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SPECIAL! スタジオライフが皆川博子さん原作の『少年十字軍』を舞台化!

男優劇団スタジオライフが皆川博子さん原作の『少年十字軍』を初めて舞台化。初日を控えたゲネプロの模様をレポートします。
(写真/Yukari Watanabe 文/大原 薫)

INTERVIEW & SPECIAL  2014 2/25 UPDATE

『少年十字軍』は1212年、天啓を受けた少年エティエンヌが聖地エルサレム奪還のための十字軍を率いたという実際にあった話を元に綴られた、皆川博子さんの最新長編小説。
スタジオライフとしては皆川さんの作品は『死の泉』に次いで2度目の舞台化となります。「原作の魂をつかんで視覚化してくださるスタジオライフに、謝意を捧げます」と皆川さんからは絶大な信頼も寄せられています。

今回の公演では大作の原作を3時間の舞台に凝縮。脚本・演出の倉田淳さんらしく骨太かつ繊細な表現で、力強く人間ドラマを描き出しています。(公演はダブルキャストで行われていますが、Fluctusチームの公演の模様をレポート)

物語の中心軸となるのは奇跡を起こすエティエンヌ。彼を信じて少年十字軍に参加する少年少女たちが清らかな心のままに突き進んでいこうとしますが、十字軍を利用しようとする大人など、「悪」や「俗」な心を持った様々な人物たちが現れてきます。

しかもここで描かれるのは「善」vs「悪」という単純な対決構造ではありません。
己の正しさを貫くために罪を犯さなければいけない人、あるいは俗な心からスタートしたのにいつしか自分は「善」だと信じ込んでしまう人……。
少年十字軍の結成からその最終的な結末に至るまでの旅路を追いながら、「善」と「悪」の間で揺れる多くの人たちの姿を浮き彫りにするのが、『少年十字軍』なのです。

そして、非常に人間味のあるキャラクターが多数登場し、その一人一人に感情移入できるのがスタジオライフ版『少年十字軍』の魅力。

中でも、倉田さんが「一番惹かれている」「あの存在があるからこそ舞台にさせていただきたいと思った」というキャラクターが、ガブリエルとサルガタナス。 過去の記憶がないガブリエルが、エティエンヌら少年十字軍と行動を共にするうちに自分自身と過去に対峙していく様を山本芳樹さんがドラマチックに演じます。自分の中にある「悪」に目をそらさず見つめ、それでもまっすぐに自分の生を受け入れようとする様を克明に描いて、この物語に大きなうねりとカタルシスをもたらしました。

そして、ガブリエルだけに見える「悪魔」であり、ガブリエルの分身ともいえる存在のサルガタナス。原作では青い蝶々がサルガタナスという悪魔の実態に変化する幻想的な表現がとられていて、それがどう舞台で表現されるかも注目されていましたが、映像と役者さんの演技とを交えて、見事に眼前に表してくれました。
Fluctusチームでサルガタナスを演じるのは松本慎也さん。妖しくも美しいサルガタナスを見せて、神秘性を増しています。なお、ダブルキャストのもう一つのチーム、Navisでは松本さんがガブリエルを演じ、山本さんがサルガタナスを演じます。配役の妙も見どころのひとつです。

少年少女の役を演じるのは、劇団のJr.11(11期生)とFresh(新入劇団員、将来の12期生にあたる)の新人たちが演じます。
Fluctusチームでエティエンヌを演じる藤森陽太さんは清らかな心のうちに潜む苦悩を繊細に表現。ルー役の田中俊裕さんは初の大役。少年らしいたくましさの中にナイーブさが浮き上がるアプローチが、スタジオライフらしいところです。
また、鈴木翔音さんが演じるレイモンは「自分も奇跡を起こせる」と言い出し、やがては自分でも信じ込んでしまうような心の変遷がとても興味深いです。

ガブリエルと同様に「悪魔」が見えてしまうカドック役を演じる曽世海司さん。原作で読む限りでは謎の多いキャラクターですが、曽世さんの迫力ある演技には説得力があり、終幕のドラマを大きく盛り上げました。
エティエンヌに十字軍結成を勧めるフルクは船戸慎士さん。金髪白装束のエティエンヌと黒髪黒装束のフルクの対比が非常に映えて、聖なる少年たちと異なる「大人」の存在を印象付けました。
カトリックの助修士、ドミニク役の関戸博一さんはガブリエル、カドックと同じように人とは違うものが見えるけれど、まだ少年性も備えているという、いわば人間の過渡期にあるような役どころ。ドミニクの揺れ動く部分をとても人間的に描きます。
レイモンの従者ベルトランは仲原裕之さん。限られた台詞の中にも彼のまっすぐな気性や心の変化を映し出す、丁寧な役作りが目を引きます。

少年十字軍の旅路の各地で出会う大人たちを、まるで七変化のように様々にキャラを変えながら演じたのはベテラン、笠原浩夫さんと石飛幸治さん。他を圧する大きさを見せる笠原さんが少年十字軍の前に立ちはだかり、石飛さんは昨年の8ヶ月に及ぶ『レ・ミゼラブル』出演に続いてこの公演でも見事な歌声を披露しました。

少年十字軍の長い行程を彩る舞台美術(野村直子さん)は映像を巧みに交えながら象徴的に見せて、想像力を駆り立てます。
自分の中にある聖と俗、善と悪……今に通じる深いテーマを私たちに突きつける舞台です。

スタジオライフ『少年十字軍』は3月2日まで東京シアターサンモールで、3月8、9日に名古屋名鉄ホールで上演されます。
※FluctusチームとNavisチームのダブルキャストで上演。

[公演情報]

スタジオライフ『少年十字軍』

2014年2月8日(土)~3月2日(日) シアターサンモール
3月8日(土)~9日(日)名鉄ホール
原作:皆川博子『少年十字軍』ポプラ社刊
脚本・演出:倉田淳
出演:山本芳樹・曽世海司・船戸慎士・青木隆敏・牧島進一・関戸博一・松本慎也・石飛幸治・笠原浩夫 ほか
問い合わせ先:スタジオライフ 03-5929-7039 (平日12時~18時)
ticket@studio-life.com(チケットに関するお問い合わせ)
公式サイト●http://www.studio-life.com/

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