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INTERVIEW!ニコニコミュージカル第8弾『カンタレラ 2012〜裏切りの毒薬〜』兼崎健太郎さん
舞台を上演中にリアルタイムでネット中継するという新しい観劇スタイルを作ったニコニコミュージカル。その第6弾として2011年8月に公演したニコニコミュージカル『カンタレラ』が、この3月、内容を新たに別作品として上演されます。主演のチェーザレ・ボルジアを演じる兼崎健太郎さんにお話をうかがいました。
(写真/笹井孝祐 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 1/27 UPDATE
ニコニコミュージカル『カンタレラ』はニコニコ動画に投稿された人気ボカロ曲「カンタレラ」「サンドリヨン」「パラジクロロベンゼン」の世界観を核に作られた舞台です。初演時はニコニコ動画の人気ユーザーたちも多数出演し話題を呼びました。
兼崎さんはイタリア・ルネサンス期の政治家、チェーザレ・ボルジア役を熱演。今回も同じ役に挑みます。
「肉親同士で殺しあい、愛し合う、家族がテーマの禁断の物語です。チェーザレは愛する妹を政治に利用したりもする。チェーザレ自身は家族のためにやっていると思っているけれど、自分が利用するから裏切られてしまうんですよね。とはいえ、今回は再演ではなく、内容が変わってくるので、僕のキャラの方向性も違うかもしれません。
出演者もかなり変わります。前回はニコニコ動画で活躍している歌い手さんたちがたくさん出演していました。彼らは芝居のプロではないんだけど、僕ら役者も彼らから学ばせていただいたこともたくさんありました。ニコニコミュージカル『カンタレラ』は、ニコニコ動画で人気が出た曲を核に多くのユーザーがイメージをふくらませ、そこから発展して作られた舞台。でも僕はあまりそういったことに詳しくなかったので、その世界観を聞いたりしました。
今回はプロの役者がそろうので、また違った雰囲気になると思います。演出も、前回抽象的だった部分が、もっと内容に寄ったものになるんじゃないかな。
ネットでの同時中継は……すごいですよ。自分の出番が終わって楽屋に戻ると、仲間の顔がモニターに大写しで映っているんです。自分もそうだったんだなと思うと緊張します。自分がしゃべっている時だけじゃなく、常に気がぬけない。
リアルタイムで感想も伝わってくるんですが、そのコメントを読んで、観ている側がこういうことを思っているんだなあと勉強になりました。僕からすれば些細なこと、たとえば「筋肉」とか「パーマ」とか。お客さんがそういうことに注目していることもあるんだなと知りました。
でもそれを読んで何かを変えるということはないです。稽古を通して、正しいと思う方向に舞台を作ってきているので、「僕らの見つけた答えはこれだ」と信じた道をまっすぐ進むだけですね。
ニコニコミュージカル『カンタレラ』は最初に3つの楽曲があって、それに合わせて芝居を作っていきます。ミュージカルでは”なんのためにこの歌を歌っているのか”ということがとても大切なんですが、この3曲は、完成された独特の世界観を持っているので、そこに気持ちをのせるために、芝居を調整することがとても難しいです。
でもそこが僕らの仕事。曲の意味を理解して、気持ち悪くない流れで歌えるように、芝居をつないでいきたい。前回もやっているうちにすごく楽しくなっていったので、またあの歌を歌えることが楽しみです」
ミュージカル『テニスの王子様』に2006年から2010年まで出演し、「Mr.テニミュ」と呼ばれた兼崎さん。ほかにも琉球ロマネスク『テンペスト』『大江戸鍋祭~あんまりはしゃぎ過ぎると討たれちゃうよ~』など数多くの舞台に出演し、役者として経験を重ねています。
「最近、年間10本くらいの舞台に立たせていただいています。僕はもともと声量が多くて、声の使い分けが苦手だったんですよ。でも最近は出なかったトーンが出るようになってきました。テンションが上がっているのに抑え気味に声を出すというようなことができるようになってきた。いろいろな現場で学んで、2012年はさらに生まれ変わりたいですね。
役者としては、いつか大河ドラマに出たいと思っています。時代劇が好きなんですよ。一度は織田信長を演じてみたい。一番好きだった大河は、『利家とまつ』なので、前田利家もやりたいです。和物の衣裳も好きで、さらに刀を持ったりすると、血がふつふつとわいてくるような気がします。僕、危ないですかね(笑)。
『カンタレラ』の衣裳ももちろん気に入っていますよ。前回はエグゼクティヴ・プロデューサーの片岡(義朗)さんの意見で”体がしっかりしているから見せたほうがいい”と言われてノースリーブだったんですけど(笑)、今回はできるだけ忠実に当時の衣裳を再現して、美しくしようと思っています。『カンタレラ』も僕自身も、もっともっと成長した姿をお届けしたいです!」
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[プロフィール]
兼崎健太郎
かねさき・けんたろう
1984年6月2日生まれ、山口県出身
ミュージカル『テニスの王子様』、琉球ロマネスク『テンペスト』、『大江戸鍋祭〜あんまりはしゃぎ過ぎると討たれちゃうよ〜』など数多くの舞台に出演。映画『新宿歌舞伎町保育園』やテレビ『戦国鍋TV』等の映像作品でも活躍している。現在ニコニコ生放送『ギリギリ モーニング!』にレギュラー出演中。
[公演情報]
ニコニコミュージカル第8弾『カンタレラ2012〜裏切りの毒薬〜』
3月7日(水)〜3月13日(火) 銀座 博品館劇場
演出・振付:上島雪夫
企画・脚本:大石薫夏 音楽:坂部 剛
原案:カンタレラ (作詞/作曲・黒うさP)
原案協力:サンドリヨン (作詞:orange・作曲:Dios/シグナルP)パラジクロロベンゼン (作詞/作曲・オワタP)
出演:兼崎健太郎/郷本直也 齋藤ヤスカ 小野田龍之介/
野田和佳子 彩夏 涼/兼松若人 吉岡麻由子/
上島雪夫 別紙慶一/やすし 橋本由希子/渡辺大輔
リアルチケット問い合わせ:
サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜19:00)
(ネットチケットについては公式サイトにて詳細発表予定)
http://info.nicovideo.jp/nicomu/cantarella/