インタビュー & 特集

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写楽が女!? 中川翔子さんが『戯伝写楽2018』に挑戦!

わずか約10ヶ月の間に140点以上の作品を残し、忽然と姿を消した浮世絵師・東洲斎写楽。その正体は、日本史上最大のミステリーのひとつ。そんな写楽が「実は女だった……!?」という着想とともに、寛政の時代に生きた芸術家たち、喜多川歌麿・葛飾北斎・十返舎一九・大田南畝(蜀山人)らの群像劇をも描くミュージカル、Japanese Musical『戯伝写楽 2018』。2010年に上演され好評を博した舞台が、河原雅彦による新演出、森雪之丞による作詞によりまったく新たな魅力を備え上演!キャストも大きく変わり、今回、何かに憑かれたかのように絵を描き続けるヒロイン・おせいを演じるのは、自身のイラストの腕前にも定評があり、歌・声優などマルチな活躍をみせている中川翔子さん。近年は女優としても舞台でもさまざまな作品に取り組む中川さんに、『戯伝写楽 2018』、そして舞台への思いを聞きました。(文/金井まゆみ、写真/笹井タカマサ)

INTERVIEW & SPECIAL  2017 12/31 UPDATE

——出演が決まってから初演の映像をご覧になったそうですが、どんなことを感じましたか?

 日本の歴史も江戸時代のこともあまり知らなくて、「難しいのかな」と心配しながら観始めたんです。でも、写楽のことって知らないと思いきや、知っているんですよね。誰もが見たことのある絵だし、時を超えてみんなが知っているなんてすごいことじゃないですか。その写楽が「もし女性だったら」なんて、イマジネーションにあふれていてすごくそそられます。日本ならではの華やかな色彩もすてきだし、音楽もポップだし、とても観やすかった。思っていた以上に入りやすくて、面白い作品だと思いました。

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——脚本の中島かずきさんとは、アニメ『天元突破グレンラガン』(2007年)でシリーズ構成と主題歌歌手という間柄でご一緒されていましたね。

 もう10年前になりますね。私は『グレンラガン』という作品、『空色デイズ』という楽曲に出会えたから、今までお仕事を続けてこられたと思っているんです。出会いが自分自身の人生とも重なり、歌うたびにまた違った発見や出会いがある。「本当にあの時『グレンラガン』と出会えてよかった」と思える、“一生の宝物”です。だから、いつか別のかたちでご恩返しできたらと思っていたんです。今回ご一緒できて、本当によかったです!
 作詞の森雪之丞先生も、先生が手がけたアニメソングは大好きなものばかり。ラジオ番組でお会いした時にも素敵なお話をしていただいて、いつかご一緒することが目標でした。そうしたら、先生が「今度ご一緒しますね、よろしく」っておっしゃって。びっくりです。

——素敵なご縁があったんですね。ご縁といえば、今回のキャストのなかには『ブラック メリーポピンズ』(2016年)で共演された小西遼生さん(喜多川歌麿役)もいらっしゃいますが。

 そうなんです。お芝居のなかでやりとりするシーンはないみたいですけど、稽古場にはいらっしゃるので「兄さん(小西さん)がいるから大丈夫だ」と。『ブラメリ』のとき、舞台で演じること自体が恐ろしくて「どうしよう」と不安だったんですよ。でも兄さんはすごく優しく「大丈夫、大丈夫」と言ってくださって、それで安心できたんです。今回も「江戸時代の知識がまったくないんです」とLINEしたら、「これを読んだらいいよ」と参考になる本を教えてくださって。江戸東京博物館もおすすめしてくださったけど、残念なことに来年の春(2018年3月31日)まで改修工事中で(苦笑)。でも、参考になる写真を大量に送っていただきました。ありがたいです、兄さん!

——斎藤十郎兵衛役の橋本さとしさんとは初共演ですね

 お目にかかる前から、別のお仕事の現場でもみなさん「さとしさんはとても素晴らしい方だ」とおっしゃっていて。こんなに大勢の人にそう言われるなんて、どれだけすごい方なんでしょう。すでに“伝説”の域ですね!  花魁・浮雲役の壮一帆さんとは、『ウチくる!?』で一度お会いしてるんです。お着物でカツラをかぶった浮雲のビジュアルが色っぽくて、とってもお似合い。かっこいいですよね。ちょっと、「一緒にご飯に行きたいです」って言ってみたいです。

——この物語で十郎兵衛は「写楽」で金もうけをしたいと思っている男。一方中川さんが演じるおせいは、ただただ絵をかいていれば楽しいという女性。中川さんは、おせいをどう思いましたか?

 おせいとは、お友だちになれそうな気がします。絵を描くことって、とても楽しいし、生きた証を残す作業ですよね。精神統一にもなりますし、脳からアドレナリンが出て止まらなくなるし、自分が思う以上のハイテンションにもなる。私自身もそうなので(笑)、きっとそういう感じだったんじゃないかと想像できます。最近、人気漫画家さんの暮らしを追いかけるVTRをよく見ているんですけど、素晴らしいイマジネーションと、それを具現化する画力・センス・運・縁、すべてを兼ね備えてなくてはいけないし、しかも時間が限られたなかで納得がいくまで描き直している。“好き”っていう概念を飛び越えて、何かにかき立てられるくらいじゃないとできない仕事だと思うんです。きっと、おせいもそういう感じだったんじゃないでしょうか。

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——そんなおせいを、どう演じるか。現時点でのイメージは?

 かずきさんの作品は言葉がすごく鮮烈で強くて、叫んでいても楽しそう。ポスター撮りの時「茶髪はそのままでいい」とエクステもつけたままでしたし、衣裳の着物自体にもレースがついていた。想像以上に自由な感じでホッとしましたし、楽しくやれたらいいなと思っています。去年出演した『ドラゴンクエスト』では小さい頃から大好きなキャラクター(アリーナ)を演じられることがうれしすぎて、1日3回公演でも他のレギュラーのお仕事も休まず、でも体調も崩さないまま、ずっと走り回ってアクションしていられたんです。舞台のために引っ越して、毎日重石を乗せてトレーニングして、アクションもバレエも縄跳びもやりました。さすがに、公演が終わって燃えつきてしまいましたね。この前バラエティで久々に縄跳びをやったら、跳べないし引っかかるし、体もかたくなっているし、まったくできなくて……(笑)。
 また体を鍛えて、あのときの自分の限界を超えた状態に近づいていくには、“楽しい”とか“好き”がないと。だから毎日少しずつ、楽しさを探していきたいと思います。

——舞台出演が、本当に大きな経験になったのですね。

 実際に経験するまでは、勝手なイメージを妄想していたんですよ。「毎日お酒を酌み交わして語るのかな」とか、「怒鳴られるんじゃないか」とか。でも、全然そんなことありませんでした(笑)。自然と稽古や本番で「あそこはこうでしたね」と話したくなるし、みんなでご飯を食べることもお芝居の間(ま)や雰囲気にいい影響がある。私にとっては、体調管理・自炊・一人暮らし、何もかも舞台がきっかけになって始めたことで、今では家に友だちを大勢呼んで、ご飯をふるまったり、お酒も飲みに行ったりしているんです。20代半ばの頃の自分が見たら「誰だよ!?」と言うくらい変わったし、人間として欠けていたものを埋めてもらえたような気さえします。それに、これまで歌・バラエティ・ラジオ、そして絵を描くことをやってきたなかに、新しく舞台やドラマでお芝居させていただくことが入ってきて、その経験が声優のお仕事や歌うときにも役立っています。
 お客様の側に立ってみると、今回の出演者のなかでは中川翔子が一番「何者なんだよ」と“謎”な印象がありそうですね。「ブログ見てた」って言ってくれる方も歌っていることを知らない方もいるし、猫を飼っていることとか、『ウチくる!?』の印象が強い方もいらっしゃるでしょうし、一番つかみどころがなさそう。そういう“謎”な感じは、写楽としても良いんじゃないでしょうか。

——ミュージカル、という側面についてはどう思いますか。

  当然ですけど、ミュージカルでは歌詞を聞かせるためにきちんと腹式呼吸で発声しなくてはいけませんよね。息づかいだとかちょっとした息の量で想像以上にニュアンスが変わる。大変だなと思いますけど、もともと自分のなかにあったものだけではない要素が自分の世界に増えていくことが、とても面白いです。

——『戯伝写楽 2018』という作品を通じて、中川さんが伝えたいと思っていることは何でしょうか。

 いろいろな角度で楽しめる作品だと思います。私のようにほとんど知識がなかった方でもポップで面白く観られるし、もともとこの時代や写楽に興味がある方には「何が起きてこの絵が残ったのか」というイマジネーションにより深く入り込んでいただけるはず。かずきさんがお書きになるセリフはいろいろな感情がくっきりと表現されますし、何よりも「日本にこんなに謎めいた、そして永遠に残る宝物(浮世絵)を残した人がいた」というワクワク感がすごい。演じる側の私にとっては歌も演技もあって体も脳も使う大変な世界ですけど、ぜひ観にいらしてください。「ああ、よかった」と思っていただける時間になるようにご恩返ししたいと思います。


DSC_6738【プロフィール】
中川翔子(なかがわ・しょうこ)
東京2020大会マスコット審査会のメンバーに選出。歌手としては、海外でのライブ出演やディナーショーの開催なども行う。最近は女優としても活動し、ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』(2016)、妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』(2017)、連続テレビ小説『まれ』(2015)、『あなたのことはそれほどでも』(2017)に出演するなど、活躍の場を広げている

 

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cube 20th presents
Japanese Musical
『戯伝写楽 2018』
[東京公演]2018年1月12日(金)〜28日(日)東京芸術劇場 プレイハウス
[久留米公演]2018年2月3日(土)〜4日(日)久留米シティプラザ ザ・グランドホール
[名古屋公演]2018年2月7日(水)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
[兵庫公演]2018年2月10日(土)〜12日(月・休)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
作:中島かずき 作詞:森 雪之丞 音楽:立川智也
演出:河原雅彦
出演:橋本さとし、中川翔子、小西遼生
壮 一帆、東山義久(Wキャスト)、栗山 航(Wキャスト)、池下重大
中村美貴、華耀きらり、大月さゆ、染谷洸太、馬場亮成、岩橋 大
山崎樹範、吉野圭吾、村井國夫
※詳細は公式サイトhttps://sharaku2018.amebaownd.com/をご覧ください。

 

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