インタビュー & 特集

INTERVEIEW! 『Love Chase!!』紫吹淳さん・水夏希さん

現在シアタークリエにて好評上演中の天使と悪魔と人間たちが繰り広げるラブコメディ『Love Chase!!』(作・演出・振付・出演/玉野和紀さん)で、紫吹淳さんと水夏希さんが共演! 紫吹さんは宝塚月組元男役トップスター、水さんは宝塚雪組元男役トップスター。共演は宝塚歌劇のベルリン公演以来のこととなる。「宝塚トップとしてのあり方が正反対だった(笑)」というお二人は……!?(撮影/熊谷仁男 取材・文/大原 薫)

INTERVIEW & SPECIAL 2014 4/15 UPDATE

――お二人の役柄は?
紫吹 私は天使の役です。私は今まで悪魔系の役が多かったので、そういった意味では新たな挑戦かな。ミズは悪魔の役だけど、役作りは要らない?(笑)。
水 いやぁ(笑)。本読みの段階から、リカさん(紫吹)は「普通に読んでるだけなのに、なんで、皆笑うんだろう?」とおっしゃってたんですよね。自然にやってるのに、間が絶妙なんです。
紫吹 私とミズとは、宝塚でのあり方のタイプが違うので。
 話せば話すほど違いますよね(笑)。
紫吹 ミズは優等生で、私は劣等生。ミズは正しくトップになった人で、私は間違えてトップになっちゃった人。
 いやいや(笑)。

紫吹 二人は持っているものが全然違うから、天使と悪魔という対照的な役柄はピッタリだなと思うの。
 たとえば、私は「公演初日まであと1ヶ月しかない、どうしよう!」と思うけど、リカさんは「まだ1ヶ月あるんでしょう? 大丈夫、大丈夫」みたいな感じですものね。
紫吹 覚えておいてほしいんだけど、私は舞台に上がるまで完成形は見られないから。自分としては稽古中も一生懸命やってるのに、舞台に上がると全然違うらしいの。
 リカさんは感覚派なんですね。
紫吹 ミズは、考えて考えて作るタイプじゃない?
 そうですね。もちろん、考えて作る部分と感覚でやってる部分と両方あるんですけど。今回も宝塚を退団して初めて男役を演じるということで、「男役とはどう演じるんだろう?」「宝塚の現役のときと同じようにやろうとしても、同じにはいかないだろうし」といろいろ考えて。でも、実際演じてみたら、一周回って、宝塚の男役のときと同じように演じてるかなって(笑)。
紫吹 でも、男性が演じている中で男役を演じると、何か変わってくるよ。
 そうですよね。それはそう思います。

――紫吹さんは宝塚退団後も、男役を演じていらっしゃいますよね。
紫吹 宝塚を退団して10年目になるんですけど、年に1本は男役を必ずやってきてますね。ファンの方は「宝塚の現役時代よりも、今の男役のほうが全然いい」とおっしゃる方も多いんです(笑)。今は宝塚時代のように頑張って男役を演じなくなった。いい意味で抜け感があるのかなって。宝塚時代は、男役を作らないとできなかったんですね。自分で研究に研究を重ねて、自分なりの男役の型を作り上げてきた。だから、宝塚時代は苦労したけど、逆に退団後は「男役を演じて」と言われたら、ポンと男役の型にはまることができる。
 (男役の)スイッチがあるということですよね。
紫吹 でも、スイッチは入るけど、継続するのは大変よ。
 そうですよね、本来の性別じゃない人物になるわけだから。
紫吹 女性の役のほうが楽だもの。
 私はまだ、「女性の役のほうが楽」とは言えないな(笑)。
紫吹 宝塚には「男役10年」という言葉があるけど、私は(宝塚退団後)女優で10年やってきたから。ミズはまだ4年でしょ?
 そうですね。今は正直、まだ(男役も女性役も)どっちを演じるのも中途半端なところがあって。ただ、今回は悪魔で両性具有の役。「男でもあり、女でもあり」というのが今の本来の自分でいられる感じがしますね。でも、リカさんはプライベートは女性のままでいながら、究めた男役をやってたというのがすごいなと思って。
紫吹 ミズは宝塚時代は、普段も男役っぽかった?
 そうですね。最近は女子をやってきたから、座るときもなるべく足を閉じてたんです。でも、今は男役をやってるから、気がついたら自然と足が開いてるようになって(笑)。自分でもびっくりですよ。

――今回は、玉野さんらしい独特のテイストのあるコメディですよね。
紫吹 私は以前、玉野さんのショー作品(『Mr. PINSTRIPE』)に出させていただいたんですが、ストーリーがあるものは初めて。玉野さんの才能はすごいな、と改めて思いましたね。
 玉野さんが、台本が仕上がる前に「頭の中でいろんなアイディアがあるんだけど、それがまとめられなくてね」とおっしゃってたんだけど、出来上がった台本を読んでみて「なるほど」と思いましたね。これをまとめるのは大変だろうと。単なるラブストーリーではないので。
紫吹 本当に「ラブ・チェイス」だよね。
 ああ、確かに。
紫吹 題名だけ『ラブ・チェイス!!』と聞いて「何だろう?」と思ったけれど、台本を読んで稽古が始まってみると、本当に深いものがあるのがわかったよね。
 そう、コメディだけど深い。恋愛を「明るく楽しく」だけでなく、掘り下げて演じていったら、皆さんが共感できる内容になるんだろうなと思いますね。それに、私たちが人間に扮している場面もあって。そこで天使や悪魔の顔がふっと出てくるので、その演じ分けが難しいですよね。
紫吹 そう、人間って皆、天使の部分も悪魔の部分も両方持ってるじゃないですか。そういう意味も込められていると思う。

――そして、ショー的な見どころも盛りだくさんですね。
紫吹 私はこんなにタップがあると思わなかった。
 ダンスシーンも多いですよね。
紫吹 稽古でこんなに汗をかいたの、久しぶり。
 リカさんは稽古中にドライヤーを2回かけるんですよ(笑)!
紫吹 頭から汗びっしょりになっちゃうから(笑)。稽古場にドライヤーを持ち込んだのなんて、初めて。

――もちろん、お二人の激しいダンスシーンも……?
紫吹 私たちが天使と悪魔として、男役で対決するシーンがあるので。
 昨日、キャストの女性たちに「リカさんと水さんが二人で踊る場面のダンスは、何ていうジャンルなんですか?」と聞かれて、「うーん……宝塚?」って(笑)。
紫吹 それもうまいこと作ってあって、「もっと見たい!」というところで終わりますから(笑)。

――それは、何度も見せていただかないと(笑)。では、最後に読者の皆さんを『Love Chase!!』へとお誘いしていただければと思います。
紫吹 今まで見たことがないミズさんが見られるので。
 (笑)。
紫吹 ぜひ、劇場まで足を運んでいただければと思います。春の季節に相応しい、楽しい作品で皆さんをお待ちしています。
 リカさんの計算のない、でも計算し尽くされたような笑いがそこかしこに見られますので。リカさんだけじゃなく、全員にそれぞれに見せ場があって、キャラクターが生かされている。まさに「当て書き」のよさがあるオリジナルですので、ぜひ笑いのタネを探しにいらしてほしいなと思いますね。
紫吹 もう「笑ってはいけない」といわれても、笑っちゃうと思う。
 もし、見に来て「クス」っとも笑わなかったら、私が返金します(笑)!?

☆☆☆お二人からのメッセージです!☆☆☆

 

「Love Chase!!」
4月9日~24日 東京・シアタークリエ
5月1日    名古屋・愛知県芸術劇場大ホール
5月3日~4日 大阪・サンケイホールブリーゼ
作・演出・振付:玉野和紀
出演:紫吹 淳、水 夏希
原田優一、野島直人、木村花代、綿引さやか
馬場良馬、青柳塁斗、廣瀬大介、小野田龍之介
玉野和紀
http://www.tohostage.com/lovechase/


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