インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『RENT』中村倫也さん Part2
今を生きる若者を描き、絶大な人気を誇るミュージカル『RENT』が新演出版で上演! ロジャー役の中村倫也さんにオーディションの模様や作品の魅力、ロジャー役にかける意気込みを伺いました。
(撮影/笹井孝祐 文/大原 薫)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 8/9 UPDATE
*『RENT』のオーディションを受けようと思ったきっかけは?
友人が映画版のDVDを貸してくれて、それを観て「面白いな」と思っていたんです。その後に、日本版のオーディションがあると聞いて受けてみようと思いました。
*『RENT』には、自分が人生の傍観者なのではないかと感じている映像作家のマークと、HIVに感染している元ロックミュージシャンで、同じくHIVに感染しているミミと恋に落ちるロジャーというルームメイトの2人が出てきます。中村さんはロジャー役でオーディションを?
最初はマーク役でオーディションを受けていたんですよ。
*そうだったんですか?
はい。僕自身、キャラが「ど“マーク”」なので(笑)。でも、何次目かのオーディションで(日本版のRESTAGEを担当する)Andy(Senor Jr.)に「次はロジャーで受けてくれ」と言われたんです。そのときは、僕はもちろん、周りにいた方たちもびっくりして、ポカーンとなってしまって。(マークと違って)自分で(演じている姿が)思い浮かばない役だし、歌の難易度も高いしどうしようかと思ったんですが、「何かしら必要とされているということだから、最後までやってみたら?」といろいろとアドバイスをいただいて、ロジャーでオーディションを受けて……今に至ります。
*Andyはどうして「中村君はロジャーがいいよ」と思われたんでしょうね?
わからない……(笑)。でもそれを聞くとどこか意識しちゃうだろうし、精一杯やるしかないのかなと思います。
*「ONE SONG GLORY」など、ロジャーの歌を歌ってみた印象は?
キーが高いですね。ただ、「ロジャーで」と言われた衝撃で口をパクパクさせていたときから比べたら、少しずつ自分の形が見えてきたような気がします。
*先ほどのインタビューで、「自分の中にあるものを拡大して演じる」という話をされたのですが、ロジャーと中村さんで重なりそうな部分はありますか?
……うーん。ロジャーはHIVに感染している役(注・『RENT』当時はHIVは死に至る病といわれていた)なので、自分に近いとか似ているとかいう次元ではなく、まずその重みを理解して体に入れていかないと到底できる役ではないと今は思っているんです。これから台本を読んだり、演出をつけていってもらう中で、この作品におけるロジャーの役割や状況を少しずつ理解して稽古をしていけば、自分との接点も見えてくるのかな。
*作品として『RENT』に惹かれるところは?
まず、音楽がいい。ポップだしカッコいいし。話の内容も、世間ではマイノリティーといわれている人たちがこの作品の中ではマジョリティーとして描かれているところが面白いなと思います。登場人物にダメなヤツが多いところがいいんですよね(笑)。
*これから稽古に入る前に準備しておくことは?
「歌を頑張る」ということですね。
*『ロッキー・ホラー・ショー』でも歌っていらしたじゃないですか。
歌には苦手意識があるんですよね。本番までにはちゃんと整えておこうと頑張ってます。
*『RENT』のロジャーをやるにあたって楽しみにしていることは?
正直、今はただプレッシャーしかないんです。好きでオーディションを受けたのに(苦笑)。『RENT』の中にはHIVや同性愛など、僕が今まで生きてきた中で経験していない、わからないことがいっぱいあるんです。だから、軽々しく「『RENT』が決まって嬉しいです、めっちゃ楽しみです」とはとても言えない。
特に『RENT』はたくさんの方の色々な思いがある作品。これまでの『RENT』を観ている方たちの思いのすべてに応えることは無理かもしれないけれど、せめて失礼がないように、自分のできる限りのことをやりたいと思います。でも、プレッシャーとばかりも言っていられないので(笑)、本番までに自分のメンタルも整えておこうと思いますね。
*では、最後にこれから『RENT』を見ようかなと思っている方にお誘いの言葉をお願いします。
演劇の面白いところは、100本観て99本は何も感じないかもしれないけど、100本の中に人生を変える1本があるかもしれないこと。実際に足を運んでみないとわからないものなんですよね。『RENT』は世界中で人気がある作品ですし、カッコいい音楽も流れている。そういうところに少しでも興味を持っていただいたのなら、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。
ミュージカル『RENT』は、10月30日から12月2日まで、東京・シアタークリエで上演されます。
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[プロフィール]
中村倫也
なかむら・ともや
1986年12月24日生まれ、東京都出身。
2005年、映画『七人の弔』でデビュー。NHK大河ドラマ『天地人』(豊臣秀頼役)やドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』『妖怪人間ベム』、映画『沈まぬ太陽』など数多くのドラマ、映画に出演。舞台は、2006年『黄昏』で初舞台を踏み、以後『恋の骨折り損』『さらば、わが愛覇王別姫』『真心一座 身も心も 流れ姉妹〜獣たちの夜〜』『ロッキーホラーショー』『ハンドダウンキッチン』など、毎年ステージに立っている。
http://www.topcoat.co.jp/artist/nakamura-tomoya/
[公演情報]
『RENT』
10月30日~12月2日 シアタークリエ
演出:マイケル・グライフ
脚本、作曲、歌詞:ジョナサン・ラーソン
日本版リステージ:アンディ・セニョールJr.
出演:賀来賢人、Julian/中村倫也、石田ニコル/Jennifer、TAKE(Skoop On Somebody)、ヨウスケ・クロフォード/田中 ロウマ、上木彩矢/ソニン、西国原礼子、Spi、加藤潤一、千葉直生、伊藤友樹、海宝直人、小林由佳、セキグチタケオ、高城奈月子、田代絵麻
お問い合わせ:東宝テレザーブ 03-3201-7777
http://www.tohostage.com/rent2012/