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SPECIAL! 『Chanson de 越路吹雪 ラストダンス』公演レポート
11月16日、東京・かめありリリオホールにて『Chanson de越路吹雪 ラストダンス』のプレビュー公演が行われました。
INTERVIEW & SPECIAL 2012 11/24 UPDATE
『Chanson de越路吹雪 ラストダンス』は、女優・歌手として活躍した国民的スター越路吹雪と、彼女を支えたマネージャーで作詞家の岩谷時子の半生を描く作品。越路吹雪役を瀬奈じゅんさんが、岩谷時子役を斉藤由貴さんが演じています。
一幕は宝塚歌劇団から東宝の所属となり、スターダムを駆け上がっていく越路の活躍を多くの名曲を織り込みながら丁寧に紡ぎ、二幕では夫となる音楽家の内藤法美や、衣裳デザイナーの真木小太郎との恋愛を軸に、早すぎる人生の幕引きまでを描きます。
瀬奈さんの演じる越路吹雪は、華やかな存在感や力のある歌声、そして無邪気で、気ままにふるまっても憎めないかわいらしさが、まさに昭和の大スターそのもの。多くのファンや越路の周囲の人々が、彼女の何に魅了されたのか、越路吹雪の魅力そのものが、瀬奈さんの芝居を通して、客席に降り注ぐように伝わってきました。
斉藤由貴さん演じる岩谷時子は、マネージャーとして友人として、越路吹雪を生涯支えつづけた女性。「愛の讃歌」の訳詞を手掛け、「恋のバカンス」「君といつまでも」など数々の名曲を生みだした作詞家でもあります。斉藤由貴さんは抑えの利いた演技で、控えめで芯の強い才媛を好演。斎藤さんの醸し出すふわりとした存在感が、生真面目で節度のある女性像に不思議な面白味を与えていました。
舞台の上部につり下げられた額縁に、越路吹雪の写真が次々と映し出されたり、菊田一夫、小林一三、石井好子ら、昭和の歌謡史、演劇史に刻まれた著名人たちが、気取りのない姿で続々と登場したり、越路吹雪の時代をリアルタイムで観ていた人にはきっと当時を思い出して胸が熱くなるはず。スターがスターだった時代のエンターテインメントを肌で感じられる作品。歴史として知っている世代にも、ぜひ観ていただきたいステージです。
『Chanson de越路吹雪 ラストダンス』は、12月4日〜19日まで、東京・シアタークリエで上演されます。(大阪ほか地方公演あり。詳細は下記公演情報をご覧ください)
(写真提供/東宝株式会社 文/臼井祥子)
[公演情報]
『Chanson de 越路吹雪 ラストダンス』
11月16日 (東京)かめありリリオホール
11月20日 (長野)ホクト文化ホール 中ホール
11月23日 (山梨)東京エレクトロン韮崎文化ホール
11月27日 (金沢)北國新聞赤羽ホール
12月4日~19日 (東京)日比谷シアタークリエ
12月22日 (名古屋)中日劇場
12月29日~30日 (大阪)梅田芸術劇場 シアタードラマシティ
原作:岩谷時子
脚本:高平哲郎
演出:山田和也
出演:瀬奈じゅん 斉藤由貴 宇野まり絵 柳家花緑 大澄賢也 別所哲也
問い合わせ:シアタークリエ 03-3591-2400
公式HP http://www.lastdance-koshiji.com/