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INTERVIEW! 映画『幕末奇譚 SHINSEN5 弐〜風雲伊賀越え〜』馬場良馬さん
新選組と、陰陽師がよみがえらせた武将が戦うアクション映画、『幕末奇譚 SHINSEN5』の第2弾「〜風雲伊賀越え〜」が、まもなく公開されます。この映画で斎藤一役を務める馬場良馬さんに、お話をうかがいました。(撮影/熊谷仁男 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2013 12/3 UPDATE
映画『幕末奇譚 SHINSEN5 弐〜風雲伊賀越え〜』は、新選組の土方歳三、沖田総司、斎藤一、藤堂平助、原田左之助が、戦国時代にタイムスリップし、陰陽師の土御門源春の手でよみがえった真田幸村による徳川家康暗殺を阻止しようと奔走するアクション時代劇です。馬場良馬さんは前作に引き続き、斎藤一を演じています。
●2作目の撮影が決まったときのお気持ちを聞かせてください。
僕はもともと幕末の歴史が好きで、新選組や幕末の志士たちをやりたいなあと思っていたんです。そうしたらこの映画の1作目のお話をいただいて、本当にうれしかった。撮影もすごく楽しかったんですが、でもちょうどその時、戦隊(『特命戦隊ゴーバスターズ』)をやっていて、スケジュールがすごくタイトで、撮影も2、3日で撮れるだけ撮って、東京にとんぼ返りして戦隊を撮って…。だから時間に追われている感覚が大きかった。それだけに反省点も多かったので、2作目のお話をいただいた時には本当にうれしかったです。
斎藤一は実在の人物なので、実際に生きていた人を演じられる喜びもあるし、その人に恥じないように演じたいという思いも強く、モチベーションは高かったです。撮影も1週間近く参加できたので、共演者の皆さんともコミニュケーションを取りつつ、がっつり取り組むことができました。
●幕末の歴史がお好きだと、かえってやりにくい部分はなかったですか? 元々イメージしていた斎藤一と違っていたり。
実在の人物を演じるのはプレッシャーではありますが、ぐずぐず考えているより前に進まなきゃと吹っ切っています。イメージとのギャップは、脚本に書かれている斎藤一とのギャップという意味ではないです。でも僕が演じることによって生まれる矛盾はあります。自分の想定している斎藤一を頭の中では演じることができるのに、それをどれだけ具現化できているかというと…。
でも、今回は斎藤一の葛藤が描かれているんですが、その悩みって今の時代の僕らにも通じるものがあるんですよ。『SHINSEN5』では、ああいう時代だからこそ、仲間を大切にする思いや、生きることへの執着が深く描かれている。僕らは今、恵まれた時代、世界に生きていますけれど、この作品に出会って、一日一日を大切に生きなきゃいけないって思いましたし、剣の重み、命の重みを考える機会になりました。
●立回りのシーンが多いですが、戦隊のアクションとはだいぶ違いますか?
違いますね。一番違うのは間合いです。戦隊では変身前の状態での戦闘シーンがありましたが、ほとんど素手で戦っています。でも『SHINSEN5』では剣を持っているので、その分距離を取らないといけない。僕はつい間合いを詰めすぎてしまって「近い近い」ってよく叱られました。でも共通点もあります。どれだけ心が相手に向かっていけるかが肝心だということ。うまく演じられても心がなかったらダメなので。それは戦隊でも、時代劇でも、同じですね。
●共演者の皆さんについて聞かせてください。
ばーちょん(馬場徹/土方歳三役)は、芝居の経験も芸歴も長いから、構えや貫禄の見せ方に安定感があって、完成した映像を見ると「ああきれいだな」って思います。神永くん(圭佑/沖田総司役)は若いからこそ醸し出せる真っ直ぐな感じ、特に視線がすごい。少年っぽさと新選組隊士としての熱さを併せ持った芝居が素敵です。八神蓮ちゃん(藤堂平助役)は、普段はふわっとしてるのに(笑)、お芝居をやるとオーラがあって、周りの人をぐいぐい引きつけるんですよ。セリフの言い回しを何パターンも考えて練習したり、お芝居に関しては本当に真摯です。相馬くん(圭祐/原田左之助役)が演じる左之助は、突き抜けた明るさを持っているんですけど、そこって嘘がつけない部分だと思うので、あの明るさは相馬くん自身の持っているものなんだろうなあと思います。前回から左之助だけ役者が変わったんですが、相馬くんはきれいにフィットしていました。真田幸村役の井上正大くんや、土御門源春役の佐々木喜英くんも、みんなそれぞれ尊敬できる部分があって、だからこそ負けられないって思う。
泊まりがけの撮影だったんですが、オフタイムにはバカ話して盛り上がったり、みんなで日本代表のサッカーをテレビで観戦したり。今回出番が多くて一番忙しかった神永くんも、部屋に戻ってきてから僕らと過ごすたわいもない時間を大切にしてくれました。リラックスできて、すごくメリハリの利いた撮影現場でした。
●最近は映像のイメージが強い馬場さんですが、今年は『abc★赤坂ボーイズキャバレー』や30-DELUX『デスティニー』など舞台でも活躍されていますね。
はい。来年4月にはシアタークリエで上演するミュージカル・コメディ 『Love Chase!!』に出ます! 歌えない踊れない馬場良馬がミュージカルに!! 玉野和紀さんが演出で、主演が紫吹淳さんと水夏希さんで、僕らのような若手も青柳塁斗くん、廣瀬大介くん、小野田龍之介くんと、歌えて踊れるメンバーが揃っている中に、なぜか馬場良馬が出るという(笑)。もう精いっぱいやるしかないです。
舞台は生でお客様に届けられるし、一か月くらいみっちり稽古して出られるという良さがあるので、これからも続けていきたいです。
●馬場さんはこの先どんな俳優さんになりたいですか?
ちゃんと脇を固められる役者になりたいです。主役ももちろんできたらうれしいけど、30代40代の時に、いい役者になっていたいなって思っていて、自分がその年代で素敵だなって思う役者さんは、皆さん、しっかり脇を固めていらっしゃるので。だから今、20代のうちに吸収できるものは吸収していかないとと思っています。そういう意味では映像も舞台もやらせていただいていて、環境は整っているので、あとはどれだけ自分が吸収して、どれだけ成長できるかにかかっているので、一日一日を大切に頑張っていけたらなと思います。
☆映画『幕末奇譚 SHINSEN5 弐〜風雲伊賀越え〜』は、12月21日より渋谷 シアター・イメージフォーラムを皮切りに、各地で公開されます。
☆馬場良馬さんの写真は、登録無料の会員限定ページでも公開中です。
[プロフィール]
ばば・りょうま
1984年12月15日生まれ、千葉県出身。
2008年、ドラマ「東京ゴーストトリップ」(MX他)で本格的俳優デビュー。ミュージカル『テニスの王子様』手塚国光役で人気を博す。2011年映画『クレイジズム』『アサシン』他2012年スーパー戦隊シリーズ『特命戦隊ゴーバスターズ』のブルーバスター岩崎リュウジ役として出演する。主な舞台出演作としては『abc★赤坂ボーイズキャバレー 表 FINAL!』、30-DELUX『デスティニー』他。三越劇場にて 3月6日~ 『あんた十手もった?』 シアタークリエ 4月9日~ 『Love Chase!!』が公演予定。
2014年公開待機作 劇場版 『獣電戦隊キョウリュウジャーVS特命戦隊ゴーバスターズ』 『テコンドー魂〜Rebirth〜』他
トキエンタチャンネル● 配信中
公式ブログ●http://ameblo.jp/babaryouma/
[作品情報]
『幕末奇譚 SHINSEN5 弐〜風雲伊賀越え〜』
2013年12月21日(土) 渋谷 シアター・イメージフォーラム
2014年1月11日(土) 大阪 シネマート心斎橋
脚本:まつだ壱岱
監督:佐藤太
出演:馬場 徹 神永圭佑 馬場良馬 八神 蓮 相馬圭祐 井上正大 佐々木喜英 他
公式サイト●http://shinsen5.com