インタビュー & 特集
SPECIAL! ミュージカル『ファントム』イベントレポート Part1
9月13日開幕の、城田優さん主演、アーサー・コピット&モーリー・イェストン版『ファントム』。開幕にむけて、さまざまなイベントが行われてどんどん盛り上がっていますが、omoshiiでは、2つのイベントのレポートをおとどけします! Part1は、大阪スペシャルイベント&囲み取材レポート!
INTERVIEW & SPECIAL 2014 8/30 UPDATE
7月21日に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで、スペシャルイベントと囲み取材が行われました。城田優さん、山下リオさんが和やかな雰囲気のなか楽しいトークを繰り広げ、劇中のファントムのごとく楽曲をレッスンし観客と合唱も! 稽古が始まった現在の意気込みをたっぷり語りました。(取材/小野寺亜紀)
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ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』を原作にしたミュージカル『ファントム』が、9月~10月に東京と大阪で上演されます。アンドリュー・ロイド=ウェバー版とはまた違う魅力のコピット&イェストン版。近年人気ミュージカルに出演してきた城田優さんが舞台単独初主演を飾り、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』などに出演の山下リオさんが、オーディションでヒロイン役に選ばれ初舞台に挑みます。
山下さんは今回ミュージカル初出演ということで、ニューヨークまで本場の『オペラ座の怪人』を観に行ったことを告白。城田さんは「“ザ・ファーントム!”の方だね」と有名なあの曲のサビを歌い出し、観客の拍手を受けて「ここは、笑うところ!」と、会場を沸かせます。
城田「リオちゃんはすごく素直で行動力があり勉強家。僕が『本場の舞台を観に行くといいよ』とちらっとアドバイスしたら、本当に観に行って。彼女の歌声にも期待しています。『ファントム』は、エリックという怪人の心が繊細に描かれているのが魅力。音楽も場面ごとの心境にすごくマッチしていて、哀しいんだけど美しい部分が垣間見えたりする。彼の背負っているコンプレックスや生まれてからの苦悩が音で描かれているので、今歌稽古をしている段階から切なく感じます」。
山下「ミュージカルと言えば歌。オペラ歌手を目指すクリスティーヌ役ですし、やっぱり歌は特に頑張りたいです。今日、城田さんは朝からピアノを弾いてらして、振り返って『ヘイ!』と挨拶してくれました(笑)。本当にいつも陽気で、しっかりリードしてくださり頼もしいお兄ちゃんのような存在です」。
スペシャル映像として、スクリーンに東京での制作発表の模様や、『ファントム』を新演出するダニエル・カトナー氏のコメント映像、ニューヨークでの城田さんとモーリー・イェストン氏との貴重なやり取りなどが映し出されました。オペラ調に城田さんが楽曲を歌ってみせると、モーリー氏は「いやいや、君はロックスターのように歌ってくれたらいいんだよ!」と。「作者からお墨付きをもらって自信につながりました」(城田)。
また、ファントムとクリスティーヌのデュエット「You Are Music」を二人が披露し、さらに観客をクリスティーヌに見立てて“城田ファントム”が歌い方をレクチャー。「ここで息を切る! そう皆さん素晴らしい! この曲はファントムがクリスティーヌの声を聞いて、『君こそ音楽だ』と惹かれていく瞬間を歌っています」と解説。山下さんも、会場一体となった合唱に「讃美歌みたい!」と感動していました。
最後は城田さんが締めます。「本物のオペラ座にいるような錯覚を皆さんが抱くような、思いや熱のこもった『ファントム』を目指し、一生懸命頑張っていきたいです。Wキャストのような楽しみ方はできませんが、シングルキャストならではの結束力を大切にし、役同士の関係性を深めて何度観ても飽きないミュージカルを創ります」。会場から盛大な拍手が沸き起こり、カンパニーを引っ張る意欲に溢れた城田さんと、美しい歌声の新星ミュージカル女優、山下さんへの期待の大きさを感じました。
◆イベント終了後の囲み取材より
城田「日本の俳優の中でも僕が格好いいと思っている大沢たかおさんの後任としてこの『ファントム』の再演を任され、本当にプレッシャーがあります。でもこの10数年間の僕のミュージカルの経験値を凝縮した、城田優なりのファントム像を創っていきたいです。モーリーが仰っていた、『ファントム』の中にある人間らしい繊細な心を突き詰めていきたい」。山下さんのミュージカル女優としての可能性について尋ねられると、「僕の初舞台は16歳のときだったけど、そのときのスタートラインより彼女は圧倒的に高いところにいます。まだ歌い方もクセが全然ついていないし、これからもミュージカル女優として絶対に花が咲くと思います。そういう彼女の魅力をどんどん引き出していくのもまた僕の目標です」。
山下「私はもともとミュージカルがすごく好きで舞台女優に憧れていたので、特訓してオーディションを受けました。今は歌稽古で音符を当たっている状態なので、そこにお芝居の感情が乗ってくるとどうなるのか自分の中でも未知数です」。クリスティーヌとベラドーヴァ(エリックの母役)の二役を演じることについては、「今回『Beautiful Boy』というベラドーヴァの新曲があり、母性に溢れたとても素敵な曲です。二役を演じるのは挑戦ですが、ファントムを思いやる心、愛しいという気持ちはリンクするので、この挑戦を楽しみたいです」とコメント。
「まだ体力がなくて歌い終わると息切れしちゃいます」と言う山下さんに、城田さんが「体幹を鍛えるトレーニングを稽古前にやると変わるよ! 『ロミオ&ジュリエット』で1ヶ月ぐらい“筋肉部”というのを作って皆でトレーニングをしていたんだけど、声の出方も変わり体力がついたので、ぜひ今回もやろう!」と。山下さん「はい!」。舞台さながら熱のこもった稽古を経て、新しい『ファントム』が誕生します。
ミュージカル『ファントム』~「オペラ座の怪人」の真実~
脚本:アーサー・コピット 作詞・作曲:モーリー・イェストン 演出:ダニエル・カトナー
出演:城田優 山下リオ 日野真一郎[LE VELVETS] マルシア 吉田栄作 他
東京公演/2014年9月13日(土)~29日(月) 赤坂ACTシアター
大阪公演/2014年10月5日(日)~15日(水) 梅田芸術劇場 メインホール
詳しくは公式サイトへ http://www.umegei.com/musical-phantom/