インタビュー & 特集

SPECIAL INTERVIEW!『僕とあいつの関ヶ原』中屋敷法仁さん

吉田恵里香さんの著者『僕とあいつの関ヶ原』にオリジナル要素を盛り込んだ朗読劇が、中屋敷法仁(劇団柿喰う客)の演出で上演されたのが昨年の12月。その初演から8ヶ月を経て、熱い要望に応え再演決定! いよいよ8月5日に初日を迎え、またまた大好評となっています。

ビジュアル撮影のタイミングで、キャストのみなさん、そして演出の中屋敷法仁さんにそれぞれお話をお伺いしました。このインタビューを読んでから公演を見るか、公演を見てからバックステージを知るか? お好きにお楽しみください! 第4回目は、演出家の中屋敷法仁さんです。(取材・片桐ユウ、撮影・増田慶)

INTERVIEW & SPECIAL 2015 8/7 UPDATE

「あれ?出演者…?」と思ってしまう程、着物姿が馴染んでいた中屋敷法仁さん。
衣装を着て撮影へ臨まれる理由を尋ねると、「…好きなんですよね」と苦笑された後、「演出家だからといって、俳優たちと距離があるのは違うなと思っているんです。たまたま自分は演出家だけど、歳もあまり変わらないし、作品にかける想いみたいなものは一緒なのではないかなと思うので。
この作品を楽しみにしている一ファンというつもりで、たまにこういうコスプレをさせて頂いています(笑)」と明かしてくださいました。

――初演の感触

物語は「戦国時代」ですが、昔の話を聞いているような落ち着いた感じではないものが生まれた気がします。臨場感やライブ感というか。朗読劇だからこその楽しみ方が出来たと思っていますね。役者と役の年齢が離れていても、性別が違っていても、朗読劇という上演形態を借りて挑戦できる。俳優さんの演技の幅を観ることが出来たんじゃないかなと。

吉田恵里香先生の描き方は、想像の余地がある、押し付けがましくない解釈をしているなと思いました。僕の解釈も、俳優たちの解釈も、色々自由に入れていける懐の深さがあった気がします。

――「歴史」の魅力

大学で歴史学科を専攻していましたし、歴史はめちゃくちゃ好きなんです!
昔、歴史雑誌に葉書を投稿したりもしていました。一回だけイラストが載ったこともありましたよ。佐々成政の(笑)。

創作モノではない史実という説得力、現代にはこう伝わっている、というちょっと引いた観点…たまらないですよね。
実際どうだったのかは分からないですけれど、ひたすら憧れ続けられる魅力的な題材だなと思います。

――男同士の友情

ただ仲が良いとか好き同士では無く、プライドや命、一番奪われたくないものを差し出しているような、ぶつかり合いみたいなものが……好きです!

単純に男と男なら熱い友情が芽生えるかというとそうは限らないので、この男とこの男は何故こんな出会いをしてしまったんだとか、“どうして男たちが熱くなっているのか”という、メカニズムを探るのが大好きですね。すごくワクワクします。

――2つのチームで上演

初演でも個人個人が持っているリズムが共鳴して生まれるものがあったので、もっと色んな役者で見てみたいなと思うところがありました。新しいチームは、お互いも刺激的な出会いになるといいなと思います。初演メンバーは、幕が上がった時にこういう受け止められ方をするんだとか、本番中に色々感じながらやったと思うんです。僕ら自身も感動しながら。それを経てもう一度、作品の中で生きるということをやってみたかった。

新作は一番複雑なものになりそうですね。共演歴も顔見知りの度合いもバラバラ。そのデコボコ感を楽しんで欲しいなと思っています。歴史的な大事件を私的な関係性から見つめ直している挑戦的な題材だと思うので、今回もこの作品にみんなが絡め取られていけばいいですね。

――“あいつ”と聞いて思い浮かぶ相手は?

たくさん居ますし、一人も居ないです。複数ということは無いということかもしれません。

僕のことを親友と思っている人は一人もいないと思うんですけど(笑)、僕自身は親友がいっぱいいると言っているんです。心の中ではいないことも無いんですけど、それは言わないようにしています。…バレると虚しくなるので。怖いんですよ裏切られるのが。それに、僕は浮気者なんです。あとすっごいヤキモチ焼きですし。

恋人なら分かり易いですけど、男同士って難しい。僕がこうして男たちの友情に憧れ、深い感動を覚えるというのは、僕にとっての「あいつ」や「お前」がいなかったことに起因している気がします。

でも僕は演出家という職業ですし、こうした部分を今は長所だと思っています。だからこそ、勝手に人のことを妄想も出来ますし(笑)。

僕にとっての「あいつ」や「お前」を探しながら仕事と向き合っているのかもしれません。お客様にとっても、自分にとっての「お前」「あいつ」は誰なのかと考えられる作品になると思います。

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【プロフィール】

なかやしき のりひと ’84年生まれ。青森県出身。演出家、脚本家、俳優。劇団「柿喰う客」代表。高校3年時に『贋作マクベス』にて、第49回全国高等学校演劇大会・最優秀創作脚本賞受賞。主な作品は舞台『恋人としては無理』『悪趣味』『露出狂』『無差別』他。外部公演の演出も手掛ける。

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【公演データ】
銀河劇場ニュージェネレーションシリーズ
◎朗読劇『僕とあいつの関ヶ原』
作:吉田恵里香
演出:中屋敷法仁(柿食う客)
出演:
<初演チーム>
木戸邑弥:松平忠吉
武田航平:島左近/染音
玉城裕規:井伊直政/大谷吉継
三上真史(D-BOYS):石田三成/徳川家康
宮下雄也(RUN&GUN):小早川秀秋
(50音順)
<新生チーム>
秋元龍太朗:井伊直政/大谷吉継
佐藤流司:松平忠吉
高杉真宙:小早川秀秋
戸谷公人:島左近/染音
宮﨑秋人:石田三成/徳川家康
(50音順)
公演日程:
<初演チーム>
 8月5日(水)19:30★
<新生チーム>
 8月6日(木)19:30★
 8月7日(金)15:00★
 8月7日(金)19:30
★演出家・出演者によるアフタートークあり

◎朗読劇『俺とおまえの夏の陣』
作:吉田恵里香
演出:中屋敷法仁(柿食う客)
出演:
玉城裕規:伊達政宗
細貝圭:片倉景綱(初代・小十郎)
鈴木勝大:片倉重長(二代目・小十郎)
宮﨑秋人:徳川家康・豊臣秀吉 他
公演日程:
8月8日(土) 18:00★
8月9日(日) 13:00★
8月9日(日) 17:00
★演出家・出演者によるアフタートークあり

 


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