インタビュー & 特集

天海祐希と鈴木亮平が語る、異色の西部劇エンタテインメント『広島ジャンゴ2022』

男が目覚めると、そこは現代の牡蠣工場ではなく西部の町“ヒロシマ”だった――。異色の西部劇エンタテインメントの中に、さまざまな社会の不条理を盛り込んだ蓬莱竜太さんの最新作『広島ジャンゴ2022』。ダブル主演の天海祐希さんと鈴木亮平さんに、蓬莱作品の魅力、女ガンマンやその愛馬を演じる意気込み、13年ぶりの共演についてなど、色々と語ってもらった。(取材・文/小野寺亜紀、撮影/引地信彦)  ※蓬は正しくは一点しんにょう

INTERVIEW & SPECIAL 2022 3/24 UPDATE

多くの俳優が「一緒に仕事をしたい」と惚れ込む蓬莱竜太。蓬莱作品に今回初出演の天海祐希さんも、2019年に『渦が森団地の眠れない子たち』で蓬莱作品に初めて出演した鈴木亮平さんも、彼の世界観にとても惹きつけられるという。

鈴木「蓬莱さんの作品は、どの舞台を観ても『楽しかった!』だけではなく、心に刺さったものを反すうしながら帰れるので、前作でご一緒する前からファンでした。ご本人の人間性や稽古場の雰囲気も含め、ぜひ次も蓬莱さんとやりたいと思っていました」

天海「私も蓬莱さんの作品は、穏やかな日常の歯車があることをきっかけに狂いだし、人間の深層心理がどんどん浮き彫りになるなど、鋭いところを突かれるなと思いながら何作か拝見していました。いつかご一緒できたら幸せだなと思っていたので、お話を頂けてとても嬉しいです」

鈴木「僕が演じるのは、広島の牡蠣工場のシフト係の木村という男。新しく入ってきたパートタイマーの山本さん(天海)は、娘を育てているシングルマザーで、なかなか職場の輪に入らず、残業もしてくれないので板挟みとなって悩んでいます。そんななかある日目覚めたら、西部劇の世界へ行っていて、山本さんはジャンゴという女ガンマンに、僕はそのジャンゴの馬になっている……(笑)」

天海「馬役、どうですか!?」

鈴木「実際は馬と思われているだけの木村という男で、馬だからこそ見えるものもあります。蓬莱さんは前回の作品でもそうでしたが、僕に気弱で普通の、色のない役を与えて下さり嬉しいです。僕は身体が大きいので、どうしても快活な役や肉体的に強い役、精神的に頼りになる役が多いけれど、自分も人間なので、弱い面、繊細だなと思うところがありますので(笑)。さらに木村は、ストーリーを回していく役でもあるので、やりがいがありますし、燃えますね」

天海「蓬莱さんの描く人間って、強いだけじゃないですよね。必ずその反対の側面があり、理由がある。私が演じる山本はシングルマザーの女性で、西部劇の世界にいくとお尋ね者の凄腕ガンマン、ジャンゴになっている。どちらもわりと寡黙な女性で、普段の私を想像されるとちょっと違う気がします。彼女は外から見ると強いけれど、ものすごく葛藤を抱えていて、強くならざるを得なかった理由がある。人間の一色ではない部分が丁寧に描かれているので、山本という役、ジャンゴという役を誠実に生きられたらと思います」

二人は映画『カイジ 人生逆転ゲーム』以来13年ぶりの共演で、当時からお互いとても印象に残っていたという。

鈴木「以前ご一緒したとき、僕はほとんど台詞もないような役で、現場で先輩方のお芝居をずっと見ていた時期でした。そのときに天海さんは『なんでこんなに普通に話しかけてくれるんだろう』と思うぐらい、会話をしていただいた覚えがあります。本当に壁を作らない方。なので天海さんとご一緒できるのは感慨深いものがあります。足を引っ張らないように頑張らないと!」

天海「『カイジ』でご一緒したときの強烈な印象が、まず私の鈴木さんのイメージになっていて、その後ドラマや映画を拝見し、雑誌などでお話されているのを読むと、ものすごい熱量をもってひとつの役に突き進み、作品や共演者のことも考えてらっしゃるんだなと感じました。全体を捉えて真ん中に立つことができる人って、そうそういないと私は思っているんですね。人間としても役者さんとしても、体形的にもすごくスケールの大きな方で、頼りにしています!」

鈴木「天海さんを乗せられないといけない『馬』なので、身体が大きくて良かったなと思います(笑)」

今作には、他にも野村周平さん、中村ゆりさん、宮下今日子さん、池津祥子さん、藤井隆さん、仲村トオルさんなど、多彩なキャストが揃っている。

鈴木「僕は関西で育ったので、藤井隆さんが吉本新喜劇に出ていたのをよく観ていて、『HOT! HOT!』とかも小学生のころ真似していました(笑)。その後、藤井さんがお芝居をされている舞台を観ても、やはり全部もっていかれるので、ご一緒できるのがすごく楽しみです」

天海「彼は天才型ですよね。私は仲村トオルさんとご一緒するのが初めてで、舞台でも貴重な俳優さんでいらっしゃるからとても楽しみです。力を合わせていいものを作れる方達ばかりなので、このメンバーの前だったら、恥をかいても恥ずかしくないと思いながら稽古に臨みたいです」

鈴木「蓬莱さんは、恥をかきやすい稽古場の雰囲気を作って下さいますよ。僕はそれがすごくいいなと思っていて」

天海「いいですね! 年齢が上がると色んなものが固まってきてしまうから、新たな世界に入って毎日同じ稽古をしながら、新しい発見をしていくことで、どんどん自分の凝り固まったものをはいでいける気がします。舞台のお稽古場じゃなければそこまでできないので、それがすごく楽しみです」

鈴木「出演者の皆さんとの化学反応で自分のお芝居がどう変わるのか、皆さんが役の気持ちをどういうふうに伝えて下さるのかというところで、今自分が(脚本を)読んでいるイメージから結構変わっていくと思います。そこで蓬莱さんがどんな演出をつけて下さるのか。読んでいる以上のものが立体的に出来上がっていくのがとても楽しみです」

天海「この物語は西部劇の形をとっていますが、現代にそのままつながる話で、見方によっては現代が抱える色んな問題を、全部振り分けているような気がします。国家間の話のようにも見えたり、家庭内、友達との小さないさかいにも見えたりする。その中心部分を突いているからこそ、大きくも小さくも見えるという……蓬莱さんの脚本に驚愕しています。本当に面白い本なので、その世界観を壊さないように、うまく入っていけたらいいなと思っています」

鈴木「西部劇というフィルターを通すからこそ、より現代の問題が浮き上がる本になっていますよね。コミュニケーションの希薄さ、DV、労働環境、同調圧力みたいなこととか。全体の発端としては『職場の飲み会に参加しないといけないのか?』というところじゃないですか!」

天海「ほんと、そうですよね(笑)」

鈴木「色んな問題について知らなかった木村が、どうすれば良くなるのかと考え、一歩踏み出すという、天海さんがおっしゃったように小さいけれどすごく大きな話。演劇でしかできない世界がここにあると思うので、それを余すところなくお客様に伝えたいです」


【データ】
COCOON PRODUCTION 2022『広島ジャンゴ2022』

東京公演/2022年4月5日(火)~4月30日(土) Bunkamura シアターコクーン
大阪公演/2022年5月6日(金)~5月16日(月) 森ノ宮ピロティホール

※4月13日18:30公演ライブ配信決定!

作・演出:蓬莱竜太
出演:天海祐希 鈴木亮平/野村周平 中村ゆり 土居志央梨 芋生 悠 北 香那/宮下今日子 池津祥子 藤井 隆/仲村トオル 他

公式HP:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_django/


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