インタビュー & 特集

『ロミオ&ジュリエット』で伊原六花が強く瑞々しいヒロイン役に!

大阪府立登美丘高校ダンス部のキャプテンとして、話題の「バブリーダンス」を生き生きと踊っていた伊原六花さん。高校卒業後、芸能活動を始め、現在ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でジュリエット役に挑戦している。東京公演全日程を終えての感想から、役の深め方、大阪・名古屋公演への意気込み、女優としての夢まで明るく語ってくれた。(取材・文/小野寺亜紀、撮影/岸隆子(Studio Elenish)、舞台写真提供/ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演事務局 (c)岡本隆史)

INTERVIEW & SPECIAL 2021 7/1 UPDATE

フランス生まれの珠玉の音楽と、若者の疾走感を表すような迫力のダンスで綴られる、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。宝塚版とは異なるアプローチで小池修一郎氏が潤色・演出した日本オリジナルバージョンが、今年10周年を迎え新たなキャストで2年ぶりに上演されている。

ジュリエット役にダブルキャストで挑む伊原六花さんは、今作がプロとして出演する初めてのミュージカル。これまでも数々の俳優が、この人気作から本格的なミュージカル俳優へと羽ばたいていったように、彼女も懸命に作品に向き合っている。まず5月21日(金)~6月13日(日)の東京公演を無事に終えて感じたことは――。

「率直にすごく幸せでした。私自身、お客様やキャストの皆さんの熱量に感化されて、千秋楽でも新しい発見があったので、この気持ちで大阪、名古屋での公演ができることが嬉しいです。私は今回、感情と歌をつなげることを課題にしていて、稽古のころはまだ“歌っている”という感じがしたのですが、初日を迎え公演を重ねるごとに、感情と歌が結びついていく感覚が増えていき、千秋楽に一番それを実感しました。この感覚をつかんだまま、さらにレベルアップして大阪公演初日を迎えたいです」

学生時代に習い事としてミュージカルの舞台に立ったことはあるが、大きなカンパニーの作品に長期間出演するのは初めて。

「昨年(新型コロナウイルスの影響で)上演できなかった『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3は、『ロミオとジュリエット』を基にした作品ということもあり、私が演じる役だったマリアとジュリエットは通じるところがあるのではと試行錯誤しながら、その稽古で培ったものを踏まえて、いろんな角度から役を掘り下げていけたのではと思います。

まだまだ未知なことが多く、発声もゼロから教えていただきました。『ウエスト~』ではソプラノで歌うことが多かったけれど、今回は地声を使うことが多いので、大劇場やミュージカルにおける発声法を改めて学び、いかにお芝居の流れのまま歌えるか練習しました」

代々対立するモンタギュー家のロミオと恋に落ちる、キャピュレット家のジュリエット。16歳の少女が、親の決めた結婚を拒絶し、運命の愛へと突き進んでいく。

「私がジュリエットの役作りのテーマとしたのは、強さと人間味です。映画で知っていたジュリエットは、可憐で真っ白なお嬢様というイメージでしたが、シェイクスピアの戯曲を読むと、乳母に対する態度やロミオに突き進んでいく行動力が自分の想像以上でした。ロミオに結婚しようと言ったり、ロレンス神父様のところで式を挙げようと言ったり、発信はいつもジュリエットからということを知りました。そういう、行動力や意思の強さを見せていけたらと、役作りしていきました」

ただ、演出の小池修一郎氏から、稽古で「もっと強く、もっと強く」と言われて戸惑ったこともあったという。

「その“強さ”のバランスが難しくて。ひとつ間違えると周りの大人の言うことに反発し、視野の狭いところで自分の意思を貫いてしまった、という感じに見えてしまう。でも可憐すぎると、ロミオが毒を飲んだと分かった瞬間にあの行動をとる説得力に欠けてしまう…。そのバランスを自分のなかで調整しつつ、小池さんからもたくさん指導していただきながら作っていきました」

ロミオは、同役に初キャスティングの黒羽麻璃央さんと甲斐翔真さんのダブルキャストだ。

「お二人とも全然魅力が違っていて! まず黒羽さんは、キラキラな王子様という無邪気なところと、『僕は怖い』を歌うときなどのロミオの孤独感や圧倒的な繊細さが、一人の人間のなかに共存しているところが素敵です。感情の流れのままに演じられ、血の通ったロミオがそこにいると感じるお芝居をされるので、すごく引っ張ってもらえています。

甲斐さんはとても自由。周りを自分の流れに巻きこんでいかれる方だなと思っていて、ついていきたくなる。この人の波に寄り添っていけば、ジュリエットとして生きられるのだろうなという安心感があります。お二人とも全然違うので、演じていてとても楽しいですし、新しい感覚になれます」

また、好きなシーンや楽曲を選ぶのは難しいと悩みつつ、ジュリエットを演じている現在、挙げてくれたのは少し意外なものだった。

「一番好きなシーンは霊廟のシーンです。結末が分かっているお客様はもどかしい気持ちになると思うのですが、歌っているジュリエットは希望を持っているという、落差がすごくあるシーンです。今回の演出として、霊廟の二人の真上に十字架があり、そこに『死』(のダンサー)がいるんですけど、その『死』の影がちょうど二人にかかるんです。そういうところも含めて神秘的で、色んな感情が重なり合っている空間だなと思います。

歌は2幕冒頭の『街に噂が』が大好きです。ロミオとジュリエットが結婚したことがみんなにばれて、ロミオが責められるのですが、ロミオの歌っている歌詞と、モンタギューのみんなが歌っている歌詞の訴える所が真逆で、でもお互い自分のなかで理由があって…というのが心をつかまれるようで好きです」

東京公演中の6月2日には、誕生日を迎えて22歳になった。

誕生日に舞台に出演でき、キャストのみなさんやお客様にお祝いしていただけるなんて、本当に幸せで人生最高の誕生日でした! 昨年舞台ができなくなり、『私にはまだミュージカルは早いということだったのかな』と考えたりもしたのですが、今回ジュリエットをやらせていただき、とても幸せです。やっぱりミュージカルって素敵だな、生の舞台の熱量は素晴らしいなと感じたので、これからもミュージカルをはじめ、ストレートプレイ、映像と、オールマイティーに活躍できる女優さんになりたいです。ジャンルも歌、ダンス、お芝居と多方面で頑張りたいと、この舞台に出演してより一層感じました。

今後、出てみたい作品はたくさんあって、小池さんが演出されているミュージカルで言えば『モーツァルト!』も『1789 -バスティーユの恋人たち-』もそうです。でも役をいただけるタイミングなどは奇跡だと思っているので、“この役を伊原六花にやらせてみたい”と思っていただけるような活動を、色々なところでできたらなと思います」

最後にジュリエット役にちなみ、16歳のときのことを聞かれると――。

「本当にダンスにしか興味がないというか、高校2年生のころは私のロミオはダンスでした(笑)。ちょうどダンス部のキャプテンになる年でもあったので、周りを見て行動し、16歳ならではの責任感をとても感じていたと思います。

地元の大阪公演には、ありがたいことに家族もダンス部のメンバーもみんな観に来てくれるので、違う意味で緊張するけどワクワクしています(笑)。『ロミオ&ジュリエット』は素晴らしいカンパニーで、東京公演を終えて、より熱量が高い作品、より濃いヴェローナの時間になっていると感じるので、ぜひ、観に来ていただけたら嬉しいです」


【プロフィール】
伊原六花(いはら・りっか)
1999年6月2日生まれ、大阪府出身。幼少からバレエを習い、大阪府立登美丘高等学校ダンス部ではキャプテンを務め、話題となった「バブリーダンス」を2017年NHK紅白歌合戦で披露。2018年にドラマ『チア☆ダン』で女優デビュー。翌年にシングル「Wingbeats」を配信、映画『明治東亰恋伽』で初主演。ドラマ『どんぶり委員長』(主演)『神様のカルテ』、映画『地獄の花園』、CMなど映像で活躍するほか、舞台はMISHIMA2020『橋づくし』に出演。マリア役を演じる予定だった2020年『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3は新型コロナウイルスの影響で中止に。今後、シス・カンパニー公演『友達』に出演、映画『星空のむこうの国』が7月16日に公開予定。

【公演データ】
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

2021年5月21日(金)~6月13日(日) TBS赤坂ACTシアター
2021年7月3日(土)~7月11日(日) 梅田芸術劇場メインホール
2021年7月17日(土)~7月18日(日) 愛知県芸術劇場大ホール

原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:黒羽麻璃央/甲斐翔真(Wキャスト)、伊原六花/天翔愛(Wキャスト)、
味方良介/前田公輝(Wキャスト)、新里宏太/大久保祥太郎(Wキャスト)、立石俊樹/吉田広大(Wキャスト)、
春野寿美礼、原田薫、石井一孝、宮川浩、秋園美緒、兼崎健太郎、岡幸二郎、松村雄基
小㞍健太/堀内將平<Kバレエ カンパニー> (Wキャスト) ほか

公式サイト https://www.rj-2021.com/


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