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『ラ・マンチャの男』松本幸四郎73歳バースデーイベント
8月19日、東京・ダイジョースタジオにて、『ラ・マンチャの男』主演の松本幸四郎さんのバースデーイベントが開かれました。73回目の誕生日にちなんで、一般募集されたオーディエンス73名から1輪ずつバラの花が手渡されました。(文:千葉玲子)
NEWS & INFORMATION 2015 8/25 UPDATE
ミュージカル『ラ・マンチャの男』は、1969年に日本初演。初演からセルバンテス/ドン・キホーテ役を演じている松本幸四郎(初演時は市川染五郎)さんは、当時26歳でした。約50年近くこの作品とともに歩み続け、上演回数は1207回を数えます。8月19日は、幸四郎さんの73回目の誕生日。稽古中に迎える記念日を祝って、バースデーイベントが開かれました。
まず、報道陣に稽古の一部が公開されました。幸四郎さん扮する「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスが、牢獄での裁判を切り抜けるために即興劇を語り始めるシーンからスタート。やがて幸四郎さんは、劇中劇の登場人物ドン・キホーテに姿をかえていき、駒田一さん演じる従僕サンチョとともに、ナンバー「ラ・マンチャの男」を披露しました。
続いて登場したのは、今回からアルドンザ役に抜擢された霧矢大夢さん。「同じことさ(It’s all the same)」を披露。体の底から訴えかけるような歌声に、一般のお客様も聞き入っていました。本番が楽しみです。
稽古が終了すると、「Happy Birthday」の演奏とともにバースデーケーキが登場。一般募集で集まったオーディエンス73名から幸四郎さんへ、1輪ずつバラの花が手渡されました。顔をほころばせて、一人ひとりからしっかりとバラを受け取ります。お客さまからの声掛けにも丁寧に耳を傾けては、ほほ笑む姿が印象的。
新キャスト、アルドンザ役・霧矢さん、アントニア役・ラフルアー宮澤エマさん、カラスコ役・宮川浩さんからもバラが手渡されました。霧矢さんは、幸四郎さんの前に跪いてバラを捧げ、会場から歓声があがりました。
すべてのバラを受け取った幸四郎さんは、「皆さま、今日はわたくしの37歳の誕生日に(会場から歓声と笑い声)…ちょっと違いました、73歳の誕生日にお集まりいただきまして本当にありがとうございます。人に勇気や希望を与えることはなかなか難しいことなんでございますが、我々は、なんとか悲しみを悲しみのままに終わらせるのではなく、苦しみを苦しみのままではなく、苦しみを勇気に、悲しみを希望に変えて、劇場にいらしたお客さまに感動というかたちでお心の中に残したい。そう思って全員で稽古に励んでおります。いよいよ9月に大阪で初日を開け、松本へうかがって、10月には帝国劇場へまいります。皆さまどうぞ劇場に足をお運びください」と、感謝の言葉と作品への思いを語りました。
最後は、オーディエンスと出演者・スタッフ全員による「見果てぬ夢」の合唱で締めくくられました。「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスの言葉に、こうあります。「(前略)だが一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わないことだ」。73歳にして戦い続ける幸四郎さんの姿がそれを体現しています。
公演は、10月4日(日)~27日(火)まで帝国劇場にて。
詳細はhttp://www.tohostage.com/lamanchaをご覧ください。
※9月に大阪・長野公演あり。