インタビュー & 特集

SPECIAL! スタジオライフの代表作『LILIES』開幕

男優集団スタジオライフの代表作『LILIES』が開幕。4年ぶり4度目の上演となる代表作で、『百合の伝説 シモンとヴァリエ』のタイトルで映画化もされているカナダ戯曲の傑作です。今回は若手キャストを抜擢した新演出(上演台本・演出/倉田淳さん)が注目されています。

(写真/Yukari Watanabe・文/大原 薫)

INTERVIEW & SPECIAL 2013 11/29 UPDATE

1952年、カトリックの戒律の厳しいカナダ郊外の刑務所が舞台。囚人シモンの呼び出しにより刑務所を訪れた老ビロドー司教は、突然看守や囚人たちに監禁されてしまう。ビロドー司教の眼前で行われたのは、囚人たちによる芝居……。40年前、ビロドーと級友だったシモンが40年前の出来事を芝居として再現したのだ。そこで繰り広げられるのは、シモンと彼を愛するヴァリエの物語。果たしてシモン、ヴァリエ、ビロドーの間に何が起こったのか……? 封印された過去が今、明かされる。

1952年、ビロドー(船戸慎士)とシモン(笠原浩夫)は刑務所で再会する。

舞台で繰り広げられるのは、囚人たちがシモンの過去を再現する劇中劇。さらには、「劇中劇中劇」として『聖セバスティアヌスの殉教』が取り上げられる、多層構造の舞台です(『聖セバスティアヌスの殉教』は同性愛者の受難のアイコンとしてよく取り上げられるテーマ)。ですから、衣裳も囚人たちが手作りしたという設定で、女性役の衣裳はカーテン生地。また下に着けているデニム地のシャツの胸元には囚人番号が入っています。劇中劇の設定なので、自分の出番でないときも舞台上に残り、「囚人」として他の人の芝居を見ている形に。囚人たちが演じているという緊張感が漂っているのが、舞台全体に独特の効果を生んでいるのです。

『聖セバスティアヌスの殉教』を演じるシモン(仲原裕之)とヴァリエ(松村泰一郎)

同性愛を禁じるカトリックが信じられるカナダの田舎町ロベルバールで、情熱的にシモンを愛するヴァリエ。ヴァリエを愛しながらも、同性愛に対する偏見を恐れて、彼を受け入れられないシモン。そして、そんな二人に嫉妬するビロドー。今回はトリプルキャストで上演されていますが、Sebastianiチームでは仲原裕之さんがシモン、松村泰一郎さんがヴァリエ、鈴木智久さんがビロドーを演じています。

ビロドー(鈴木智久/左)はシモンとヴァリエの仲に嫉妬する。

前回の上演で4度だけシモンを演じた仲原さんが満を持して登場。「『LILIES』は芝居に臨むときの指針になっている作品。もう1度シモンがやれるようにこの4年頑張ってきた」とのことですが、非常に繊細にシモンの心情を描き出します。「俺も気球に乗りたいな」という台詞に、自由を求める彼の万感の想いがあふれました。松村さんのヴァリエはシモンに向けるまっすぐな愛情が印象的です。二人に対して非常に屈折した心情を抱くビロドーを、鈴木智久さんが巧みに表現しました。

互いを思い合うシモンとヴァリエだが…。

1952年の「現在」と1912年の「過去」が交錯する芝居の中で、1952年時点の老シモンを笠原浩夫さん、老ビロドーを船戸慎士さんが演じます。囚人たちが「シモンのために」と思って長い間芝居の稽古を重ねてきたという設定にとても説得力を感じさせる、笠原さんの演技。『LILIES』4回の公演にすべて出演し、今回が3度目の老ビロドー役になる船戸慎士さんは、心の中で抑えつけてきた過去と対峙する様がとてもリアルです。老シモンと老ビロドーの関係に新たなスポットを当てたのも、今回の新演出の一つです。

シモンと婚約するリディアンヌ(曽世海司)

ヴァリエとその母親・ティリー伯爵夫人(青木隆敏)

シモンを愛するリディアンヌを演じるのは曽世海司さん。ヴァリエの母親、ティリー伯爵夫人を演じるのは青木隆敏さん。どこかに「囚人の男性が女性役を演じている」というニュアンスまで感じさせるのが、お二人のすごいところです。恋しても報われない女性の切なさを演じる曽世さんは、なんとMarcellienチームでは老ビロドーを演じるとのこと! 対照的な二役を演じていることにも注目です。青木さんは、周囲の人たちからは気が触れていると思われながらも、母としての愛情をヴァリエに寄せるという難役を情感豊かに演じます。

そして、劇中劇の行方は……。

非常に緊密な舞台は、まさに息つく暇もないほど。張りつめた空気の中で集中して見る舞台は、演劇が持つ力を改めて感じさせてくれます。

今は「BOYS LOVE」という言葉もありますが、そういう言葉では決して一くくりにできない、人間と人間が求め合う本当の愛の姿が『LIIES』にはあるのです。

スタジオライフの『LILIES』は128日まで、シアターサンモールにて上演されます。※SebastianiMarcellienErigone3チームによるトリプルキャストでの上演

[公演情報]

スタジオライフ『LILIES

20131120日(水)~128日(日) シアターサンモール
作:ミシャル・マルク・ブシャール
脚本・演出:倉田淳
出演:仲原裕之/松村泰一郎/鈴木智久/青木隆敏/曽世海司/笠原浩夫/船戸慎士(以上Sebastianiチーム)
鈴木翔音/藤森陽太/千葉健玖/楢原秀佳/牧島進一/山本芳樹/曽世海司(以上Marcellienチーム)
仲原裕之/宇佐見輝/青木隆敏/堀川剛史/倉本徹/藤原啓児(以上Erigoneチーム)
問い合わせ先:スタジオライフ 03-5929-7039 (平日12時~18時)
公式サイト●http://www.studio-life.com/


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