インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『ラ・パティスリー』井上正大さん×村井良大さん対談
洋菓子店で働くパティシエとそこに集う人々の日常を描く小説『ラ・パティスリー』が舞台になります。記憶をなくした謎のパティシエ・市川恭也を演じる井上正大さんと、天才的なスーシェフ・吉野を演じる村井良大さんにお話をうかがいました。
(撮影/森口信之 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 2/8 UPDATE
『ラ・パティスリー』はパティシエたちの物語ということで、2012年1月にケーキのデコレーションをするイベントが行われました。そのイベント終了後、おふたりに対談をしてもらいました。
まずはおふたりからのメッセージをどうぞ。
それでは、引き続き対談をお楽しみください。
●最初にこの舞台の話が来た時の感想から聞かせてください。
井上 僕、舞台初主演なんですよ。自分に座長が務まるのか、緊張と興奮が押し寄せてくる感じでした。
村井 僕は今までやったことのないパティシエ役に挑戦できることがとてもうれしかったです。でも、吉野は天才的なパティシエなのですが、細かい作業は舞台だと見えないし、そこをどう表現したらいいのかなと。
井上 スイーツなんて、普段あんまり作らないしね。
村井 それでふたりで料理教室に行こうかって話していたんです。だから今回のイベントで、似たような経験ができて楽しかった。作る楽しさを知れて、勉強になりました。
井上 僕たちはケーキ作りに関して右も左もわかんなかったんですよ。どういう感じなんだろうって。料理の経験はあるから、そういう感じなのかなと思っていたんですが、全然違いましたね。もっとアートな感じ。お菓子作りは作品作りなんだなと。そういうことがわかったから、今日やってよかったです。
●実際に作ってみていかがでした?
井上 始める前は、適当な感じでやるより集中してやったほうが「役」っぽいかなと、考えたりもしたんですけど、本当に夢中になってやっちゃいました(笑)。単に作るのが好きなだけでしたね。楽しかったです。
村井 昼と夕方と2回作ったんですが、正直昼のほうはあまり上手に作れなかった。それで本職のパティシエの先生にアドバイスを頂きました。「シンプルに作ったほうがきれいにまとまってできるんだよ」と教えていただいて。夕方はけっこうアートにできたかなと思います。イベントに来てくれたお客さんたちにも同じケーキに挑戦してもらったんだけど、それぞれ個性的で面白かったよね。
井上 実は僕、自分が作ったのも、昼のほうが個性が出てて好きかも。2回目のは先生の影響を受けすぎてしまった気がする。1回目のほうが型にはまらないでできたよね。良大は左右均等に飾って、僕は一気にガーッと盛れるだけ盛ったみたいな。
村井 そういう思いつきで新しいケーキが生まれることもあるだろうし、そういう意味ではいい経験ができたよね。何より作る楽しさを知ることができたのは大きい収穫。
●おふたりはミュージカル『テニスの王子様』、『仮面ライダーディケイド』に続いて、これで三度目の共演になりますね。今までお互いの仕事を見て、変化に気付いたり、ここがすごいなあと思ったことはありますか。
村井 正大は『カレーライフ』という舞台で三枚目系のキャラクターを演じたんですけど、クールなイメージがあったので「三枚目もやるんだ!」と意外な一面が見られました。
井上 『カレーライフ』っていえば、カレーの場合は「適当に作ればなんとかなる」みたいな役どころだったんだけど、今回それは通用しないって聞いて、ちょっとどうなるかなと……。僕はおおざっぱなほうが性に合ってる。今日最初に作ったケーキはそれを象徴するかのようなケーキだったんだよね。パティシエ役、大丈夫かな(笑)。
村井 大丈夫だよ(笑)。
井上 良大は空気を読むのがうまいんだよね。でも最近「空気を読まないでもいいや」って考えてる時、自分を出す時が、見え隠れしてきた。良大、いい意味でとんがってきたなと思いますね。
村井 わがままな役者になりました。
井上 『醒めながら見る夢』で悪魔の役をやった時とかね。
村井 あれは特殊な役でした。
井上 面白かったよ。天使と悪魔のふたりが楽しそうに演じてたのが、観ていて楽しかったです。
●そして今回、2年半ぶりの共演になります。その間、また共演できたらいいねって話もしていましたか?
井上 ある程度の仲の良さを越えると「仲いい」って思わなくなるし「共演したい」とも思わなくなるんですよ。「なんか別にいいや」みたいな。初対面に毛が生えたくらいだと「また共演したいね」って言うかもしれないけど、そこはもう越えちゃったので。共演するって聞いた時はなんか「デジャブだな」って思いました。
村井 俺と正大って、見た目が全然かぶらないから、ある意味共演しやすくない?
井上 ライバルって感じたことがないよね、お互い。
村井 お互い我が道を行く感じで、全然違うから、すごいラク。
井上 意見が合わないし。
村井 合わない合わない。本当に。
井上 ぶつかりあう方向に合わないんじゃなくて、離れていく方向に合わないから、ケンカもしないし。
村井 自分とは違うけど、そっちの話も面白いよねって思えるんだよね。
井上 あきらめがつくとも言う(笑)。
村井 そんな感じです(笑)。2年ぶりなので、今相手がどういうスタンスで芝居をやっているのかも正直わからないんですが、それを探りながら、いい刺激を与えあえたらいいかなと思っています。
井上 『仮面ライダー』の現場で、良大は「おじさん」って呼ばれてたんですよ(笑)。僕は普通に「まあくん」とかなのに。実年齢より年上に見えるから「お前、おじさんだろう」って。それがさらにパワーアップしてる気がする。
村井 おじさんを越えた!?
●大御所ですね(笑)。それだけのオーラがあるということでしょうか。
村井 非常に怖いです。ハードル上げすぎですよ(笑)。
井上 良大はこの2年の間に、雰囲気が出ました。
村井 確かに最近年齢の高い役が多いですけど。
井上 老けたってわけじゃなくて、きっとお芝居に対する思い入れがそれだけ真剣ってことでいいんじゃないかな。
村井 うわ! ますますハードル上げられた!(笑)。
●ますます楽しみになってきました。最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
井上 皆さんに感動を与えられる舞台になるよう、役者スタッフ一同頑張っていきます。よろしくお願いします。
村井 3月にパティシエ役をやるということで、素敵なホワイトデーのプレゼントになったらいいと思っています。ぜひ劇場に観にきてください。
井上さんと村井さんの生写真付きサイン色紙をプレゼント。
詳しくはプレゼントページをご覧ください。
(おふたりの写真は、登録無料の会員限定ページでも公開中です)
[プロフィール]
井上正大
いのうえ・まさひろ
1989年3月20日生まれ、神奈川県出身
2008年ミュージカル『テニスの王子様』で初舞台を踏み、デビュー。09年にドラマ『仮面ライダーディケイド』に初主演し、以後、ドラマ『IS〜男でも女でもない性〜』『フリーター、家を買う。』や映画『メサイア』などに出演。舞台は2011年5月に『カレーライフ』でストレートプレイ初挑戦。『ラ・パティスリー』が初の主演舞台となる。
村井良大
むらい・りょうた
1988年6月29日生まれ、東京都出身
2006年舞台『赤毛のアン』でデビュー。ドラマ『風魔の小次郎』で初主演後、『仮面ライダーディケイド』やバラエティ番組『戦国鍋TV』、映画『アブラクサスの祭』など多方面で活躍。最近の主な舞台は『新春戦国鍋祭』『遠ざかるネバーランド』(主演)『こころ』(主演)『醒めながら見る夢』『大江戸鍋祭』『弱虫ペダル』(主演)など。
[公演情報]
アトリエ・ダンカンプロデュース「ラ・パティスリー」
3月3日(土)~11日(日) 東京 サンシャイン劇場
3月20日(火) 大阪 森ノ宮ピロティーホール
3月22日(木) 金沢 北國新聞赤羽ホール
原作:上田早夕里(ハルキ文庫刊)
脚本・演出:藤井清美
パティシエ監修:関根寛次
出演:井上正大、高橋愛、村井良大/酒井美紀/平賀雅臣、朝倉伸二、西村直人、梅田 悠、加藤雅美/阿知波悟美
問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (10:00-19:00)
http://www.duncan.co.jp/web/stage/patisserie/