インタビュー & 特集

「ライブを想像させる一枚に」加藤和樹さんインタビュー

加藤和樹さんが配信シングル「Tell Me Why」、第二弾配信シングル「Hello」、第三弾配信シングルである浜田省吾の「片想い」カバーという配信3曲と新曲3曲を収録したミニアルバム『Addicted BOX』。
6月10日の発売に先駆けて加藤さんの魅力が詰まったアルバムと7月から開催予定の「Kazuki Kato Live GIG 2020 ~Addiction~」「Kazuki Kato Road Tour 2020 ~Thank you for coming! 2~」についてお話を伺いました。
また、新型コロナウイルス感染症対策のため残念ながら中止となった『ウエスト・サイド・ストーリー』など舞台への思いやステイホーム期間の過ごし方、SNSでの交流などについてもお聞きしました。
撮影/増田 慶 文/大原 薫 江夏智也(raftel)

INTERVIEW & SPECIAL 2020 6/5 UPDATE

上演できる可能性を信じて、個人でスタジオを借りて踊っていた

――新型コロナウイルス感染症対策による緊急事態宣言が出て、ステイホーム期間中はどのように過ごされていましたか。

残念ながら『ウエスト・サイド・ストーリー』Season3が全公演中止になってしまって、積み上げてきたものを皆様に観ていただけないという悔しさが正直ありました。それでも僕らは表現者である限りは何かを届けていかなければならない。この状況下でやれることを模索したり、YouTubeチャンネルの開設などに挑戦したり、日々何ができるだろうかと考えながら過ごしていましたね。

――『ウエスト・サイド・ストーリー』に関しては一部中止の発表後、上演の可能性を残している期間が長かったですよね。結局は全公演中止になってしまいましたが、その間はどう過ごしていましたか。

僕は上演できる可能性は絶対あると思っていたので、週に数回は個人でスタジオを借りて、稽古の動画を見ながら踊っていましたね。

――そうだったんですか! 前向きに希望を持って過ごしていらしたんですね。

正直に言えば、キャストはみんな心のどこかで(全公演中止を)覚悟していた部分はあると思うんです。それでも、通し稽古までやっていたし、5月6日に緊急事態宣言が解除されたら数公演なら上演できるかもしれないという希望は、みんな持っていました。ただ、毎日ニュースを見ている中で「厳しそうだな」という心のもやもやもあって……。それでも、最終通告があるまでは自分ができることはやっておこうと思って。スタジオに入るのをやめようとは思わなかったですね。

――加藤さんはリフ役を演じるにあたって、稽古が始まる前からダンスの練習を始めてらしたんですよね。

これだけ踊る俺を見られるのはもう二度とないだろうっていうくらいだったのに(笑)。自分でも人生最大のチャレンジを掲げて挑戦していたので。「このぐらいやっていればいいだろう」というくらいの気持ちだったら、こんなに悔しい思いもしてないですよ。自分でも自信が持てるように練習してきたからこそ、これだけ悔しいのかなと思いますね。ステージアラウンド東京という特別なステージに立つチャンスもそうそうないじゃないですか。でも、早い段階から劇場空間に入って稽古できたのは、いい経験になったなと思います。

――加藤さんがリフ役に向けて努力した経験が、今後の舞台に花開くことを期待しています。10月帝国劇場で上演されるミュージカル『ローマの休日』にジョー・ブラッドレー役で出演が決定していますね。ミュージカルの舞台で加藤さんを拝見するのを楽しみにしています。

素敵なキャストの方々と帝劇に立てるのが嬉しいです。久々に死なない役というのも楽しみだし(笑)。僕にとってはステイホーム期間後、最初の舞台になるので、自分ができることを一つ一つ丁寧にやって、いい作品になればと思っています。

SNSで繋がることで、自分自身が救われている

――上演中止など大変な思いをされたステイホーム期間ですが、加藤さんがtwitterに書いているメッセージはとてもポジティブだなと思うんです。

くだらないことも書いてますけどね。朝の画像とか(笑)。でも、あれで笑ってくれる人がいたらいいと思う。もちろんみんながみんな、無理して元気なふりをする必要はないし。でも、そこから這い上がるきっかけを僕らが発信していけたらいいなと思う。このタイミングでYouTubeチャンネルを開設したのも、そんな思いからなんです。

――今はネットを通してみなさんに発信することができますからね。

そうですね。ただ、ナマで直接お客様に観てもらうのがエンターテインメントの良さでもあるし、ネットを通して表現することに警鐘を鳴らす人もいます。今はそうも言っていられない状況だし、新しいエンターテインメントの形が生まれる瞬間だとも思うから、それはそれとして受け入れたい。落ち着いたら、しっかり稽古して本物の舞台を届けるところにシフトチェンジしていければいいなと思いますね。

――加藤さんはSNSで情報発信するのがお上手ですよね。

どうでしょうね。ただ、「おはよう」って挨拶して返事が来るだけで一日が始まっていったり。今はみんなと繋がることができるのがそこしかないので、自分自身が救われているのかもしれない。

――夜中に地震が起きて飛び起きたときに、加藤さんのツイートを見て安心したりするんです。

あははは。「地震だ」となったとき、「どこなんだろう」と調べてツイートすると、地震速報より早いみたいな(笑)。でも、情報を知ると安心することもあるじゃないですか。(地震速報の)エリアメールがなるとドキッとするから、怖さがちょっとでも緩和できたらいいなと思って。せっかくみんなと繋がっているんだから、発信していけたらいいなと思うんです。

――トイレットペーパーの買い占めが報道されたとき、加藤さんが「落ち着け日本人」とツイートされていて、頭の中では『フランケンシュタイン』の怪物の声で再生されました(笑)。

あれはちょっと言葉が強くなってしまったので、改めてコメントさせていただいたんですけど、過剰に反応しすぎるとほかの人を巻き込んでしまいますからね。でも、心の底から「落ち着け!」と思いましたけど(笑)。みんなが普段どおりに生活していれば、トイレットペーパーもなくならないですからね。

――そのとおりです! ステイホーム期間にはどんな風に過ごそうと心がけましたか。

こんなに時間があることは普段ないので、部屋の掃除だったり(笑)日常的なことから、ツアーが控えているのでギターの練習もしているし。せっかくできた時間なんだから、有効活用しなきゃと思いますね。ピンチはチャンスだと思って。

――加藤さんは6月からのツアー(Kazuki Kato Road Tour 2020 ~Thank you for coming! 2 とKazuki Kato Live GIG 2020 ~Addiction~)が一部延期になりましたが、開催されることになりました。中止でなく延期だということがファンのみなさんを元気づけたと思います。

いろんな方のライブが中止になっている中で、延期ができるだけでもすごく感謝しています。もちろん、みなさんの安全と健康を守りながら、ライブを期待してくださっている思いになんとしても応えたいと思うんです。日程変更で土日の予定が平日になってしまったり、ご面倒とご迷惑をおかけして申し訳ないんですが、無理のない範囲で「行きたい」と思う方に来ていただきたいと思います。今回来られなくなった方には、また別の機会を用意したいです。僕が音楽をやめるわけではないし、これをバネにしてもっと頑張らなきゃと思うので。YouTubeの配信動画で歌をもっと定期的に届けるようにするとか、みんなの期待をなくさないためにも今何ができるかということを考えていきたいですね。

ライブは「好き」が渋滞した空間。そこでしか生まれない絆がある

――6月10日にはミニアルバム『Addicted Box』が発売になります。音源を聞かせていただきましたが、バラエティに富んだ楽曲の中に「加藤和樹サウンド」があるなというのを感じさせる、聞き応えのあるアルバムですね。

僕が歌詞を書かせていただいた曲のが『Shining Star』と『Hello』の2曲。その他の楽曲も非常にアレンジが面白くて。たとえば『君ニ唄エバ』は若い作家(作詞・作曲・編曲:きなみうみ)の作品で、今までありそうでなかったテイストの楽曲。と思いきや、疾走感があって切なめなロックのテイストの『Tell Me Why』だったり。とにかく思ったのは、「早くライブで歌いたい」ということ。ライブを想像させる一枚になったと思うし、自分自身ライブに対する期待値が最高に高まっていますね。

――『Tell Me Why』のPVもパワーのある楽曲に印象的な映像が重なって、大きなストーリーを感じさせるものになっています。

切ない感じの世界観の中に「主人公の女性が過去の自分に別れを告げて、前を向いて歩いていく」というポジティブなメッセージが込められた映像になったなと思います。歩きのシーンが多いですが、その一歩一歩にちゃんと意味が乗るように表現されています。「あのときはこうだったけど」と後ろばかりを見るんじゃなくて、今度振り返ったときは前を向いて歩きはじめようとか。男女の恋愛の曲ではありますが、恋愛に悩んでいる人が力強く一歩を踏み出せる曲でもあるのかなと思う。ほかの人の意見に左右されるのではなく、すべては自分次第というメッセージも込められていると僕は思いますね。

――レコーディングで歌われるのとライブで歌われるのとは、感覚は違いますか?

全然違いますよ! 僕はレコーディングのときはお客様を想像して歌うんです。そうしないと、広がりがない歌になってしまうので。実際、ライブで届ける相手が目の前にいるときだとアドレナリンも出てきますから。

――先ほど、「ライブを感じさせる一枚になった」という話がありましたが、今は新型コロナウイルス感染対策で生で見ることがお休みになっている時期。ライブで歌うことなどの意味を改めて感じますか?

そうですね。ライブをすることだけじゃなく、人と会っておしゃべりすることも大事なことなんだなって。リモートで飲み会もやっていますが、みんな口を開けば「早く会いたい」という話ばっかりなんですよね。人と会うということで、どれだけ力がもらえるんだろうと思います。人間関係もそう。会いたくないと思う人もいるかもしれないけど、それだけエネルギーを使うということだし、人と会えばエネルギーがもらえるんだと再認識しましたね。自粛が明けて、いろいろなことがクリアになって、みんなで会ったときのエネルギー量はすごいものいになると思うんです。だから今はそれを楽しみにして、我慢しています。

――加藤さんのライブをまた拝見するのが楽しみです! 今回のツアーでは24か所25公演、全国各地でのライブが予定されています。大都市だけでなく、日本中のいろいろなところで直接加藤さんの声を届けようとする姿勢が素敵だなと思います。

アーティストが自分の地元に来てもらえるってすごく嬉しいことなんですよね。僕は名古屋出身ですが、名古屋に自分の好きなアーティストが来たとき、めちゃくちゃ嬉しかったという気持ちが今も心のどこかに残っています。だから、自分が届ける側になった今、自分を応援してくださっている方々の地元に行きたい。待ってくださっている方がいる限りは行くべきだと思うんです。「全都道府県でライブをやりたい」というのはライブをやりはじめたときから思っていることで、今も進行形で続いている夢。なんとしても実現させたいですね。

――加藤さんのライブに伺うと、加藤さんとファンの方の関係性がとてもアットホームで、親密感があっていいなあと感じるんです。

あはは、ありがとうございます。いろんなアーティストとファンの人たちの形があると思いますが、こういうスタイルが僕らしさというか。みんな、仲間なんですよ。僕も、ファンの人たちも、みんなが自分になれる場所。「この空間が一番好きだ」と言ってくれる人がいるんです。仕事や家のことに追われて、自分らしさを見失うときもあると思う。でも、ライブの空間は、みんなが好きで来ているし、僕も好きだから歌う。「好き」が渋滞した空間だと思うんですよ(笑)。みんなが一つになれる空間だし、そこでしか繋がれない、生まれない絆はあると思う。今まで10年以上やってきて僕が得たものだし、これからももっともっとつなげていきたい。それが自分の使命だと思っています。

――そこでしか生まれない絆……確かにそうですね。

僕が音楽で何を伝えたいかって、僕の音楽と出会って何かが変わるきっかけになればいいなと思って。加藤和樹をきっかけに、それぞれ「友達ができました」とか「これに頑張れました」とか「地方でこんなおいしいお店に行きました」とか(笑)。大げさに「こういうことを感じてもらいたい」というんじゃないんです。みんな、それぞれ自由ですからね。音楽でもミュージカルでも芝居でも、「きっかけは加藤和樹」で何かが変わったら、俺は生きている意味があるなあと思います。

抽選で2名様にサイン入りインスタント写真をプレゼントします。プレゼントページよりご応募ください。

[プロフィール]

加藤和樹
かとう・かずき 1984年10月7日生まれ、愛知県出身。
2005年ミュージカル『テニスの王子様』で注目を集め、以降、俳優、アーティストとして活躍。2016年の『1789 -バスティーユの恋人たち-』で帝劇初主演。最近の主な舞台に『マタ・ハリ』、『BACKBEAT』、『怪人と探偵』、『ファントム』、『フランケンシュタイン』などがある。
Twitter(@kazuki_kato1007)
公式サイト(https://www.katokazuki.com


[リリース情報]

ミニアルバム『Addicted BOX』
2020年6月10日(水)発売
TYPE A TECI-1691 CD+DVD  ¥2,727+税  (税込¥3,000)
TYPE B TECI-1692 CD+DVD  ¥2,727+税  (税込¥3,000)

<TYPE A収録内容>
・CD
01.RISKY  作詞:石川絵理 作曲:上田起士 編曲:野井洋児
02.Tell Me Why  作詞・作曲・編曲:ナノウ
03.君ニ唄エバ  作詞・作曲・編曲:きなみうみ
04.Hello  作詞:加藤和樹 作・編曲:田中俊亮
05.Shining Star  作詞:加藤和樹 作曲:HIKARI 編曲:日比野裕史
06.片想い  作詞・作曲 浜田省吾 編曲 田中俊亮  ©1978 by HORIPRO INC
・DVD
「Tell Me Why」ミュージックビデオ +メイキング映像(TYPE Aver)

<TYPE B収録内容>
・CD
01.RISKY  作詞:石川絵理 作曲:上田起士 編曲:野井洋児
02.Tell Me Why  作詞・作曲・編曲:ナノウ
03.君ニ唄エバ  作詞・作曲・編曲:きなみうみ
04.Hello  作詞:加藤和樹 作・編曲:田中俊亮
05.Shining Star  作詞:加藤和樹 作曲:HIKARI 編曲:日比野裕史
06.片想い(Acoustic ver.)  作詞・作曲 浜田省吾 編曲 増田武史
(c)1978 by HORIPRO INC
・DVD
「Tell Me Why」ミュージックビデオ +メイキング映像(TYPE Bver)


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