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歌舞伎座11月公演『吉例顔見世大歌舞伎』十一世市川團十郎五十年祭、製作発表
松竹創業120周年を記念して、話題作の上演が続いている歌舞伎界。11月公演『吉例顔見世大歌舞伎』は、十一世市川團十郎五十年祭として上演されます。10月5日に都内で製作発表記者会見が行われ、市川海老蔵が登壇しました。
NEWS & INFORMATION 2015 10/5 UPDATE
歌舞伎座11月公演『吉例顔見世大歌舞伎』は、昭和の歌舞伎界を代表する名優の十一世市川團十郎五十年祭として、追善興行が行われることになりました。孫の市川海老蔵が、『若き日の信長』織田上総之介信長、『河内山』河内山宗俊と、十一世團十郎にゆかりの深い演目に出演します。また、舞踊『江戸花成田面影』では、海老蔵の長男であり、十一世團十郎の曾孫の堀越勸玄くんとともに舞台に立つことが発表されました。
会見ではまず、松竹副社長・安孫子正から「歌舞伎の世界で五十年祭の興行を打つということは、なかなか稀なことでございます。ちょうど歌舞伎座が開場する前に、当代の海老蔵さんのお父様でありました十二代目團十郎さんと、歌舞伎座ができてからの色んな話をさせていただいておりました時に、ぜひ新しい歌舞伎座で十一代目團十郎さんの五十年祭の興行をできないかというお話がございました」と経緯が明かされました。
市川海老蔵は、「祖父・十一代目市川團十郎とは、実は会ったことがございません。けれども、私が歌舞伎人生を始めたきっかけは祖父の切られ与三郎でございました。そこから祖父に憧れて歌舞伎道に入っていったわけでございます。神道では、五十年祭をとり行うことがもっとも大きな行事の一つとうけたまわっております。歌舞伎公演ではなかなか五十年祭は行われないそうですが、こうして祖父の五十年祭を行えること、本当に嬉しい限りでございます」と挨拶。「その折にあやかりまして、せがれの勸玄が、『江戸花成田面影』で初お目見得をさせていただきます。娘の麗禾(れいか)が初お目見得したのが、ちょうど2歳と8か月の時でした。勸玄もこの11月でちょうど2歳と8か月ですので、姉弟平等になったことが、親ながら嬉しい限りでございます」と笑顔を見せました。
海老蔵は自身が出演する演目について、「祖父と申しますと、与三郎ですとか、若き日の信長、勧進帳、直侍、河内山、助六ですとか、代表作が多い方でございます。松竹さんとお話させていただいて、代表作の一つ『若き日の信長』をどうかとお話を頂戴し、そういう方向になりました。『河内山』は初役でございます。近年、我々の世代も早い段階から古典芸能の部類に属する代表作をやっていかなければいけないと思っております。『河内山』は私にとってはプレッシャーをかけるということも含めて、日本の伝統文化の一つをきちんと継承していくんだと、仁左衛門のお兄さんに『河内山』をならいたいということで選ばせていただきました」と語りました。
祖父・十一世市川團十郎の尊敬するところを聞かれると、「16歳くらいの頃でしょうか、映像ですけれども祖父の姿を拝見したときに、『こんなにかっこいい男が世の中にいるんだなあ』というのが、正直な印象でした。(会ったことがないので)あこがれでしかないんですが、好きなところと言いますと、全部好きですね。姿も好きですし、声も好きですし、顔も好きですし。『比較的怒りやすかった』という話も聞いているんですが、そういうところも好きですし。十一代目市川團十郎という人が(器が)大きい男だったからこそ、父のような大きな男が生まれたんじゃないのかなと思うところもあります。僕は会っていないぶん、嫌いなところはないので、全部あこがれています」と答えました。
長男・勸玄くんの初お目見得については、「2歳と8か月ですから、まだ、海のものとも山のものともわからない。一つわかっていることは、市川團十郎の家に生まれてきてしまったということでございます。様々な方々のお力添えで、今のところ、(舞台では)歩ければ歩く、歩けなければ抱かれる、という選択肢でございます(笑)。何か歌舞伎らしい見栄を切るとか踊りをするとか、そのようなことは今のところございません」と話しました。
上演は、11月1日(日)~25日(水)まで、歌舞伎座にて。
詳細はhttp://www.shochiku.co.jpをご覧ください。