インタビュー & 特集
INTERVIEW! 舞台『銀河英雄伝説 第四章 後篇 激突』 河村隆一さん
2月12日~ 3月2日、青山劇場で上演中の舞台「銀河英雄伝説 第四章 後篇 激突」。シリーズ最終章となる本作に、ヤン・ウェンリー役で出演している河村隆一さん。舞台にかける意気込みを直撃!(文/田部井徹)
INTERVIEW & SPECIAL 2014 2/25 UPDATE
――シリーズ10作目となる、舞台『銀河英雄伝説 第四章 後篇 激突』、上演が始まりました!
「今作は、いよいよヤン・ウェンリーがラインハルトと直接対決ということで、どちらが優れた指揮官であるのかというのがハッキリする戦いが描かれることになります。その中において、ヤンの心の動きをどう表現できるかというのを大事にしたいと思っています」
――今回で4作目(出演回数)になりますが、これまでヤンを演じて感じられていることは?
「まず、ヤン・ウェンリーという人物を演じていること、それ自体がとてもうれしいですね。一方で、ヤンは、自分の本音をエネルギーを持って伝えないというか、感情的にならないというキャラクターなので、舞台で演じる時の難しさというのも感じています」
――ヤンは人気のあるキャラクターですが、周りやファンの方々の反応は?
「否定的な声はほとんど聞かなかったです。僕のファンや、バンドLUNA SEAのファンの人たちが見て、“(もっと)歌って欲しかったな”、っていう意見はありましたけど(笑)、でも、すごく作品自体を愛してくれていますね」
――河村さんご自身、原作の大ファンだったそうですね。
「はい、原作もアニメも大好きです。この作品は過去から現代に及ぶ世界の縮図でもあると思うし、この物語を読むと、“生きる”ということの大切さや、平和の大切さというのは不変だと改めて気づかされます。『銀河英雄伝説』を読んでもう一度世の中を見ると、小さな争いがかなり減るんじゃないか、と思うぐらいの作品ですね」
――アニメも何度も繰り返しご覧になったそうですが。
「アニメは、100何話を2日~3日連続で一気に見るんです。それを10回以上は見てるので、シナリオをもらって読むと、あそこの部分をカットして、ここを生かしているんだっていうのがすぐにわかりますね(笑)」
――回を重ねて、ヤンを演じたことで、変わってきた部分はありますか?
「最近は、例えば、カンパニーの仲間と食事をしていても、何気ない会話の中でヤンのセリフ回しになっていることがありますね(笑)。自分の中でも板についてきたのかなと思います」
――言い回しがヤンテイストに(笑)?
「なっていることがありますね(笑)。あと、この『銀河英雄伝説』という物語は、読んでいて、“こいつはどうせ悪者だ”というわかりやすい見方ができないんです。でも、それを舞台でやろうとすると、当然観る方も、どっちがいい人でどっちが悪いんだろう、という思いになってしまう。第二章、第三章と、ここまでエネルギッシュにやっていいのだろうか、と考えながらやっていたんですけど、第四章『~激突前夜』で、比較的そういうものを取り払って、ひとつのエンターテイメントとしてわかりやすさも表現できたらという思いで演じさせてもらいました。ヤンの立場や思いを少し明確にしようと変わってきた、というのはあると思います」
――河村さんが思うヤンの考え方の芯の部分とは?
「まず、ヤンの立場からしたら、戦争は悪。査問会で、政治家に対して“あなたたちが戦場を見ないで安全な場所にいて、戦争って素晴らしいと言っている”と言葉を放ち、“戦争があるから人類は進歩するんだ”というような意見に憤りを感じてるんですよね。じゃあ、あなたたちも戦場に出て御覧なさいと。目の前で自分の息子が殺されたらどう思うかと。その立場をヤンは声を高くして言っていくべきだと思っているんです。でも、一方で、自分が退役すると言いながら、軍隊をどこかに隠してたり、そういう一面もあるんですよね。どこまでがホントにヤンの姿なんだろう、って…。99%はいい人なんだけど、1%ぐらい、この人心の中で葛藤があるんじゃないか、って想像をめぐらせながら、ヤンについては終わりなく、いろいろと考えてますね」
――今作は、映画監督の崔洋一さんが演出されていますが、崔さんとは事前にお話はなさいました?
「『~激突前夜』を観に来られていて、“厳しいことを言うけど、あんまり落ち込まないでくれ”というようなことは言われました。あと、LUNA SEAの初期の頃にライブハウスでお会いしてたということもわかって。長い時間を経て、再会できたんだなと感慨深かったです。映像の方なので、どんな演出になるのか楽しみにしてください。エンターテインメントとして意識する、切るところは切り、深く掘り下げるところは掘り下げるとおっしゃっていましたので、お客様もエンターテインメントとして、楽しんでいただければ。」
――最後に舞台を楽しみにされている方にメッセージを。
「ヤンの瞬間の心の動きをどう表現できるか。ヤンとして最後の部分。生涯のライバルでもあり、尊敬して止まない人物でもあるラインハルトへの心情をしっかりと表現できたら、と思っています。間違いなく、今の時代に投げかけられるメッセージがあると思います。ぜひ、期待してください」
河村隆一さん、崔洋一さん
かわむら・りゅういち●1970年生まれ。
LUNA SEAのヴォーカルとして1992年にメジャーデビュー、
ビジュアル系バンドとして大ブレイク。
今年バンド結成25周年を迎えた。
人気小説を舞台化した『銀河英雄伝説』シリーズでヤン・ウェンリー役を演じている
2月12日~ 3月2日青山劇場
舞台「銀河英雄伝説 第四章 後篇 激突」
演出:崔 洋一
原作:田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ(創元SF文庫刊)
出演:
河村隆一
横尾 渉(Kis-My-Ft2) 二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)
真田佑馬(noon boys) 野澤祐樹(noon boys)
渡辺裕之 天宮 良 IZAM 山口馬木也 井田國彦 増澤ノゾム 伊藤哲哉
HARUNA(SCANDAL) はねゆり 中山由香
中村誠治郎 平田裕一郎 三上 俊 小谷嘉一 福山翔大 澤田怜央 大前喬一 一ノ瀬ワタル
間宮祥太朗
中川晃教
貴水博之 ほか
公式サイトhttp://www.gineiden.jp/gekitotsu/