インタビュー & 特集

INTERVIEW! 『スワン』 細貝圭さん

3人の俳優による大人のドラマティック・ファンタジー、舞台『スワン』が、2014年12月6日兵庫県立芸術文化センターを皮切りに、水戸芸術館ACM 劇場(12/13-14)、紀伊國屋ホール(12/17-23)にて上演されます。エリザベス・エグロフによる1993年初演の作品で、今回が日本初演。一路真輝さん、大澄賢也さん、そして細貝圭さんの3人が、純粋な愛と再生のドラマに挑みます。(撮影/熊谷仁男、文/中村恵美)

INTERVIEW & SPECIAL 2014 12/4 UPDATE

不倫関係にも仕事にも疲れた中年女性ドラのもとに、ある日傷ついたスワンが飛びこんでくるところからこの物語は始まる。ところが、手当てをしているうちにスワンは、若い男性の姿に変身。虚脱感の中にいたドラは、純粋なスワンとの交流の中で徐々に心が満たされていく。一方、不倫相手のケビンも、ドラとスワンの関係に嫉妬するうち、ドラへの本当の愛に目覚めていく…。スワンとケビンの間でドラが選択したことは……。
ドラとケビンという大人の男女の間で、ひたすら愛を求める不思議な存在がスワンという役。このスワン役を演じる細貝圭さんに、今回お話を伺いました。

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――この戯曲を読まれての、第一印象は?

第一印象は……まったく理解ができなくて(笑)。ファンタジーですけど、どう表現するんだろうっていう場面ばかりで、クエスチョンマークだらけでした。まず頂いたのが「白鳥」という役ですし。ただ、白鳥ということを抜きにして、素直に読んでいくと、単純に男女の三角関係がみえてくる。そうすると今度は昼ドラみたいで、いろんな人間の嫌な感情があらわになって、渦巻いている作品だなぁと感じました。そうして今度は、演出の深作(健太)さんや出演者の皆さんと意見を交換するうちに、また新たな発見ができてきた。そう考えると、これは、一つの見方じゃなくて、多方面から見ることのできる作品なんだなと思います。

――深作さんからのアドバイスは?

深作さんも最初、悩んでいらっしゃったみたいです。白鳥というものが、ドラにとってどういう存在だったのか。もしかしたら天使だったんじゃないか? あるいは、実はドラの分身なんじゃないか?と。どんどんファンタジーになっていきますけど、それはそれで納得できる部分もありますし、それも一つの仮説。白鳥には自我がないんじゃないか? でもやっぱりこの場面には自我があるよね? と、深作さんも僕も、お互い思考錯誤しながらやっていく中で、徐々にスワンを作り上げています。

――何か公演に向けて事前にやっていたことはありますか?

稽古が始まる前に、深作さんから「動物園行って白鳥を研究してきてくれ」っていわれて、実際に行ってきたんです。白鳥って特に動かないんですよね(笑)。YouTubeなんかだと、羽ばたいたりするシーンをアップしてあるので、動きもみられるんですが、実際に動物園でみていると、まぁ動かない動かない(笑)。ただ、印象的だったのが、首の使い方で、白鳥って、ものすごく首が太いんですよ。筋肉隆々で長くて太くて、その首をまわして毛づくろいを自分でやるんです。しかも、キャベツを食べてる姿がまた獰猛で。くちばしをすごい勢いで動かしてあっというまに平らげるんです。優雅な印象があるけど、実は獰猛な一面もあるんですよ、白鳥は! そのあたりは今回のスワンの役とつながりますかね。

――動物園に行った甲斐がありましたね(笑)。

40、50分は、ねばって見てましたから。ずっと階段に座って、ムービーとか撮ってね(笑)。

――人間ではない役を演じることについてはいかがですか?

白鳥といっても完全に動物の役という訳でもないので、そういう意味ではすごく難しいです。登場して白鳥から人間の姿にはなるけど、ドラからみたら白鳥のままで、ケビンからすれば人間にしか見えないし。でも実際、スワンは人間の姿をしていながら気持ちとしては白鳥なわけだから。それをお客様にどう伝えるか。動きも含めいろいろ研究中です。

――動物園での研究の成果の、本物の白鳥の動きをとりいれるんですか?

取り入れ……られないですね(笑)。首のつくりが違うので。

_DSC6059_pp――共演者はベテランの一路真輝さん、大澄賢也さんですが、お二人とガッツリ共演することについてはいかがですか?

恐れ多いです。お二人ともすごく優しくていい方で。厳しい方だったらどうしようと思っていたんですが(笑)。一からみんなで一緒に、フラットに作品を作り上げて行こうという雰囲気が稽古場にあります。

――お二人から学んだことは?

お二人とも、佇まいが素敵です。最初から世界感・空気感を持っていらっしゃって、いきなり稽古からぶつけてきてくださる。そういうことができる方ってなかなかいらっしゃらないし、ご自身も自分が腑に落ちるまで、台本の一つ一つを丁寧に落とし込んでいかれるので、そういう姿がとても勉強になります。

――3人芝居は普段やっている舞台とは違いますが?

3人だけでやるのは初めてで、絶対的に人数が違うというのは大きいですけど、楽しくってすごく密度が濃いです。人数が少ない分、待ち時間がないから、稽古がすごく楽しいです!

――舞台の稽古のときはいつも楽しいタイプですか?

そうとも限らないですね。楽しいこともありますが、それだけじゃなくて大変な思いもたくさんしますし、今回もこの先、絶対病むだろうな(笑)ってすごく思います。

――今回の舞台で、細貝さんが新たに挑戦することはなんでしょう?

今回は、初めてやることがすごく多いんです。ずっと板の上にいる、せりふが少ない、ファンタジーな海外の戯曲も初めて、3人芝居も初めてだし、こういう感じの動物の役も初めて。

――ファンタジーはお好きですか?

もちろん嫌いじゃないです。でもこういったタイプのファンタジーは初めてです。しかもお話自体はわかりやすいけど、いろんな捕らえ方がある、不思議な作品ですよね。ファンタジーって不完全燃焼の結末が多いけど、これは違う。

――お気に入りのシーンは?

今の段階では、初めて僕が喋るシーンで、ケビンの物まねをするところがあるんですけど、そこがちょっと楽しいです(笑)。

――今年のお仕事は『スワン』で締めくくることになりますが、2014年を振り返ってみると、今年は舞台が多かったですね。

はい。特に初主演をやらせていただいた『マルガリータ』は自分の中で大きかったですね。それまでは責任感を担ってきたことがなかったので。毎日ミーティングをしたりして、よい舞台にしようとみんなで必死でした。

――そして、30歳にもなりました。

スッキリしましたね(笑)。29歳のころは、「細貝圭(30)」って書かれるのがやだなーと思ってたんですけど(笑)。いざ30歳になったら、吹っ切れた!

――30歳の一年はどんな年にしたいですか?

30歳になって一発目の作品が『スワン』という、すごく素敵な大人のお芝居に出させていただいた。「幸先いいなぁ」という感じなので、さらに2015年はもっと大人な作品に出会えるように、また1段、階段を昇れるような年にできたらいいなと思います。

――最後に、『スワン』をご覧になるお客様にメッセージをお願いします!

すごく大人なファンタジー・ラブストーリーになっております。登場するのは3人しかいないので、それぞれの役の目線によって、作品の見方が変わってきます。そんなところも、ぜひ楽しんでいただければと思います。

 

★★★細貝圭さんからのメッセージです★★★

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プロフィールほそがい・けい
1984 年10 月10 日生まれ。東京都出身。6~9 歳、11 歳~23 歳をアメリカで過ごす。2008 年、ミュージカル『テニスの王子様』でデビュー。主な出演作に、舞台『戦国BASARA』シリーズ、『タンブリング』、『トロイラスとクレシダ』、『飛龍伝21~殺戮の秋』、特撮ドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」など。2014 年にはつかこうへいダブルス2014 『新・幕末純情伝』『広島に原爆を落とす日』への出演、そして舞台『マルガリータ~戦国の天使たち~』で初主演を務めるなど、舞台を中心にテレビや映画などでも活躍。


公演データ
『スワン』
作:エリザベス・エグロフ
翻訳:高橋知伽江
演出: 深作健太
出演:一路真輝、細貝圭、大澄賢也

【兵庫公演】
2014年12月6日(土)~7日(日)
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
お問合せ 兵庫県立芸術文化センターチケットオフィス
0798-68-0255

【水戸公演】
2014年12月13日(土)~14日(日)
水戸芸術館ACM 劇場
お問合せ 水戸芸術館ACM 劇場(10:00~18:00 月曜休館)
029-227-8123

【東京公演】
2014年12月17日(水)~23日(火・祝)
紀伊國屋ホール

チケットに関するお問合せ サンライズプロモーション東京
0570-00-3337(10:00~19:00)

公演に関するお問合せ 
東宝芸能 03-3504-2011(平日11:00~18:00)
キューブ 03-5485-2252(平日12:00~18:00)

公式blog
http://ameblo.jp/the-swan-2014/

 

 

 


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