インタビュー & 特集
INTERVIEW! 舞台『時代劇版 101回目のプロポーズ』 part1 浅野温子さん
1991年に放送され一世を風靡したドラマ『101回目のプロポーズ』が博多座で熊本を舞台にした時代劇として上演されます。武田鉄矢さんと浅野温子さんの名コンビも復活! 稽古真っ盛りのおふたりに、舞台への意気込みをうかがいました。(取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 3/12 UPDATE
司法試験にも女性にも振られつづけている誠実だがうだつの上がらない男・達郎と、恋人を亡くした悲しみから立ち直れずにいるチェリスト・薫の、不器用で真っ直ぐな恋を描いたドラマ『101回目のプロポーズ』。最終回の視聴率が36.7%を記録した人気作が、時代劇に姿を変え復活します。
浅野温子さんは、行き倒れていたところを武田鉄矢さん演じる下級武士に助けられる、わけありの女性を演じます。
「最初に博多座さんからお話を頂いたときは、『いくら舞台とはいえ、さすがに私じゃないでしょ』って思ったんですよ。だってそうでしょう? 私たちがやっていたのは20年も前なんですから。当時の武田さんと私の映像だって残っているわけで、それと見比べたらどうなのかと。でも『時代劇』と聞いて、それならありかもと思ったんです。ある種、時空を超えた世界。時代劇というフィルターがかかっていれば、お客様も安心して観てくださるんじゃないかと思って『ぜひやらせてください』とお願いしました」
達郎がトラックの前に飛び出して叫ぶ「僕は死にましぇん」という名台詞や、薫がエンゲージリングの替わりにボルトをはめる場面は、今でも語られる名シーン。トラックもボルトも登場できない時代劇では、いったいどのように描きだすのでしょうか。
「皆さんに聞かれるんですよ。『ボルトはどうなるの?』って。そこは観てのお楽しみ。武田さんや演出家、脚本家が、知恵を出し合って考えていらっしゃいます。この舞台は最初から『ご存じ、そこはどうなるの?』みたいな場面がはっきりわかっているわけだから、そこは皆様のご期待にしっかりお応えできていると思います。
時代劇だということについては、そんなに違いを感じてはいないんです。時代物だから、現代物だから、ということではなくて、そのドラマが自分の中にしっくりくるかっていうことが大きい。だってやっぱり『達郎』で『薫』なんですから、愛着のあるキャラクターですからね。そこはあまり変わらないです。立ち居振る舞いや所作はもちろん大事ですけど、それよりもどちらかというと台詞を言った時にちゃんと感情がお客様に届けられるか、というのを大切にしたいです」
初めての博多座で、一か月公演。楽しみにしていることは?
「東京以外で一か月も暮らすことが初めてなので、それだけでもワクワクしていますが、そこに劇場でのワクワクも加わるので、24時間ドキドキしていることになるのかしら? どうなるのかな。楽しみですね。せっかくなのでおいしいお店を自分の足で探そうと思っています。知り合いが『かわいそうだから福岡に行ってやるよ』って言ってくれるんですよ(笑)。それも私が寂しくないように『一度に行かないで順番に行くよ』って。そういう時は、有名なお店にちゃんとはずれのないように行くつもり。あとは自分で探して、福岡の人に『こんな素敵なお店がありましたよ』って逆に教えてあげようかな(笑)。
この『101回目のプロポーズ』は『101回』であって『101回』でないと思っています。武田さんも『旧作を作るわけじゃなくて、旧作を踏まえた新作を、そして前に進むものを作りたい』とおっしゃっているんです。だから、これを見てくださったお客さまが、一緒に前に行こうねって思ってくださったらうれしいです」
[プロフィール]
浅野温子
あさの・あつこ
1970年代からモデルとして活躍を開始し、ドラマ『文子とはつ』で本格的にデビュー。『あぶない刑事』シリーズや『101回目のプロポーズ』など数々のドラマ、映画に出演。舞台は1998年に『ロマンティック・コメディ』で初舞台。近年の主な舞台に『ジャンヌ・ダルク』『8人の女たち』などがある。また2003年より『よみ語り』と題して、各地で一人語りの舞台を行っている。
[公演情報]
『101回目のプロポーズ』
2012年3月2日〜3月28日 博多座
原作:フジテレビ『101回目のプロポーズ』(脚本:野島伸司)
脚本:鈴木哲也/マキノノゾミ
演出:齋藤雅文
出演:武田鉄矢、浅野温子/相島一之、篠田光亮、北川弘美、山崎銀之丞/江波杏子
第二部(海援隊トークライブ)出演:海援隊
お問い合わせ:博多座 092-263-5555<
http://www.hakataza.co.jp/propose/