インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『カワイクなくちゃいけないリユウ』村井良大さん part2
さまざまな舞台を経て、この6月には主演舞台『カワイクなくちゃいけないリユウ』がスタートします。これまで舞台で演じたことのないラブコメディーにどう挑むのか、まだ稽古が始まる前の3月にその意気込みをうかがいました。(写真/望月研 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 5/25 UPDATE
●これまで舞台でラブストーリーを演じられる村井さんを観たことがないので、どんなふうになるのかとても楽しみです。
そうなんです。舞台でカップルものってやったことがないんですよ。縁もゆかりもない(笑)。ただこの作品は「ブラックラブコメディ」と謳っているんですね。だからラブよりもラブについての本音が出てくる話だと思います。新しい新鮮なお芝居ができるんじゃないかなって楽しみにしています。
新鮮といえば翻訳劇というのも新鮮です。アメリカンジョークみたいなものがけっこうたくさんあって、最初から日本で作られたものと違う難しさがあるんじゃないかなと思います。でもけっこう気持ちがわかるんですよね。どこの国でも人間ってみんなこうだな、男ってみんなこうだなって感じますね。
●今回村井さんが演じられるグレッグという役はどんな役ですか?
大人ぶっている男で、ステッフという彼女がいるんですが、彼女のことをあんまりかわいくないんだと、ふとした時に言ってしまうんですね。それが回り回って彼女の耳に入って、ちょっとそれどういうこと?って追求される、そういうところから始まります。ちょっとしたミスというか、本音が出ちゃって、彼女のことはすごく好きなのに、トラブルになっちゃった。それを収めたいし、違うんだよと言いたい。でも自分のちょっとした冗談が真面目に取られてしまうのがおかしくもあって……みたいな、男の子女の子が非常に詰まっている作品です。
●ご自分の経験に照らし合わせて、グレッグの気持ちがわかるところがありますか?
それはないですけど(笑)。でも男ってホント、こういうものだなって思いますよ。男の裏側が描かれていると言いながら、それは実は表側なのかもしれない。むしろ彼女の前が裏側かもしれない。そういうふうにいろんなところでちょっとずつ違う顔を作っているかもしれないですね。女性なんてもっとそうなんじゃないかなあ。
●グレッグといえば、外国人の役を演じるのは、『赤毛のアン』以来ですね。
そうですね。『赤毛のアン』以来ってすごいな(笑)。でもだからといって外人っぽく演じるっていうのも違うのかなって気もしますし。そこはいろいろ演出家さんとディスカッションしながら、バランスを見ながら作っていくと思います。いかにも外人さんっぽく振る舞ったって、所詮まねごとになっちゃうので、心の本質的なものを出せればいいのかなって思ってます。
●共演者の方はどんな方ですか?
ステッフ役の村川絵梨ちゃんはとっても真面目な方なんで、いろいろお話ができたらいいなって思ってます。友達カップルの彼女・カーリーをやる吉川(友)さんは一度しかお会いしたことがないんですけど、天然というイメージが強いですね。なんだろう。ちょっと不思議な感じなんですよ(笑)。女性陣ふたりは、全然違うタイプだと思います。でもどちらとも仲良くできると思いますよ。
グレッグの友達・ケント役の(植原)卓也くんとは初めての共演です。テニス(ミュージカル『テニスの王子様』)のときはお互いダブルキャストだったので会わなかったんですよ。今回一緒にがっつりお芝居できるのはすごい楽しみですね。たぶんストイックで、真面目な人なんじゃないかな。卓也くんの出ていた『カレーライフ』を観にいって、役者としてすごくいい人柄を持っているなって思いました。真剣さを感じるから、負けてられないなって気もしますし、いろいろ話をできたらいいですね。普通にごはんとかもいきたいです。
●『カレーライフ』といえば、今回と同じ深作健太さんが演出された作品ですが、ご覧になっていかがでしたか?
すごくユーモアのある方なんじゃないかなと思いました。台本を読んだわけじゃないので、もしかしたら演者の方のユーモアなのかもしれないけど、でも絶対人情のある方だろうなとは思います。深作さんの出す暖かみが舞台に宿っているんじゃないかなと。
●この一年くらいずっと舞台に立ってきましたが、これからどんな役者さんになっていきたいですか。
いろんなことを経験しなきゃいけない年齢だと思っているんです。だからやれることはなんでもやりたい。どんなことも僕にとって経験になると思うんですよ。ジャンルに関係なく、舞台でも映画でもドラマでもチャレンジしていきたいです。
僕は笑って泣ける芝居が一番好きです。でも笑い一つない重い話も好きだし、戦争の話とか、そういう作品もやりたい。なんでもやって、いろんな演出家さんや役者さんにお会いして、一緒に芝居をしたり、お話ししたい。そのためになるだけ物腰柔らかくいたいですね。
それで、どんな役者になりたいかっていうと、僕は「村井良大」になりたいんです。何々さんのような役者になりたいって思って目指しても、それってその何々さんにしかできないと思うんですよ。本物には勝てない。2番目にしかなれないじゃないですか。
それよりもむしろ自分が目標にされるような役者になりたい。もちろん尊敬している役者さんはいるけど、そこを目指すんじゃなくて、「村井良大」を目指します。
●ではその「村井良大」とは、どんな役者さんでしょうか。
うーん…。わかりやすくいうと、将来、助演男優賞が欲しいな。
●主演じゃないんですね。
僕、主演より助演が欲しいんですよ。助演って一番すごいなって思いませんか。助演の助って「助ける」って書くじゃないですか。誰かを助けられるってすごい。
もちろん主演男優賞だって取るのは大変難しいんですが、舞台でも映像でもストーリーは主役にそって作ってあるから、そういう意味では演じやすいですよね。それに比べて主役を支える演技って難しいと思う。だから助演男優賞を取られる方は実は一番すごいんじゃないかと思っています。
僕はいつかそういう役者になりたいです。
『カワイクなくちゃいけないリユウ』は6月2日(土)より新国立劇場 小劇場、6月23日(土)より兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演されます。
村井良大さんの生写真付きサイン色紙をプレゼント。
詳しくはプレゼントページをご覧ください。
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[プロフィール]
村井良大
むらい・りょうた
1988年6月29日生まれ、東京都出身
舞台『赤毛のアン』で俳優デビュー。2007年ドラマ『風魔の小次郎』で初主演。同ドラマの舞台版やミュージカル『テニスの王子様』『新春戦国鍋祭〜あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ』『遠ざかるネバーランド』などの舞台に出演。またドラマ『仮面ライダーディケイド』や映画『華鬼』『アブラクサスの祭』など映像作品でも活躍している。
公式ブログ●http://ameblo.jp/murai-ryouta/
[公演情報]
『カワイクなくちゃいけないリユウ』
6月2日(土)〜10日(日) 新国立劇場 小劇場
6月23日(土)〜24日(日) 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
演出:深作健太
出演:村井良大、植原卓也、吉川 友、村川絵梨
お問い合わせ:
サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00—19:00)(東京)
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00—17:00 月曜休/祝日の場合翌日休)(兵庫)
http://www.ntv.co.jp/kawaiku/