インタビュー & 特集

SPECIAL!『モンティ・パイソンのスパマロット』ユースケ・サンタマリア×マギー対談

本日初日を迎える『モンティ・パイソンのスパマロット』。アーサー王と円卓の騎士をモチーフにした爆笑ギャグ満載のミュージカルで、今回が日本初上陸! アーサー王を演じるユースケ・サンタマリア、その従者パッツィを演じるマギーさんに、開幕前にお話を伺いました!(取材・文/湊屋一子、撮影/森口信之)

INTERVIEW & SPECIAL 2012 1/9 UPDATE

1969年、イギリス国営放送で放映がスタートした『空飛ぶモンティ・パイソン』。ほとんど無名だった若者たちが手がけるこの番組は、今までにない画期的なスタイルのコント番組として、大人気を博しました。その『モンティ・パイソン』から飛び出した映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』も世界各国で大ヒット。この映画を元にしたミュージカルが、『モンティ・パイソンのスパマロット』です。爆笑ギャグ満載のミュージカルが、日本初上陸! アーサー王をユースケ・サンタマリアさん、その従者パッツィを、マギーさんが演じます。

まずはおふたりからのメッセージをどうぞ!

それでは、ユースケ・サンタマリアさんとマギーさんの、爆笑対談をお楽しみくださいませ!!

ユースケ・サンタマリア(以下ユースケ):なんか、この作品って、好きな人はホンット好きなんだよね。やるってことがわかったとたん、ツイッターとか、大騒ぎになって「誰が演出するんだ?!」「誰が出るんだ?!」「俺が出たかった!」とか、すごかったですよ。

マギー:僕も、好きですねえ。僕、前から福田さんに「もしかしたら、スパマロットをやれるかもしれない。その時は、パッツィで出てよ」って言われてて、すごく楽しみにしてました。どんな仕事もうれしいけど、特にこれはもう、うれしくて、テンションあがって「来年のこの頃は、『スパマロット』をやってるんだ」と思っただけで、かなり楽しめましたよ。

ユースケ:大好きだもんね、この作品。

マギー:『モンティ・パイソン』もそうですけど、僕らよりもう少し上の世代の人だと、直撃なんですよ。ケラさん(脚本家、演出家、ミュージシャンのケラリーノ・サンドロヴィッチ)とか、本物のマニアの方たちがたくさんいるんで、僕なんかが好きって言うのもおこがましいんですけど、やっぱり僕も福田さん(本作品の演出を担当)も、相当影響受けてます。

ユースケ:僕なんか、むしろ全然知らかったよ。もちろん『モンティ・パイソン』て名前は知ってたけど。他の人たちは昔、深夜かなんかにテレビでやってたのを見てたって言うけど、僕、当時大分にいたんで、大分はやってなかったから。

マギー:全然接点なかった?

ユースケ:そう。まあ日本でいうところのドリフターズみたいなので、ちょっと先ゆく人たちが、影響受けてる、くらいしか知らなくて。

マギー:他の出演者のみんなも、実はユースケさん寄りだったよね。

ユースケ:だから「『スパマロット』やるから」って言われて、「『スパマロット』って何だよ?」って。映画を見たんだけど、日本語吹き替え版じゃなかったからなのかなぁ、日本人にわからないギャグとかいっぱいあって、「……これ、どうやって面白くすんの?」って、正直思いましたねえ。でも、マギーと福田さんがものすごく喜んじゃってて、その様を見て、じゃあやってみようかな…と。

マギー:人が喜んでたからなんだ?!(笑)

ユースケ:そう。まわりの人でも過剰なくらい「あれやんの?!」みたいな反応の人もいっぱいいる。そういう作品を、俺みたいなあまり知らないヤツがやるのが、逆に粋なんじゃないかなって。

マギー:それはすごく言えてると思いますよ。すごくバランスの良いカンパニーだなと。

ユースケ:このミュージカルやるって制作発表の時、『モンティ・パイソン』のメンバーだったエリック・アイドルさんが来たじゃない。

マギー:そうそう! 嬉しかった!

ユースケ:もう福田さんとマギーはえらいことになってた。福田さんなんか、紋付き着ちゃって(笑)。エリックさん来るって聞いたら、ガッチガチ。

マギー:他のみなさんは「エリック・アイドルさんって、誰なんだ?」みたいな(笑)。

ユースケ:「なんか、かっこいいイギリスのおじいちゃんが来てるけど、誰?」「何ーっ、恐れ多くもモンティ・パイソンのメンバーだろ!!」くらいの温度差。

マギー:それがいいんですよ。全員がマニアでクローズ過ぎても、逆に誰も知らないとかも、おかしなことになるし。

ユースケ:でもさあ、エリックに紹介してもらうにしても、あのタイミングはないよなあ。僕ら、衣装着て会見に出るんで、全員白い肌着姿でいたら、そこにエリックさんが。

マギー:向こうも「なんだ、これ??」と思ったんじゃないですか?

ユースケ:俺に「やあ、キミがパッツィだね」って……俺、王様なんですけどみたいな。

マギー:いや、あの格好してたら、みんなパッツィに見えるんじゃない?

ユースケ:見た目、パッツィでアーサー王やるって、大丈夫かな?

マギー:そんなことないから大丈夫。

ユースケ:でも衣装、相当つらいよ。冠とか、鉄で出来てるんですよ。重過ぎ!! そんなの作り物でいいじゃんて思うのに。

マギー:衣装や小物、あれはこのミュージカルを演じる役者が、ずっと使ってるものなんですよ。この作品は、2005年にイギリスで始まってから、ブロードウェイもそうだし、ドイツ、フランス、とにかく世界20都市以上で上演されてて、みんなあの衣装使ってるんです。

ユースケ:韓国でこないだ使って、そのままこっちに来てるんだよね。あれ、洗ってんの? 革とか、クリーニングしてないのかもな……。

マギー:いいじゃない、先人たちの汗がしみこんでて。

ユースケ:まあ、世界中でスパマロットを演じてきた役者さんがみんな使って、僕らも使って、代々受け継がれていくもんだから、すごいなとは思うけど。僕、潔癖ってわけじゃないけど、みんなアラフォー? まあ40過ぎが多いカンパニーで、臭いとか大丈夫か?って思うよ。

マギー:そういわれると……ちょっと気になるかも(笑)。

ユースケ:こういう、どう見ても日本人の僕らが「アーサー王」とか呼ばれるわけじゃない? 普通だったら違和感あるけど、扮装することで、その世界に飛び込んでいけるというのはありますよ。

マギー:それはありますね。日本人が驚く時、普通「ワ~オ!」とかしないじゃん!てことが、こういう扮装していると「なんだ、意外とできるな!」ってのはあって。そうすると、今まで出来なかった芝居のアプローチが出来るんじゃないかと、ちょっとワクワクしてるんです。

ユースケ:ただねえ、ちょっとあのひげはどうなのかと。僕、王冠かぶってひげつけてたら、誰だかわからない。ただでさえ、僕、気づかれないんで。マギーはパッツィに合ってる。あの扮装すると、さらにマギー色が強まるというか、キャラがね。

マギー:え、そうですか?

ユースケ:僕なんか、パブリックイメージ全部打ち消されて、誰かわからないから。あと、(ランスロット卿の池田)成志さんとかもね。

マギー:制作発表の時、すでに成志さん、大変でしたよね。舌打ちの回数が増えてた(笑)。

ユースケ:だから、衣装が重いんですよ、全体的に。成志さん、鎖帷子だし、大丈夫かなと思って、パッと見たら、時々白目になってて「大丈夫か。こりゃ?」と。あのとき、体があの鎖帷子でしびれてたみたいですよ。

マギー:うわ~。

ユースケ:何とかしないとなと思ったんだけど、そのへん、詳しい人にきいておきたいな。どうなの、マギ-、ひげとか絶対つけなきゃいけないの?

マギー:どうだろう……でもこういうのって、ひとつのアイコンみたいなものだから、記号としてそれをつけていてくれると、ファンは嬉しいんじゃないかな。

ユースケ:あ~、じゃあやっぱ、つけなきゃ行けないんだ。

マギー:もし、ひげをつけないなら、つけない理由のギャグをつくるとかね。

ユースケ:あ、なるほど。福田さんに考えてもらえばいいのか。

マギー:でもこういう海外物って、そこにハマっていく面白さがある。オリジナリティーを作っていくのと同時にね。

ユースケ:うん、それはある。やっぱ、つけるしかないのか。

マギー:はまってください。やってください。

ユースケ:やりますよ、こうなったら。歌もけっこうややこしい、難しい歌なんだよね。僕らは「楽しんじゃえ!」という感じで集まってきたんだけど、ボイストレーニングしてくださる方が、その方はミュージカルの方なんだけど、その方に言わせると、数あるミュージカルの中でも、かなり難しいほうに入る歌だと。

マギー:え~? そうなんですか? それ、そう言っておいて、ユースケさんを脅して、ケツ叩いてんじゃないの? 「この人、甘やかすとナメたままやりそうだな」って。

ユースケ:……ばれちゃったのかな? ならいいんだけど。

 マギー:ん~、僕は難易度がどのくらいかはわからないけど、日本で今まで上演されてきたミュージカルコメディーって、「ミュージカルスターがコメディーをやる」だったじゃないですか。でもこの『スパマロット』は、コメディーが得意な奴らが集まって、ミュージカルをやるという、ちょっと逆なんで、それで歌がバシッと決まったら……。

ユースケ:おお、かっこいいね!

マギー:「なに、やるじゃん!」て。笑いは当然ていうか、どんどん笑いはとっていこうぜという気持ちで、さらに歌や踊りで「お!」と言わせたいぞと。

 

ユースケ:わかった。ダメかもとか難しいとか言わないで、やれ、と。そういうことだ。俺は、けっこうネガティブ発言が多くて、その気分がドーンと出ちゃう。そう言う時、そばにマギーがいてくれると、そういう俺をわかってくれて、すごくうまくフォローしたり、気分あがるように盛り上げてくれて、ホント助かりますよ。

マギー:一緒にいて、ユースケさん、面白いし楽しいから。

ユースケ:またまたまた(笑)。プライベートでもこんな感じで、僕が愚痴をいろいろ言ってると、「そうですねえ、そうですねえ」って、マギーが聞いてくれて、「そこはこうしたらいいんじゃないですか?」とか、アドバイスしてくれたり。すっごくありがたい存在ですよ。

マギー:いや~、なんか嬉しいです。

ユースケ:だからね、アーサー王とパッツィも、そんな感じでいけるんじゃないかと。いつもの感じで。僕、毎日の気分がそのまま舞台に出ると思うんで、その日ごとに違う僕の反応を、マギーに助けてもらおうと思って。

マギー:え~!

ユースケ:けっこう大変よ、知ってると思うけど。

マギー:いや、大丈夫です。だって絶対、『スパマロット』は面白いから。

ユースケ:まず体鍛えないとな。衣装に耐えられるように。

マギー:おう、頑張りましょう!

 

 

 

★プロフィール

ユースケ・サンタマリア

ラテンロックバンド「BINGOBONGO」のヴォーカル&司会として1994年デビュー。97年『踊る大捜査線』出演をきっかけに、俳優、タレントとしてブレイクしマルチに活躍。舞台ではこれまで、2003年『ドント・トラスト・オーバー30』、05年『姫が愛したダニ小僧』、07年『恐れを知らぬ川上音二郎一座』で主演を努めている。映画『交渉人 真下正義』では、第29回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。

 マギー

1993年お笑い集団「ジョビジョバ」を結成。2002年12月のジョビジョバ活動休止までリーダーとして活躍。その後も、舞台・映画・テレビなどのさまざまな分野で、俳優・脚本家・演出家とマルチに活動している。2007年には本公演の演出家、福田雄一とのコントユニット、U-1グランプリを旗揚げ、ほぼ年一ペースで公演を行っている。その他、雑誌『DIME』にてコラム「マギーのMr.BOΦing(ミスターブーイング)」連載中。映画「ALWAYS三丁目の夕日’64」が1月21日に公開予定。

 

 

★公演情報

『モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM(R)』

2012年1月9日(月)~1月22日(日)東京・赤坂ACTシアター

2012年2月2日(木)~5(日)大阪・森ノ宮ピロティホール

お問合せ

東京公演:サンライズプロモーション東京 0570 -00-3337

大阪公演:キョードーインフォメーション 06-7732-8888 (全日10:00~19:00)

公式ホームページ http://www.spamalot.jp/

 

 


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