インタビュー & 特集
「性別や年齢を超えて、いろんな幅で活動できる役者になりたい」黒澤美澪奈さんインタビュー
「舞台は幕が上がってしまえばずっとその役でいられる、そういうところが好きですってアピールしました!」と明るく語る黒澤美澪奈さん。『暗くなるまで待って』で、1年ぶりの舞台に挑む心境をうかがいました。
(撮影/泉山美代子 文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2019 1/25 UPDATE
一昨年、2年間所属した成長期限定ユニット「さくら学院」を卒業し、『ミレニアム桃太郎』『Metal Opera ~ミレニアム桃太郎~』の2本の主演舞台を経て、1月25日より舞台『暗くなるまで待って』に出演している黒澤美澪奈さん。グローリア役はオーディションではなく、オファーがあって、プロデューサーに会いに行き決まったのだという。
「マネージャーさんから『お仕事の話があるから来て』って呼びだされて、何か怒られるのかなあって心配しながら行ったんです。そうしたら『舞台のお話が来ているんだけど』って。その時は『来たー!』って思いましたね(笑)。めちゃくちゃうれしかったです。それでプロデューサーさんに会いに行きました。
舞台のどんなところが好きか聞かれて、とりあえず芝居が好きなんだっていうことは伝えておこうと思って、『映像だとカットがかかって素に戻るけど、舞台は幕が上がってしまえばずっとその役でいられる、そういうところが好きです』ってアピールしました。
あ、あとその日はちょっと子どもっぽい格好で行きました(笑)。私、声があまり高くないからか、実年齢より大人に見られることが多いんです。でもグローリアは子どもなのでちょっとでも幼く見えるように工夫しました」
グローリアは、ヒロインのスージーの家の近所に住む少女で、盲目のスージーを何かと気遣ってくれる存在。
「ちょっと子どもっぽいところがあるんですよ。スージーと喧嘩したり、物を隠したり、いたずらっ子で。でもお父さんがいなくて、お母さんが働いていて家にいないから、寂しい思いもしていて、どこかで人に甘えたいと思っているんです。かまってほしくてちょっかい出してるのかなって思うと、『こいつかわいいな(笑)』って思います。
なんのためにこの物語にグローリアを登場させたのか、そこを考えながら演じていきたいです。大事な、キーワードになる子だと思っていますので。(自分の)実年齢より幼い子を演じるので、見た目で子どもが出てきたってわかるように、少し華奢な体格になることと体力作りを兼ねて、シェイプアップしたり、稽古が始まる前から準備してきました」
そんな黒澤さんの舞台原体験は、小学生の頃に観た『ごんぎつね』。「すごく感動して『ごんがかわいそう』って大泣きした」のだそう。でもその時は、自分もお芝居をやりたいとは特に思わなかったという。「自分も出たい!」と思った作品は、地球ゴージャスの『The Love Bugs』。
「中学三年生になるにあたって、進路はどうしよう、お仕事どうしよう、芝居は好きだけどこのままやってていいのかなって悩んでいた時期だったんです。拝見して、感動で涙が止まらなくなって、自分もそこに出たいと思いました。それで、出たいならくよくよ悩んでいる場合じゃないなって。さくら(学院の活動)も、勉強も、仕事も、頑張らなきゃいけない。そう気づかせてもらいました。
その夏に、さくら学院のみんなと演じさせていただいた『秋桜学園合唱部』で、初めて本格的な舞台に挑戦しました。演出家さんにマンツーマンで教えていただいたり、しっかりと芝居に向かい合う時間を通して、やっぱりお芝居って楽しいなあって。
卒業してからは『ミレニアム桃太郎』と『Metal Opera ~ミレニアム桃太郎~』に主演させていただきました。周りの方に支えていただいて、やりたいことをのびのびとやらせていただいた作品です。それから1年で、今回こうして『暗くなるまで待って』に出演できることは、本当にありがたいことだなと思います」
『暗くなるまで待って』は1月25日に初日を迎えて、現在絶賛上演中だ。黒澤さんにこの先の目標をたずねた。
「もちろん舞台もそうですし、本当にいろんなことに挑戦させていただきたいです。声のお仕事もナレーションも朗読劇もやりたい。演じる役も大人っぽい役や少年役みたいに、性別や年齢を超えて、いろんな幅で活動できる役者になりたいなと思っています」
[プロフィール]
くろさわ・みれな
2001年5月22日生まれ、東京都出身。
雑誌モデル、バラエティ番組『大!天才てれびくん』レギュラー出演などを経て、2015 年 5 月~2017 年 3 月 成長期限定ユニット「さくら学院」のメンバーとして活動。2016 年『秋桜学園合唱部』で初舞台を踏む。2017年にさくら学院を卒業後、『ミレニアム桃太郎』『Metal Opera ~ミレニアム桃太郎~』に出演。
[公演情報]
『暗くなるまで待って』
[東京]1月25日(金)~2月3日(日) サンシャイン劇場
[兵庫]2月8日(金)~10日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
[愛知]2月16日(土)、17日(日) ウインクあいち
[福岡]2月23日(土) 福岡市民会館 大ホール
作:フレデリック・ノット
演出:深作健太
出演:加藤和樹 凰稀かなめ/高橋光臣 猪塚健太 松田悟志/九内健太 橋谷拓玖 黒澤美澪奈
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