ・リンゼイ、デザイナーのイタリア男アルベルトを演じるセバスチャン・トルキア、執事ベイツに扮するジョン・コンロイらバイプレーヤーの活躍も、観客をドラマに引き込んでくれます。
英国オリジナル版・ツアー版プロデューサーのケニー・ワックスは、公演パンフレットの挨拶で、映画『トップ・ハット』舞台化にあたり「大好きな『ME&MY GIRL』のような魅力に満ちた新作ミュージカル・コメディを、この世に送り出したい」と志したと語っています。その言葉どおり、粋でロマンティック、誰もがハッピーを持って帰れる作品に仕上がっています。日本公演では、来日ミュージカルでは珍しいフィナーレの“客席降り”も用意されました。通路でタップを踏むというチャレンジにも笑顔で応えるキャスト、素晴らしいミュージカルを日本へ届けてくれたスタッフすべてに惜しみない拍手を。
上演は9月30日(水)~10月12日(月祝)まで東急シアターオーブにて。大阪公演は、10月16日(金)~25日(日)まで梅田芸術劇場メインホールにて。
詳細はhttp://www.umegei.com/tophat_musical/をご覧ください。