インタビュー & 特集
ミュージカル『MEAN GIRLS』主演の生田絵梨花さん「水曜日はピンクの服を着ています」
アフリカ育ちの女の子が、アメリカの弱肉強食の学園生活にもまれながら奮闘するミュージカル『MEAN GIRLS』。ブロードウェイで大きな話題を集めたヒット作が日本に初上陸し、1月末から2月末まで東京・福岡・大阪で上演される。主演の生田絵梨花さんが、以前から思い入れのあった本作への意気込みや、自身がこれまでに経験した変化など、色々と語ってくれた。(文・取材会撮影/小野寺亜紀、撮影/藤田晃史)
INTERVIEW & SPECIAL 2023 1/29 UPDATE
原作は、2004年に制作されたリンジー・ローハン主演の同名映画。アフリカから引っ越してきた主人公のケイディ・ヘロンが、アメリカの学校でスクールカースト上位のアイドル的な女子3人組「プラスティックス」のメンバーに誘われ、ヴィジュアルも心も変化するなかで、大切なことを学んでいくポップでコミカルな物語だ。2018年にブロードウェイでミュージカル化され、同年のトニー賞の作品賞を含む最多の12部門でノミネートされた。
生田さんは偶然、このときのトニー賞授賞式中継番組に日本で出演。授賞式での『MEAN GIRLS』のライブパフォーマンスを観て、「いつか私もこんなガールズパワー炸裂の作品に出てみたい」と思い、その後ブロードウェイでも観劇したという。「まさかこの作品の出演のお話が私にくるとは思わず、驚くと同時にすごく嬉しかったです。ブロードウェイで観劇した時は、キュートでポップな女子たちのパワーに圧倒されて楽しかったのはもちろん、結構ブラックなところや、あくどさがパンチになっていて面白いな、と思いながら観ていました」。
16歳のケイディを演じるうえで大切にしたいのは、「大自然のなかで伸び伸びと育った何にも染まっていない女の子が、学校というルールや抑圧のある社会の中に突然放り込まれたときに起こる化学反応。今はケイディが周りのキャラクターにどう影響されるのかを、一番大事にしながらお稽古しています」とのこと。「ケイディが最初に歌うソロナンバーが、ちょっと『ライオンキング』ぽくなっているので、動物たちとの交流のなかで、野生の伸びやかさを表現できれば」と語り、アフリカ育ちの純真無垢な部分と、洗練されていく変化をミュージカルならではの楽しさで見せてくれそうだ。
生田さん自身、これまでに“変化”を感じた出来事は、「やっぱり乃木坂46に入ったことです」と打ち明ける。「入ったばかりの頃は、結構みんなに怖がられていた感じだったと思います。みんなと接していくうちに自分の角みたいなものが削れ、いろんな人たちが話しかけてくれるようになり、最後のほうは自分からくだらない絡みをして、顔もつり目からたれ目になりました」と微笑む。
本作の出演者は同世代が多く、「みんなで仲良く切磋琢磨しています。『プラスティックス』のルールに、『水曜日はピンクの服を着る』というのがあり、稽古場でも水曜日にピンクの服を着るなど、とても楽しいです」。
日本版は小林香さんが演出・上演台本・訳詞を手掛ける。稽古の最初に小林さんから、「誰もが自分に起こりうる話なんだと、(お客様に)想像してもらえることが大事だよね」という話があったとのこと。「物語も出てくるキャラクターもぶっ飛んでいるのですが、お客様にどこかで身近なことと思っていただけるよう、フィクションとリアリティーの間をしっかり行き来し、説得力をもたせられたらと思います。また『MEAN GIRLS』は、自分らしく他者と関わる生き方を問いながら進んでいくので、モヤモヤした気持ちなどを爽快に晴らせられるような作品にしたいです。音楽も楽しいポップな作品なので、難しいことは考えずに劇場にいらしてください!」と、明るく意気込みを語った。
【公演データ】
ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』
東京公演/2023年1月30日(月)~2月12日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
福岡公演/2023年2月17日(金)~2月19日(日) キャナルシティ劇場
大阪公演/2023年2月23日(木・祝)~2月27日(月) 森ノ宮ピロティホール
脚本:ティナ・フェイ
音楽:ジェフ・リッチモンド
作詞:ネル・ベンジャミン
演出・上演台本・訳詞:小林香
出演:生田絵梨花 田村芽実 石田ニコル 内藤大希 松原凜子 松田るか 小野塚勇人(劇団EXILE) 中谷優心/黒須洋嗣/壮一帆 他
公式HP https://musical-meangirls.jp/