インタビュー & 特集

竹生企画第三弾『火星の二人』稽古場レポート

生瀬勝久さんの「竹中直人さんと二人芝居がやりたい!」という思いからスタートした「竹生企画」。屈指の個性派俳優でありクリエイターでもある二人の、濃密な芝居を生で堪能できる貴重なシリーズ。第三弾はいよいよ4月10日からシアタークリエで開幕します。『火星の二人』と題して描かれるのは、大事故から奇跡的に生還した二人の男の生き様から見えてくる、「生き抜くことを巡る物語」。ヒロインの上白石萌音さん、作・演出の倉持裕さんらと共に新作に臨む稽古場からレポートをお届けします。(取材・文:千葉玲子)

INTERVIEW & SPECIAL 2018 4/7 UPDATE

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 とある大事故(ヒントはチラシビジュアルにあります)から奇跡的に生き残った朝尾(竹中直人さん)と志波(生瀬勝久さん)。朝尾は事故のショックで生死の境が曖昧になり、別人のように生きる気力を失ってしまった。一方の志波は、同じ事故に遭ったにも関わらず、反対に活力を漲らせている。志波は言います「(二人だけが生き残ったことに)何か意味があるように思えてならないんですよ」、「僕達の使命は何なのかを知りたい」と。
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 『ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~』(2011年)、『ブロッケンの妖怪』(2015年)に続いて作・演出を担うのは、ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さん。そもそも初演時に倉持さんを指名したのは竹中さんでした。2015年にomoshii(オモシィ)でお届けした倉持さんのインタビューによると、一作目と二作目は「そんなに仲が良くない腐れ縁の二人」という宛て書きだったそう。「あの二人が諍いを起こしているところが面白い」、「同じ方向を向いて同じ地点を目指すというより、違うほうを向きながら、でも最終的には同じ場所を目指さなきゃいけないというところで緊張感が生まれる」と語っていました。『火星の二人』では二人のどんな関係性に焦点が当たるのでしょうか。
「竹生企画」のヒロインには二人が舞台で共演してみたい旬な女優さんを迎えるというサブ・ルールがあり、第一作の山田優さん、第二作の佐々木希さんに続き、今回は上白石萌音さんが抜擢されました。
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 稽古場取材では、芝居の冒頭、朝尾の自宅に志波がやってきて事故の詳細を聞き出そうするシーンが公開されました。稽古場中央のリビングにはソファセットがあり、朝尾と志波がソファを中心に対立し、後方の階段の上から朝尾の息子・正哉(池岡亮介さん)と元彼女のさやか(上白石さん)が様子を伺っています。遠からず近からずという位置から心配そうに二人を見守っているのは、朝尾の妻・素美(高橋ひとみさん)。こうした位置関係からも各々の関係性が伺えます。台詞を交わすときの人物の動線や目線の配り方にも、お互いの関係値を綱引きしているような、言外ににじませるような意図がありそうです。
 稽古場では、キャストも演出の倉持さんも言葉数は多くありません。何重もの意味を含んでいるようでいて、同時にストレートな強さがある竹中さんの声の響きと、重厚さと軽妙さを持ち合わせている生瀬さん独特の口調が、自然と現場の空気を作っています。事故から生還して別人のようになってしまった朝尾と、傷口に土足で踏み込むかのように現れた志波。志波は、序盤では家族の中に入ってくる異物のような存在として映り、竹中さんと生瀬さんの役者としての関係性ともリンクします。
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 倉持さんは、一つひとつの台詞の解釈を説いたり、感情のもっていき方を細かく指示したりはしません。二人がソファから立って前に出てくるタイミングを相談したり、上白石さんに「冷蔵庫のガチャッという音で振り返ってください」とお願いしたり、お茶をサーブするタイミングを指示したり。高橋さんに、階段を下りるのはもっとゆっくり、上る時はタタタッと駆け上がるようにしましょうかと相談したりしています。こうしてディテールを積み重ねることで全体像が立ち上がっていきます。
 主演二人の会話に他の登場人物がどう介入していくのかもポイントで、妻・素美が朝尾と志波の間に入る会話では、「即座に同意して。イラ立った感じですぐ入るようにしましょう」と高橋さんに指示を出します。上白石さん演じるさやかが、助け船を出してくれた朝尾に「無関係じゃありません」と否定する台詞では、「自分に味方してくれた人間にもっと噛み付いてみてください。ギャグと言えばギャグなんだけど」と、独特のシニカルな視点も。

 序盤ではお互いの腹を探りあっている朝尾=竹中さんと志波=生瀬さんが、劇中でどんなズレやぶつかり合いを繰り返して、火星と地球のごとく“大接近”するのか。大事故からなぜこの二人が助かったのか。そしてラストには、どんなどんでん返しが待っているのか。先が読めない新作の開幕は4月10日、もう目の前です。
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『火星の二人』STORY
大事故から奇跡的に生き延びた男(竹中直人)は事故の後、別人のように生気を失ってしまった。そして彼の息子も人が変わったようになり、その恋人(上白石萌音)は悩んでいた。そこに、やはり同じ事故から生還した男(生瀬勝久)が訪ねて来る。生死の境が曖昧になってしまった男と、同じ経験からむしろ活力をみなぎらせている男の、恐るべき因縁……そんな二人の果てしなき口論から垣間見える、生き抜くことを巡る物語。

登場人物
朝尾(竹中直人):天文学者。大事故から生還した男。
志波(生瀬勝久):朝尾と同じ現場で大事故から生還した男。
さやか(上白石萌音):まさやの元彼女
正哉(池岡亮介):朝尾の息子。
楠見(前野朋哉):朝尾の教え子の親族。
素美(高橋ひとみ):朝尾の妻。
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Toho&cube present
竹生企画第三弾
『火星の二人』
2018年4月10日(火)〜25日(水)シアタークリエ
※大阪、愛知、富山、石川、長野、宮城、岩手、栃木、新潟、香川、広島、鹿児島、長崎、福岡にて全国公演を予定。
作・演出:倉持裕
出演:竹中直人、生瀬勝久、上白石萌音、池岡亮介、前野朋哉、高橋ひとみ
※詳細はhttps://kaseinofutari.amebaownd.com/をご覧ください。

火星の二人宣伝写真_01


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