インタビュー & 特集
INTERVIEW! 古川雄大さん×舞台 part2
舞台や映画、ライブなど、さまざまな分野で活躍している古川雄大さん。初舞台を踏んでから6年目の今年、ミュージカル『エリザベート』のルドルフ役で帝劇の舞台に立ちます。稽古が始まる前の3月に、心境をうかがいました。
(写真/笹井孝祐 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 4/17 UPDATE
古川雄大さんがミュージカル『エリザベート』のオーディションを受けたのは、2011年11月のこと。合格の報せは12月にマネージャーさんから電話で届きました。
「正直、受かるとは思っていなかったんですよ。こんな素晴らしい作品に自分が出演するってことを想像できなかった。だから飾らずに正直にありのまま受けようと思って臨みました。“こういうふうに歌ってみて”って言われた時もそれが自分にできないことだったら“ちょっとできないです”って答えちゃったり。本当はそんなのありえないんですけど(笑)
だからなんで選んでいただけたのか、はっきりとはわかっていないんです。小池先生はオーディションの時に“一人だけ違う”とおっしゃっていて、それは歌い方より気持ちの持っていき方のことじゃないかと思うんですが……どうなのかな。トリプルキャストなので、いろんなルドルフが存在したほうが面白いから、選んでいただけたのかもしれません。
実は過去に小池先生の作品のオーディションを受けていたことがありました。それあっての『エリザベート』のオーディション。先生が僕に、2%か3%かそれくらいわずかかもしれないけど、可能性を見つけて呼んでくださった。その可能性に懸けてくださったんだと思います。だからできるだけの努力をして、皆さんのお力も借りて、少しでもそのパーセンテージを引き上げたいです。期待して選んでくださっているのだと思うので、その期待に少しでも応えたいと思っています。
ルドルフ役に決まったと聞いたときは、跳び上がって喜ぶというより“ありがとうございます”と低い声で喜びをかみしめる感じだったんですが、母がとても喜んでくれて……。両親はなぜか舞台の仕事だとより喜んでくれるんですよ。生で観られるし、それに東京に遊びにくる理由になるからかも(笑)。今回は特に山口祐一郎さんが出る舞台に出させていただくんだってことに、すごく感動していました」
稽古が始まる前の3月、古川さんは作品の時代背景について調べたり、歌の練習をしたりと、熱心に準備を進めていました。
「当時のことを図書館で本を借りたりして勉強しているんですが、いろいろ発見がありました。昔のようで昔でない。今につながっているんですよね。でもなんで子どものころもっと勉強しなかったんだろうって今さら思います。もっと頭の柔らかいうちに歴史を勉強して脳に入れておけばよかった。
歌は何度かレッスンを受けた後、毎日自主練をしています。ミュージカルの歌って独特で深いし難しいんですよ。製作発表の時に小池先生に、歌を“ロックっぽい”と言っていただいたんですが、ただ“ロックっぽいね”“面白いね”ってだけじゃダメなのはわかっているので、今のところ……苦戦しています。でも本番までに絶対仕上げます!
歌っていいですよね。でも歌が好きすぎて、ミュージカルを観ている時にうっかりメロディーに聴き入ってしまって、歌詞をちゃんと聞きそこねて“あれなんのシーンだっけ?”ってなったこともありました(笑)。ミュージカルの歌は台詞でもあるので、ちゃんと伝えられることが大事。演じる側としてもそうですけど、観る側としても僕はまだまだなんです。もっとたくさん観て、もっと楽しめるようになりたいです。
最近観たのは井上芳雄さんのミュージカル『ハムレット』です。すごく面白かった。井上さんのイメージが、僕の思っていたのと全然違う気性の荒いハムレットで、幅の広さにびっくりしました。(伊礼)彼方さんも素晴らしかったです。歌もキーが高かったのにすごくきれいでした」
ルドルフをどう演じるかはまだ思案中という古川さんに“それではこの先どんな俳優になりたいですか”と質問すると「舞台と映像、両方やっていきたいです」という答えが返ってきました。古川さんはこれまでも舞台に出演する傍ら、映画やドラマなどでも活躍しています。今年は出演映画『愛を歌うより俺に溺れろ』が公開予定。
「女の子と間違えられるようなかわいい男の子と、男の子みたいにカッコいい女の子のラブストーリーで、僕は女の子っぽい男の子の秋良ちゃんをかわいがる生徒会長の役をやります。
彼は美しいものが好きなんですが、ただ美しいだけじゃなくて、男なのにこんなにかわいいという、そういうちょっと常識を超えたところにある美しさみたいなものが好きなんだと思います。それに美しいものが好きな自分を美しがっている部分もあるかも。ナルシストな部分があるんでしょうね。
映像の仕事って舞台と違って状況が用意されているんですよね。たとえばコーヒーを飲む場面があったら、そこに実際にコーヒーがある。舞台だとないものを演技であるように見せることもあるじゃないですか。そういうところに気を回さないで、役を理解したり、ほかの登場人物との関係性を深めていったりすることに集中できるのはいいですよね。それに実際にセットがある分、観る方にリアルなものをお届けしやすいんじゃないかと思います。
逆に舞台は想像でできているんですよね。だから観ている方の想像をリアルに近づけさせるような演技をしたいです。想像の余地がある骨組みに肉付けをしていくことが、舞台の役者の仕事だと思っています。とはいえまだ全然そんなレベルに行っていないんですけど(笑)。それって相当難しいことだと思うんですよ。どこまでリアルになれるかってことは基本的なことのようで究極だと思うので……そこを目指して、頑張ります!」
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[プロフィール]
古川雄大
ふるかわ・ゆうた
1987年7月9日生まれ、長野県出身
ミュージカル『ファントム』音楽劇『醒めながら見る夢』などの舞台を経て、2012年ミュージカル『エリザベート』に皇太子ルドルフ役で出演決定。主演映画『僕らはあの空のしたで』『石の降る丘』や映画『BECK』など、映像の仕事も多い。映画『愛を歌うより俺に溺れろ』が2012年公開予定。
公式blog●http://www.tvlife.jp/blog/yuta/
公式サイト●http://furukawa-yuta.net/
[公演情報]
ミュージカル『エリザベート』
2012年5月9日〜6月27日 帝国劇場
2012年7月5日〜26日 博多座
2012年8月3日〜26日 中日劇場
2012年9月1日〜28日 梅田芸術劇場
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ 音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎
問い合わせ:東宝テレザーブ:03-3201-7777
http://www.tohostage.com/elisabeth/