インタビュー & 特集

「心洗われる物語を楽しんで」栗山千明さんインタビュー

原作は同名のオグ・マンディーノのベストセラー小説。交通事故で妻子を失い、人生に絶望したジョンが、友人の頼みで少年野球チームの監督を引き受けることになり…。ジョンの亡き妻と、ジョンが出会うヒットがまったく打てない少年・ティモシーの母、ペギーの二役を演じる栗山千明さんにお話をうかがいました。(撮影/熊谷仁男 文/臼井祥子)

INTERVIEW & SPECIAL 2019 3/14 UPDATE

●2017年の『ミッドナイト・イン・バリ』以来、1年半ぶりの舞台出演になりますね。お話が来た時のお気持ちは?

「すぐ来た!」という感じでした。前回は6年ぶりの舞台でしたので、今回こんなにすぐに次の舞台に立たせていただけるとはとびっくりしました。

『ミッドナイト・イン・バリ』はコメディで、毎日毒舌を吐くためにテンションを上げていかないといけないし、長セリフにはいつかトチるんじゃないかと心配で、精神的にはとても疲れたんですが、今振り返るととても楽しかったです。コメディーはハプニングがその回ならではの面白さにつながったりもするんですよね。でも『十二番目の天使』はシリアスなストレートプレイなので、そういう意味では少し心配です。

●栗山さんは映像のお仕事が多いですが、舞台のお仕事について、どんな魅力を感じていますか?

実は最初に舞台のお仕事を頂いた時は、「絶対できない、無理無理、逃げたい」という感じだったんですよ。でも実際にやってみたら、お客様の目が本当に温かくて、見守ってくださっていることに気づいたんです。あら探しに来ているんじゃなくて楽しもうと思って来てくださっている方ばかり、敵じゃなくて味方なんだと。舞台は映像と違ってやり直しはきかないですけど、恐怖心みたいなものはなくなってきました。

特にコメディーはお客様が目の前で笑ってくれて、反応がダイレクトに伝わってくるのがいいですよね。

●今回はシリアスな物語です。心配に感じていらっしゃるとのことですが。

トチったときに、笑いに変えられないので、どうしたらいいんだろうと。いつも最初は不安なところから始まるんです。でも稽古の中で、ほかのキャストさんと交流したり、演出していただいたりしているうちに少しずつ安心していきます。本番は毎日緊張しますが、後から考えると楽しかったなと思えるので、今回もそうなるように、していきたいです。

 

 

●最初に脚本を読んだ時の感想は?

プロットを頂いて、まずは「お母さん役なんだ」「二役やるんだ」と思いました。それから小説を読んで、より濃密に物語を楽しむことができました。私は野球はあまり詳しくないので、脚本は、野球のシーンになると用語を調べながら読んでます。でもスポーツをひたむきにやっているときの溌剌さ、歓喜や悔しさ、スポーツでこんなふうに感情を動かされることがあるんだなと、あらためて思いました。

実生活ではあまりスポーツに縁がないんです。『スラムダンク』さえも試合が始まると読み飛ばすし、『タッチ』も野球について理解せずに読んでました(笑)。

「どっちが勝ってもいいじゃん」って思っちゃうんですよね。どっちのチームも頑張ってるんだから、どっちを応援するとかじゃなくて、いい試合をすればいいじゃんって。だからこの作品で描かれているリトルリーグみたいなあり方はいいなって思います。「みんな頑張れ」「自分の実力を発揮できればいいんだよ」って。争いごとは苦手だし、勝ち負けはどうでもいい人間なので、そういうところが一番共感できました。

●ご自分の役については、どう考えていますか?

サリーはジョンを陰で支えてきて、責任感と芯が強い女性。良き妻です。ペギーは息子のティモシーと真摯に向き合っているお母さんで、苦しさと優しさを持っているなと思います。二人ともとても強いですね。

でも本に、彼女たちの全部が描かれているわけじゃないんです。サリーはジョン目線で語られているので、実際にはどんなことを考えていたのかと思いますし、ペギーもこの物語で描かれる前はどうだったのか……模索しています。旦那さんが逃げてしまって、一人で働きながらティモシーを支えて、とても大変だったと思うんですよ。

●特にペギーはとてもセリフが多いですね。

そうなんです! 特に野球のワードが多いんですよ。台本を拝見して、「野球の説明を私がしてる⁉︎」「あれー、苦手なところが来た!」って正直、思いました(笑)。もともと持っている知識じゃないものって、覚えにくいですよね。まず、野球用語を理解するところから始めないといけないので。

でもいい言葉がたくさんあるんです。私だけじゃなく、皆さん、それぞれの立場から優しいセリフが出てきて、一言一言に重みがあります。本当にいいところがギュッと詰まった本になっていると思います。

●最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。

純粋に、心洗われる物語を、楽しんでいただきたいです。原作小説を読んでいらっしゃらなくても、年齢を問わずに誰もが楽しめる、魅力ある作品になっていると思いますので、友達同士でもご家族でも、普段はあまり舞台をご覧にならない方にも、ぜひ観ていただきたいです!


舞台『十二番目の天使』は、3月16日(土)より、東京・シアタークリエにて上演されます。

[プロフィール]

くりやま・ちあき
1984年10月10日生まれ。
モデルを経て、映画『死国』で女優デビュー。映画『キル・ビル Vol.1』でハリウッドデビューを果たす。主な出演作に、映画『図書館戦争』シリーズ、ドラマ『不機嫌な果実』『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』などがある。


[公演情報]

『十二番目の天使』

2019年3月16日(土)~4月4日(木) シアタークリエ
他、地方公演あり

原作:オグ・マンディーノ
翻訳:坂本貢一(求龍堂「十二番目の天使」)
台本:笹部博司
演出:鵜山仁
出演:井上芳雄、栗山千明、六角精児、木野 花、辻 萬長、大西統眞/溝口元太(Wキャスト) / 城野立樹/吉田陽登(Wキャスト)
※辻萬長の「辻」は一点しんにょうが正式表記。
https://www.tohostage.com/thetwelfthangel/


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