インタビュー & 特集

INTERVIEW! 『ラディアント・ベイビー』柿澤勇人さん&松下洸平さん

伝説的ポップアーティスト、キース・ヘリングの生涯をロック&ポップミュージックに乗せて描くNY発のミュージカル『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』が日本初演。キース・ヘリング役を演じる柿澤勇人さんと、キースの恋人でDJのカルロス役を演じる松下洸平さんにお話を伺いました。(取材/大原薫、撮影/笹井タカマサ)

INTERVIEW & SPECIAL 2016 3/23 UPDATE

――お二人は『スリル・ミー』以来の共演ですね。

松下 2年ぶりかな?

柿澤 いや……3年?

松下 3年ぶりだ(驚)! 『スリル・ミー』で勇人とのコンビが(小西遼生に)変わってからも、(尾上)松也とか小西とかに隠れてずっと会っていたんで(笑)、何も心配もないね。

柿澤 そうか、3年もたっていたんだということに今びっくりしたけど。でも洸平とはしょっちゅう飲みに行ってるし、久しぶり感はないよね。早く稽古したいなと思う。

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――以前、『スリル・ミー』でお二人が初対面のビジュアル撮影の時に取材させていただいたんですが、そのときはぎこちなかった二人が、本番公演にはしっかりと関係性を築いていた様子が印象的でした。

松下 ああ、ありがとうございます!

柿澤 あれから5年だからね。なんだかずっと一緒にいる感じ。

松下 今は、友達としての関係性が出来上がっているので、いざ仕事場で会うとちょっと何か照れるというか。逆に違う意味でぎこちなさが出てる気が (笑)。

――そんなお二人が共演する『ラディアント・ベイビー』。キース・ヘリングを描いた作品とのことですが、柿澤さんはキース・ヘリングに対するイメージは?

柿澤 実際のキースはシャイな感じの人だったそうです。作品のイメージからするとぶっ飛んだ感じの人かなと思っていたので、意外でしたね。でも、普段はシャイにしていても作品を描くときになったら彼にしかない世界観で没頭する人なのかな、というイメージがあります。

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――そして、松下さんはキース・ヘリングの恋人のカルロス役。

松下 そうなんですよ。来たかって感じですね(笑)「岸谷さん演出で勇人が出る作品で」というお話をいただいた。「あ、勇人がやるなら、やる」とすぐに言ったんです。岸谷さんは地球ゴージャスを見せていただいているし、こんなにいい機会はないなと思ったので。ただ、勇人の恋人役と聞いたときは「マジか」と思いました。

柿澤 ……ふっ(笑)。

――『スリル・ミー』の「彼」と「私」は愛憎半ばする関係でしたから、『ラディアント・ベイビー』のお二人はもっと愛情がある設定に?

松下 ただ、キースがあまり振り向いてくれない感じは、『スリル・ミー』に近いかも(笑)。僕はいつまでも彼を追い続ける人生なんだなって。

柿澤 ははは。

松下 覚悟してます。

――実在の、しかもつい最近までご存命だった人を演じるのはいかがですか?

柿澤 プレッシャーはありますね。だって、実際にキースに会った人もいるわけですから、相当覚悟してやらなきゃいけないなと思っています。ただ、実際のキースを再現するというのでなく、この作品の台本に書かれたキースを演じるので。台本に忠実に、言葉とストーリーとメッセージを伝えるのが役者の仕事だと思うので、それに集中したいなと思います。

――キース・ヘリングの絵にはどんな印象がありますか?

柿澤 僕はニューヨークが好きで年に2回か3回、行ってるんです。美術館を巡ってキースの作品を見ていて、以前から結構好きだったんですよね。エロチックな絵をキースの独特のタッチで描いていたりする、あの感覚が好きでしたね。

松下 僕はキース・ヘリングやアンディ・ウォーホルの世代の作家が大好きなんです。特にキースはニューヨークのグラフィティ(落書き)から出発して、アングラな世界からポップカルチャーを生み出した人。一ファンとしてキースの作品に携わらせてもらえるのは嬉しいし、彼の生涯に触れることで新たな発見があるんじゃないかなと思うんです。

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――ちなみに柿澤さんは、絵は……?

松下 さっき(ラディアント・ベイビーの)絵を描いたけど、勇人、下手だったね(笑)。

柿澤 絵は本当に下手なんだよ。でも、中学のとき一度美術で「5」を取ったことがあって。木彫りで「アリジゴク」を作った。

松下 おおー!

柿澤 木彫りで、真ん中がアリジゴクでその周りを全部葉っぱで埋めて。サッカーの部活を休んで「ちょっと木を彫ってくるわ」と熱中した作品で、「5」をもらったんだよね。

松下 それがアリジゴク。作品のよさが全然伝わってこない(笑)。

柿澤 葉っぱも全部型を取って、100枚くらい作った。

松下 ああ、そうか。それはちょっと見たいね。

柿澤 それまで美術とかアートとか全然楽しいと思わなかったんだけど。粘土とか。でも、そのときばかりは時間を忘れて没頭した感覚は今も覚えてる。

松下 アメリカで上演したときはキースが絵を描くシーンがあったらしいんですけど、もしなかったら、「そういうことだったんだな」と思っていただいて(笑)。

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――日本初演のこの作品、どういうところに期待していますか?

柿澤 岸谷さんの演出を初めて受けるということも楽しみにしている一番のポイントですね。そして、キース・ヘリングという、ついこの間まで実在した方を演じることを覚悟を持ってやるということですね。

松下 楽曲もポップでダンサブルな曲がたくさんあるんですよ。今回は大村俊介(SHUN)さんやプロのダンサーの方もたくさん出られるので、ダンスが多くなるみたいです。

柿澤 そうなの!?

松下 平間(壮一)さんはダンスが超うまいということで、プレッシャーです。

柿澤 SHUNさんと(原田)薫さんと、日本のトップダンサーが振付だからね。

松下 だから、ダンスシーンもかっこいいものになると思う。

柿澤 キース・ヘリングって絵は知っていても、どういう風貌の人だったかはあまり知られてないじゃない?

松下 そうだね。ウォーホルとかはわかるけど。

柿澤 実際調べてみると、彼はゲイでHIVを患っていて、マイノリティであることに何か思いがあったんじゃないかなと思う。それに、地下鉄に絵を描いたのも社会に対する深い考えがあったんじゃないかなって。彼の思いを舞台に乗せるなら、やっぱり音楽とダンスがあるミュージカルがふさわしいと思う。

松下 そうだね。ポップな作品なので、肩ひじ張らずに見ていただきたい。いろいろな方に見ていただきたいですが、特に若い方に見てもらいたいですね。

 


『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』
2016年6月6日(月)~6月22日(水)シアタークリエ
脚本・歌詞: スチュアート・ロス
音楽・歌詞: デボラ・バーシャ
歌詞: アイラ・ガスマン
演出: 岸谷五朗
出演:柿澤勇人、平間壮一、知念里奈、松下洸平 ほか

DSC_3917柿澤勇人(かきざわ・はやと)
1987年10月12日 生まれ、神奈川県出身。2007年劇団四季公演『ジーザス・クライスト=スーパースター』にてデビュー、09年の退団後は、『スリル・ミー』『デス・ノートThe Musical』『海辺のカフカ』『ロミオ&ジュリエット』などの舞台をはじめ、テレビや映画などでも活躍。2017年1月には日生劇場にて『フランケンシュタイン』の主演も決定している。

DSC_3960松下洸平(まつした・こうへい)
1987年3月6日生まれ、東京都出身。2008年「STAND UP!」でCDデビュー。2009年BROADWAY MUSICAL『GLORY DAYS』で初舞台。『スリル・ミー』『ALTAR BOYZ』などの舞台や、映像などでも活躍。本作のあとには、11/10(木)~27(日) 紀伊國屋サザンシアターにて『木の上の軍隊』に出演。

 


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