インタビュー & 特集

「初共演なのに、初めて会った気がしなかった」木村達成×小西遼生 対談

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲を気鋭の演出家が新たに作り上げる企画「KERA CROSS」第四弾として、『SLAPSTICKS』が上演中。サイレント映画からトーキーに移り変わる転換期のハリウッドを舞台に、映画作りに情熱を注ぐ人々の姿を描いたコメディだ。稽古真っ盛りの12月、主人公・ビリー役の木村達成と、19年後の中年ビリーを演じる小西遼生に話を聞いた。(撮影:泉山美代子 文:臼井祥子)

INTERVIEW & SPECIAL 2022 1/7 UPDATE

●出演が決まった時のお気持ちは?

木村 僕でいいのかなと。「KERA CROSS」という、ケラさん(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)の戯曲を新進気鋭の演出家が作り直す企画に、僕なんかが出ていいのかなと、ちょっと思ったりしました。

●そんな謙虚な気持ちで受けられたのですね。

木村 めちゃくちゃ謙虚です(笑)。でもせっかくお話を頂いたし、自分の実力以上の作品だけれども、やってみるのは面白そうだなと思って、ぜひと。

小西 僕は、最近名前を聞く木村達成くんと一緒にやれるんだと思いました。

木村 やめてくださいよ(笑)。

小西 いや、本当に! あの木村達成くんに会えるんだ!って。

●お二人は初共演ですか?

木村・小西 はい。

●すでにどこかで共演していらっしゃるイメージでした。

小西 初めてなんですよ。

木村 でも僕も小西さんに初めて会った時、初めて会った気がしなかったです。

小西 お互い、何回か共演してる時の挨拶だったよね。

木村 でしたね。もちろん小西さんのお名前はよく知っていたし、『フランケンシュタイン』も観てたから、知っている人のような気持ちになってたんですかね。それでいうと、はんにゃの金田(哲)さんも、自分がちっちゃい頃ずっと(テレビで)見てた人だから、初めましての気が全然しなかったです。

小西 直前に出ていた作品で村井良大くんに「どんな人?」と聞いたりしてて。実際に会ってみたらすごくナチュラルで、裏表のない自然体な男でした。今回、ストレートプレイなので、最近ミュージカルによく出ている僕らがお芝居の現場で出会ったことでの同志感があったのかもしれません。あともちろん同じ役っていうのもあるかな。

●小西さんは、木村さんが演じるビリーの19年後の姿を演じられるんですよね。

小西 そうなんです。あと、ビリーの父親役もちょっとやるんですよ。今まであまりお父さん役をやってなくて、人生で初めて(中年ビリー役として)「中年、中年」と言われて、「あ、まあまあそういう年齢になったんだな」っていう実感もあり、この作品から自覚させられるものがいろいろありました(笑)。

●ちなみに村井さんは木村さんのことをどうおっしゃっていましたか?

小西 しっかり聞いたわけではないんですけど、なんとなく木村達成の「青年感」が村井良大と被ってるイメージがあったんですよ。だから良大に「良大みたいな感じ?」って聞いたら「全然違う」って。で、達成に会った時に同じようなことを聞いたら、達成も「全然違う」って言ってたから、「じゃあどういうやつなんだろう」って俄然興味が湧きました。

木村 全然違いますよ。良大くんとは。

小西 ざっくり言うと、良大はすごく古風な人間で、若者感というよりは初対面から堂々とした、昔の日本人みたいな。達成はそういう意味ではもっと等身大の若者感もありつつ、でもすごく生真面目な部分もあって。あと稽古を一緒にやっていく中で、「芝居に対するこだわりが「役者だな」と思いました。

木村 うれしい。

●木村さんからみた小西さんは?

木村 趣味とかカッコよすぎる。家にテレビがないって聞いて、カッコよすぎるだろ?って思いました。

小西 ダサいだろ? 家にテレビもない(笑)。

木村 いやいや。「映画は好きだから、そういう時は壁に映しながら見たりするんだけど」って聞いて、カッコいいな、決まってんな、クールだなって。僕もそうなりたいと思ったんですけど、自分は今、寝室にもテレビを置いちゃっているような人間なので、テレビがなくなったらどうなるんだろうって。テレビっ子なんですよ。バラエティも好きだし。その生き方憧れるけど、僕にはできないなあって。

●役者さんとしては、どんなイメージがありましたか?

木村 勝手に知り合いのイメージがあったから、特に誰かに聞いたりもしなかったんですよね。それで実際に会ってみたら、めちゃめちゃカッコよくてリスペクトマックスですし、やっぱり初めて会った気がしないです。どこかで飲んだことありましたっけ?

小西 はっはっは。

木村 でもうれしいです。そういうリスペクトできる方が、僕の演じるビリーの中年になった姿を演じてくださるのはうれしい。すごく寛大な方だから、僕がどんなに暴れても許してくれるだろうし、暴れがいがあります。

小西 役柄で言うと、青年期が先行するじゃないですか。だからなんかね、達成の無邪気さ、やんちゃな部分、若さをビリーに投影して演じている姿を見ると、ビリーにそういう時があったんだなと思うんですよ。感情の振れ幅も結構あるから、時間が経つことでそれがどう変わったのかを考えながら中年ビリーを演じることができる。僕の中ではいいモデルになってくれる。

●今の木村さんを見て、10年前のご自分を思い出すようなことも?

小西 それは全然ないです。自分のことはよくわからないというのもあるし、(木村の)真面目な部分にはシンパシーを感じるんだけど、自分にはない突き抜けた部分ややんちゃさを感じる時に、「うわ、いいなあ」って思うんですよ。でも自分がその年齢の時に、そういう部分を持っていたかというと、全然なかったし欲しかったところでもあるんですよ。

木村 それは僕は無自覚だから、どこがですか?って感じです。そのやんちゃさを意識的に出せて、相手には無意識だと思わせられたら最強だと思うんですけど。「愛すべきバカ」ってそこじゃないですか。それを意識的に出せたらお芝居でも使えるんじゃないかと思うんですよ。

小西 出てるよ。その愛すべき部分が。

木村 でも意図してないから自分ではわかんないんですよ。

小西 それは役柄を通して滲み出てくるものだから。ビリーもそう。なんだかんだ振り回される役で、それが愛しくて、ロマンス部分はすごくピュア。

木村 ビリーはそうですよね。問題を起こしてるのに許してもらえる。みんなから愛される存在で、敵を作るような人間ではないんだなと思います。そういうキャラクターが自分にできるかどうかは不安ですけど。

小西 ぴったりです。

木村 気張って頑張っていきます。

●中年ビリーは19年を経て、どう変わっているんですか?

小西 変わった部分を出すというより、あんな時代があったなとか、映画に対する愛情だったり、何かを愛おしく思う気持ちだったり、そういう色褪せずに持っているものに思いを馳せる。それから、当時の自分は嫌だったかもしれないけど、今考えたらそれが若いってことの良さなんだなと思ったりしますね。

●せっかくなので、お二人の好きな「映画」についてもうかがいたいです。

木村 僕はファンタジーが好きです。子どもが見ても面白いと思えるような作品がいい。バットエンドが苦手で、ハッピーエンドでちゃんとわかりやすく終わってくれたりするものが好きです。見ててちゃんとわかりやすいストーリーのほうがいいですね。映画館には最近行けてないですけど、動画配信サービスで寝る前に観たりもします。一日に4本映画を一気見したこともありますよ。つまんなかったら途中でやめちゃうような人間なんで、4本ともちゃんと面白かったです。

小西 僕はその時々で、いろんな映画を観てます。まだ動画配信サービスがなかった頃は、レンタルショップのミニシアターコーナーの作品がすごい好きで、片っ端から観てた頃もあったし。最近はマーベル作品にハマっています。

木村 僕、マーベル一個も観たことないです。

小西 面白いよ!!

木村 面白いんだ? でももう遅いだろうと思って。

小西 いつハマっても大丈夫だよ。

木村 いろんな方から勧めてもらったんだけど、今見始めても、完全にみんなから出遅れてるからついていけないだろうなって。だって今、全員集結して戦ったりしてるんですよね?

小西 もうね、そのフェーズは終わった。

木村 そうなんですか?

小西 今は、世代を交代させようとしてるんだよ。そういうムードを端々に感じる。それを見てて、寂しくてしょうがないよ。「まだ行けるって!」って。

木村 (笑)。映画って、自分の体調次第で観れる観れないがあるじゃないですか。

小西 大丈夫。マーベルはどんな体調でも行ける。

木村 映画観ようと思って、探すんですけど、結局コンディションに合わなくて探し続けて1時間経って観ないことがざらにあって。

小西 好きな役者は?

木村 最近でいうとティモシー・シャラメ。彼に薬物中毒の役とかやらせたらめちゃくちゃいい。

小西 ちょっと前のヒース・レジャーみたいだね。ヒース・レジャーが、『ダークナイト』のジョーカー役とか『ブロークバックマウンテン』をやった時の芝居とか大好きなんじゃない? 俺はロビン・ウィリアムズが大好きなんだよ。『レナードの朝』とかめっちゃいいよ。

●公演中に、映画の話でも盛り上がれそうですね。まずは小西さん先導でマーベルを見るとか?

小西 オススメしたいけど、量が多いからなあ。まずは『アイアンマン』を観るといいいよ。

木村 それはDVD持ってます。見てないけど。

小西 観て(笑)!

『SLAPSTICKS』は、東京・シアター1010(公演終了)、大阪、福岡、愛知公演の後、2月3日(木)より東京・日比谷シアタークリエにて上演されます。詳細は下記をご覧ください。
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また、このページ下部に舞台写真も掲載中。盛りだくさんでお届けします!

[公演情報]

『SLAPSTICKS』

東京(千住)/2021年12月25日(金)・12月26日(土) シアター1010(公演終了)
大阪/2022年1月8日(土)~1月10日 サンケイホールブリーゼ
福岡/2022年1月14日(金)~1月16日(日) 博多座
愛知/2022年1月28日(金) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
東京(日比谷)/2022年2月3日(木)~2月17日(木) 日比谷シアタークリエ

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:三浦直之
出演:木村達成 桜井玲香 小西遼生
壮一帆 金田哲 元木聖也 黒沢ともよ マギー 他

公式HP https://www.tohostage.com/slapsticks/


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