インタビュー & 特集
「悔しい気持ちも全部濃縮して、最高の作品に」仲田博喜さんインタビュー
舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪ 『BLOODY SHADOWS』」が本日初日を迎えます。「劇団シャイニング」プロジェクトの7作目、集大成となる舞台。マサフェリー役を演じる仲田博喜さんに、お話をうかがいました。(撮影:金山フヒト 文:臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2020 11/5 UPDATE
●「劇団シャイニング」シリーズでご覧になっている舞台があったら、そのご感想を教えてください。
1作目の『天下無敵の忍び道』を映像で観ました。マサフェリーと同じ聖川真斗さんの演じた役である真影が登場するので、観ておこうと思って。和田(雅成)くんの演じる真影はクールで真面目だけど熱さや人間味があります。真影とマサフェリーは別の役なんですが、引き継げるもの、遺伝子というか、熱い思いがあると思うので、それを僕を通して出せたらいいなと思っています。
●『BLOODY SHADOWS』の魅力を教えてください。
『BLOODY SHADOWS』の世界観がとても素敵なので、僕自身この作品に魅力を感じながら稽古をしています。舞台のストーリーは原案の『BLOODY SHADOWS』の続きになります。マサフェリーがバンパイアの世界にどう向き合って生きていくのか。命の重さを感じさせられる物語でもあり、愛や友情、家族愛などの人間ドラマもあり、いろんな要素が詰め込まれています。
レビューコーナーもあって、華やかでキラキラしています。楽曲がまた素晴らしいんですよ。『BLOODY SHADOWS』の世界観を踏まえて書かれた歌詞も、メロディも、深くて壮大で濃い。バラードには感動するし、アップテンポの曲はめちゃくちゃカッコいいので、ぜひ舞台で聴いていただいて、終わった後もずっと覚えていて歌っていただけるんじゃないかと思うような曲ばかりです。
●マサフェリーという役についてはどう感じていますか。
真っ直ぐで誠実で誰かのために動ける人です。だから僕も真っ直ぐ役や仲間たちに向き合って演じたいと思っています。人であってもバンパイアであっても命に違いはないので。『BLOODY SHADOWS』のファンの方が持つマサフェリー像もあると思うので、そこは大切に、見た目や立ち振る舞いなど、しっかり引き継いでいきたいです。
マサフェリーは服装も含め洋風な見た目ですが、僕の中で「和」のイメージがあるので、和と洋のコントラストがバランスよく、どちらの要素も秘めているような人物にできたらいいのかなと思っています。
●舞台や映画、漫画、小説などでも、吸血鬼が登場する作品はたくさんありますが、「バンパイアもの」の魅力はなんだと思いますか? 仲田さんが一番好きな作品は?
バンパイアは人間じゃないけど、心が通っているところがいいのかなあと、今台本を読みながら思っています。あとセクシーさも大事な魅力かな。好きな作品は映画『ヴァン・ヘルシング』と『トワイライト』です。『ヴァン・ヘルシング』はもう、バンパイアものといったらこれという鉄板の作品ですし、『トワイライト』は美しい世界観や禁断の愛がいいですよね。でも一番は『BLOODY SHADOWS』です! 素晴らしい内容ですし、多くの人に感動していただけると思います。
●状況的に大変なこともあると思いますが、稽古はいかがでしょうか。
今は稽古半ばくらい。一度全体は通していて、これから少しずつシーンの繋ぎやアクション、歌などを詰めて、濃くしていく作業をしていきます。稽古場でもディスタンスを保たないといけないのが大前提としてあるので、本来なら自分の出番がないシーンの稽古もできるだけ顔を出したいんですけど、今は極力最低人数でやっています。そういう意味ではコミュニケーションの取りづらさはあります。でも僕はこの舞台で役としてかかわらない人はいないし、もともと知っている役者さんばかりなので、コミュニケーションが足りない感じはしないです。
稽古後の飲み会で絆を強めるというやり方もあるし、もちろん僕も飲み会は嫌いじゃないですけど、今はそれができない。でもできなくてもちゃんと稽古を通してディスカッションして、ぶつかったり意気投合したりしていく中で関係はできていくんじゃないかな。いい作品にしたいという思いの強さは共通して持っているので、何も心配はしていないです。
●2.5次元舞台は、芝居や歌はもちろん、アクションがあったり、とても多くを求められるジャンルだと思うのですが、仲田さんはその中で俳優として、どこに一番重きを置いていますか?
どの作品でも言えることは、真っ直ぐ熱く伝えたいという思いを持っていることです。映像は完パケしたものを見るから何回見ても同じかもしれないですけど、舞台は生だから毎公演絶対に違うものが生まれます。同じものはない。それだけ血が通った、魂のこもったものをお届けしないと魅力が半減しちゃう。そういう思いで常に舞台に立っています。
●最後にこの舞台への意気込みと、2021年の抱負をお願いします。
『BLOODY SHADOWS』は、僕にとって今年初めてお客様の前に立つ舞台になります。この一年悔しい思いをたくさんしてきた、その気持ちを全部凝縮して、この作品を最高の作品にしたい。お客様にも、今年悲しい気持ちになったことをすべてのことが報われて浮かばれるような作品にしたいです。いつか振り返ったときに、2020年は大変だったけど、楽しいこともあったなって思い出していただけるような、舞台にしたいと思っています。
来年の抱負は、まだないかな。この舞台を無事に終えて、元気や勇気や幸せを届けられたら、そのときに考えたいですね。
[プロフィール]
なかだ・ひろき
1987年10月17日生まれ、大阪府出身。2019年、ミュージカル『刀剣乱舞』〜葵咲本紀〜で注目を集める。主な出演作に舞台『「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」THE MUSICAL 』、ドラマ『FAKE MOTION― 卓球の王将―』などがある。
[公演情報]
舞台「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪ 『BLOODY SHADOWS』」
[東京]11月5日(木)~11月8日(日)
シアター1010
[大阪]11月19日(木)~11月23日(月・祝)
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
原案:「うたの☆プリンスさまっ♪シアターシャイニング 『BLOODYSHADOWS』」
演出:児玉明子
脚本:ほさかよう(空想組曲)
音楽:Elements Garden
出演:仲田博喜 高本学 秋葉友佑
根本正勝 岸本卓也 宮城紘大 廣野凌大 他