インタビュー & 特集
SPECIAL! 『セレブレーション100!宝塚』集中連載 第九回 貴城けいさん(1)
宝塚歌劇100周年を記念して、5月18日から6月8日まで青山劇場で上演され、6月24日から大阪梅田芸術劇場にて公演中の『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』。この作品に出演しているトップスターさんたちに、現役時代のお話から100周年の思い、OG公演についてなどを、連載でお伺いしています。東京公演中に連載した第一弾に続いて、第二弾をお送りします(※登場順不同)
貴城けいさんが在団中の現役時代の2004年、宝塚歌劇団は90周年を迎えました。各組の二番手が他組に特別出演する企画があり、貴城さんは星組公演『1914/愛』『タカラヅカ絢爛』そして、月組公演『飛鳥夕映え』『タカラヅカ絢爛Ⅱ』の2公演に連続出演。現役時代の、そしてOGとしての100周年公演について語っていただきました。(取材・文/小柳照久、撮影/笹井孝祐)
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INTERVIEW & SPECIAL 2014 6/24 UPDATE
私が経験した90周年イベント、100周年式典
4月に宝塚大劇場で行われた100周年記念の式典と特別公演『時を奏でるスミレの花たち』に出演させていただいて、改めて凄いところに在籍していたんだと感じました。式典では現役生と音楽学校生が一同に揃っての大合唱があって圧巻でした。
私が在団中に宝塚は90周年を迎えました。雪組公演では90周年を祝って90人のラインダンスがありました。私は二番手特別出演期間で、この年は星組公演と月組公演に出演していて、雪組公演には出演していなかったので、客席から90人の大ラインダンスを「凄い凄い!」と見ていたんです。今年は100周年ということで春の月組公演では100人のラインダンス! さらに多くてもうビックリしました。すばらしかったです。
90周年イベントの年、私はとにかく忙しくて、星組公演出演から月組公演出演までお稽古期間がほとんどない中、役替わり公演で、私だけ三役演じなければいけなくて、死んでしまうのではないかと思う位にしんどかったですね。どの組のトップさんよりも私の方が忙しかったかもしれません。でも、私は初舞台も研一時代の組回りも、そして組配属も雪組で、それまで他の組を知らなかったので、星組と月組に出演出来たのがとても新鮮で刺激的でした。自分の持っているカラーについてもすごく意識するようになるなど、経験が血となり肉となるのを実感する一年でした。
宝塚の凄いところ
どんなにハードスケジュールであろうと、たとえ舞台稽古では早変わりが間に合わなくても、本番ではなんとかやっちゃうのがタカラジェンヌなんです。早変わりなどはお衣装部さんと工夫して、本番では不可能を可能にしてしまうんです。こんな時の対応は、先輩に習う部分もありますし、見て盗む部分もあるんですが、常にお稽古場があって舞台に立ってという生活が日常の中で、自然と身についていく部分もあるのかなと今になって思います。コンスタントに舞台に立つ機会があるのは、本当に幸せな環境でした。
私は雪組から宙組主演男役として組替えしました。出演したことのない組で、みんなに受け入れてもらえるか、果たしてちゃんと組のピラミッドができるのかという不安がありましたが、その不安をすぐに打ち消してくれたのが宙組のメンバーでした。私が目指していたのは、組子と一緒に作り上げる舞台。みんなが笑顔でノビノビ舞台に立っている姿というのが、お客様からも「活気づいている組」に見えるのではないかと思っていました。サヨナラ公演の千秋楽では「アイ・ラブ・ショパン」の歌詞を「アイ・ラブ・カシさん(貴城の愛称)」とアドリブで盛り上げてくれたんです。私は早変わり室の中で着替えながら聞いていたんですが、みんなが一生懸命考えてくれたのが本当に嬉しかったです。宝塚は五組が競い合っていますが、ライバルであると同時に、仲間なんですよね。この仲間としての団結力も宝塚の魅力だと思います。
(2)へつづく