インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『ロンドン版 ショーシャンクの空に』 三浦涼介さん
『ロンドン版 ショーシャンクの空に』が12月11日より日比谷・シアタークリエにて上演されます。この作品に出演する三浦涼介さんにお話を伺いました。(取材・文/湊屋一子、撮影/齋藤ジン)
INTERVIEW & SPECIAL 2014 11/14 UPDATE
1994年に公開され、第67回アカデミー賞で作品賞など7部門にノミネートされた名作映画『ショーシャンクの空に』。スティーヴン・キングが書いた原作は、2009年にアイルランドで初演され、同じ年にロンドンにも上陸。3ヶ月間大好評を博し続けました。
そして2014年12月、『ロンドン版 ショーシャンクの空に』がいよいよ日本に上陸します! 三浦涼介さんは、刑務所という閉ざされた空間で、信念を持って生きる主人公アンディ(佐々木蔵之介)に感化されていく、若い新入りの囚人・トミーを演じます。
――映画『ショーシャンクの空に』はごらんになっていましたか?
三浦涼介(以下三浦) すごい偶然で、嘘みたいな話なんですけど、以前、演出家の蜷川幸雄さんと初めてお会いしたときに「こういう作品を見ておいたほうがいい」って渡されたDVDがあって、その中にこの映画が入っていたんです。特に、この映画はすごく好きになってはまって、何度も見ていたし、パッケージごとテレビの横に飾っていたんです。
――そうしたらこの作品に出演することになった。すごい偶然ですね!
三浦 呼んでいただいて本当に光栄だと思いました。自分が映画で見ていたいろいろなシーンが、舞台でどう表現されるのか、一視聴者…舞台だから観客かな、そういう気持ちでワクワクしました。
――この物語のどういうところに惹かれたのですか?
三浦 今まで見たこともない作品だと思いました。アンディは何も傷つけていないのに、ひたすら暗闇にいて…その暗闇から開けた、真っ青な空と海が、すごくキラキラして見えたんです。あの空と海は衝撃的でした。こんな人生ってあるのか、一生暗闇じゃないんだ、と。
――映画を見ているとき、今回三浦さんが演じるトミーのことは、どんな風に思っていましたか?
三浦 それが……印象が薄くて(笑)。「え、トミーって? ああ、あの死んじゃう奴か」くらいしか(笑)。でもあの役は、実はブラッド・ピットがやるはずだったんだって聞いて、「ブラピがやるはずだった役をやるんだ!」って、テンション上がりました(笑)
やっと舞台の楽しみ方がわかってきたところ
――今までさまざまな舞台やドラマに出演なさっていますが、最初に舞台に出たときのこと、覚えていますか?
三浦 16歳くらいのときだったんですけど、あの頃は何もわからないし、自分の手元くらいしか見えてなかったんです。周囲に誰がいたのかも全然見えてなくて、その舞台の打ち上げで初めて「あ、100人くらいの人がいたんだ!」って気づいたくらい。
――アップアップという感じでしたか。
三浦 そうですね。本当に右も左もわからず、上手・下手(かみて・しもて)もわかりませんでした(笑)。一昨年、蜷川幸雄さんの作品に出していただいて、そのときやっと「またやりたい」と思えたんです。それまでは芝居自体の楽しみ方がわかっていなかったのが、「芝居って楽しい!」と思えるようになりました。
――蜷川さんの演出のどういう点に、そういう気持ちが引き出されたのですか?
三浦 演出がというより、蜷川さん自身にです。蜷川さんは自分の気持ちを言葉にしなくても、理解してくれる人。目が合うだけでわかってくれる人がいる、わかりあうことが出来るということを教えていただきました。
――それまで誰かと「わかりあえない」と悩んでいた?
三浦 具体的に誰か、ということはないんですけど、いつも気を張って、人目を気にしていたところがあって…。でも蜷川さんに出会って、素直で、ナチュラルでいいんだと教えていただきました。
――周囲に気を使いすぎていたんですね。
三浦 今もけっこう気にするというか、取材の前の日とか緊張気味ですね(笑)。
――え、そうだったんですか!(笑) そういう緊張をどうやってほぐしています?
三浦 移動中は何も考えないようにして、頭を休めます。あとはあんまり好きじゃない人のことを思い浮かべて「見とけよ!」と、力入れたり(笑)。
――目にものを見せてやるぞ……って、負けず嫌いですか?
三浦 実は、負けず嫌いです!
どんな風に生きてきた人か、想像するのが楽しい
――今回、トミーをどのように演じようと考えていますか?
三浦 トミーはすごくロックンロールな奴だなと思っていて。わかりやすい、素直な熱い人なんです。こんな奴でいいの?と思うところもあるんですが、若いからこそ、こんな奴でいいんですよね。まっすぐ生きていけばいいんだって。
――三浦さん自身との共通点はありますか?
三浦 え……、鼻が高いところ(笑)。演じる上で、あまり役と自分の共通点を探すことはないんです。作品の中での立ち位置や、その人物がどんな生活をしてきて、どんな風に生きてきたかを考えます。脚本に描かれていない部分を、いろいろ想像して埋めていくのが楽しいんです。
――今回の舞台で何か「これを身につけたい!」というものはありますか?
三浦 稽古を楽しみたいですね。今年やった舞台(『わたしを離さないで』)の稽古がすごく楽しくて、「なんて芝居って楽しいんだろう!」って思ったんです。『ショーシャンクの空に』は、その気持ちを味わってからすぐ次の舞台なので、今回もとにかく楽しみたいですね。
――ファンの方たちは、また新しい三浦さんの魅力が見られますね。
三浦 今まで見せていない部分も見せられるかな。共演の方たちも、また今までの舞台とは違った方たちばかりなので、こういう舞台に出られて、本当に光栄です。ぜひ多くの方に観に来ていただきたいです。
★プロフィール
みうら・りょうすけ
2002年映画『おぎゃあ。』にて俳優デビュー。以降、さまざまな分野で活躍。2010年『仮面ライダーオーズ/OOO』アンク/泉信吾役で一躍人気者に。舞台は、2004年『スター誕生』に出演後、数々出演。特に、2012年に『ボクの四谷怪談』、2014年に『私を離さないで』で蜷川幸雄の演出を受け、舞台の面白さに開眼した。
★公演データ
『ロンドン版 ショーシャンクの空に』
日程/12月11日(木)〜29日(月) 会場/シアタークリエ
原作/スティーヴン・キング
脚本/オーウェン・オニール、デイヴ・ジョーンズ
演出/白井晃
出演/佐々木蔵之介、國村隼、三浦涼介、谷田歩、小林勝也、板尾創路 他
問/東宝テレザーブ ℡03・3201・7777
※宮城、名古屋、広島、大阪、福岡公演あり