インタビュー & 特集

INTERVIEW! SHOW-ism IV『TATTOO 14』水夏希さん

ミュージカル・ショーSHOW-ismシリーズ第4弾『TATTOO 14』に出演する、水夏希さんにお話をうかがいました。(取材・文/高橋彩子 写真/熊谷仁男)

INTERVIEW & SPECIAL 2012 5/12 UPDATE

個性豊かな7人の女優陣でお届けするミュージカル・ショー『TATTOO 14』。好評を博してきたSHOW-ismシリーズの第4弾は、女ばかりのカンパニーに加え、これまでシリーズに出演してきたゲストを日替わりで迎えての公演になります。
孤児だった女7人が姉妹として結成したショー・カンパニーが、アメリカのナッシュビルからサンフランシスコまで車移動しながら、さまざまな体験を重ねて絆を取り戻して行く物語。それが、LIVE会場で上演されるというから、観客も本当にショーを楽しんでいるような、臨場感のあるステージになりそうです。

——本番を間近にひかえ、お稽古も佳境ですね。

 ものすごーく大変です(笑)。宝塚歌劇団でトップを務めていたころにも、出番がたくさんあったり膨大な台詞量だったり、ということはありましたが、今回は、その比じゃないくらい大変です!

——どういったところが大変だとお感じになりますか?

 やはり、“SHOW-ismである”ということが大きいと思います。つまり、ストーリーとショーが組み合わさっている。私は7人姉妹の次女ビーを演じ、そのビーがショーに出演するという設定なんです。通常、ショーとは自分のキャラクターをさらけ出すものですが、今回はショーとして魅せつつ、ビーであることも忘れてはいけないのが難しいですね。

——7人の中で、ビーとはどういう存在なのでしょう。

 お父さん的な存在です。長女ラム(保坂知寿)は南米にいることが多く、家族を少し離れたところから見守っていて、三女ローズ(シルビア・グラブ)がしつけや会計など細々した面倒を見る、母のような存在。一方、私はもう少し大雑把で、それでいて実は一人一人をよく見ているという感じです。

——そんなビーの性格は、素顔の水さんと近い?

 そうかもしれません。私も宝塚時代は、雪組の組子たちに対して、相手の性格を考えて言い方やタイミングをはかっていました。ただ、私は細かく言うほうだったので、その点、ビーのほうが豪放ですね。

——音楽や踊りはどのような感触ですか?

 わくわくする曲ばかりで、演じる側もテンションが上がりますし、聴いている方にも同様だと思います。踊りに関しては、宝塚では形で見せていくものが多かったのに対し、今回は体の芯だけ力を保った上で、どれだけ力を抜いて自由に踊るかだと言われて。自分にとってのチャレンジです。

——渋谷AXというコンパクトな空間で“演技をする”のも、初めてでいらっしゃいます。

 そうなんです。どうなるか、予想がつかなくて! 宝塚退団後、AXでライブをしましたが、今回はビーとして立つわけですからね。ビーたち7人が結成したグループ“TATTOO 14”のライブとしてコール&レスポンスなども行うのですが、普通のライブとは違うので、その辺のニュアンスをどこまで出せるか、お客様にどうとらえていただけるか、これまた挑戦です。豪華な日替わりゲストの方々にもお芝居に参加していただき、役同士として絡むので、とても楽しみです。

——その“TATTOO 14”は、ある事件をきっかけに空中分解し、数年後に再結成するとか。起死回生、捲土重来のスピリットが描かれるわけですね。

 ビーの台詞に「夢を叶える」という言葉が何度も出てきます。作・演出の小林香さんは「ともすればカッコ悪いかもしれないストレートな言葉だけれど、ビーにはガツンとしゃべって、お客様に伝えてほしい」とおっしゃっていて。 私もそういう泥臭いメッセージって好きですね! 宝塚はカッコいいことが最低条件だけに、若いうちは上っ面ばかり磨こうとしがちなんですけど、自分の醜い部分も含めて、ちゃんとすべてを自分に突きつけてこそ、外見もきちんとすることができると思います。

——弱さや劣等感などを糧にするというご経験が、水さんにもおありなのでしょうか?

 それは勿論、あります。今回にしても、私は宝塚を辞めてから日が浅いので、宝塚的な魅せ方では誰にも負けないけれど、もう別の世界に出てしまったわけで…。実際、小林さんにも「宝塚の香りがする」と指摘されることがあります。もちろん、それは自分の誇りでもあるし、完全に消せるはずもなく、消す必要もないでしょうから、プラスにとらえ、良いバランスで残しながら表現していきたいです。

——目の前にあるものから逃げずに立ち向かう“TATTOO 14”の姿は、今の私たちの心に大切なものを訴えかけてくれそうです。

 ここでのTATTOOには、7人の傷と絆の両方の意味があります。みんな孤児ということで、社会に対する負い目をもっているけれど、それらを一人一人が乗り越え、家族としての絆を深めていきます。姉妹が分かち合う夢、愛情、感動を感じていただきたいです。

★それでは水さんからのムービーメッセージをどうぞ!

 

プロフィール
みず・なつき
元宝塚歌劇団男役トップスター。2007年『星影の人』沖田総司役で雪組トップスターに就任。2010年9月宝塚を退団。2011年『スミレ刑事の花咲く事件簿』ドラマ・舞台に主演。12年『7DOORS~青ひげ公の城~』主演。今後、『BAD GIRLS meets BAD BOYS DANCE LEGEND Vol.1』、TSミュージカル『客家~千古光芒の民~』に出演予定。

公演情報
『SHOW-ismIV TATTOO 14』
2012年5月17日(木)~5月18日(金)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2012年5月21日(月)~5月25日(金) SIBUYA-AX    
作・演出:小林香
音楽監督・作曲:前嶋康明
振付:原田薫・港ゆりか・小嶋亜衣
出演:水夏希、シルビア・グラブ、高良結香、Jennifer、Miz、今枝珠美、保坂知寿
SHOW-ism Guest:5/17・5/25 知念里奈、5/18・5/24 中川晃教、5/21 大貫勇輔、5/22 彩吹真央、5/23 井上芳雄
お問い合わせ:東宝テレザ―ブ 03-3201-7777
http://www.tohostage.com/showism4/index.html

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