インタビュー & 特集
女子が胸キュン⁉『オーファンズ』細貝圭さん&佐藤祐基さん&加藤虎ノ介さん
傷つけあいながらも人生を再生していく孤児たちを描き、世界で上演され続けている舞台『オーファンズ』。この不朽の名作が、演出マキノノゾミ、出演に細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介で、この秋上演されます。稽古中の出演者3人に、お話を伺いました!(取材・文/田部井徹、撮影/熊谷仁男)
INTERVIEW & SPECIAL 2017 10/11 UPDATE
――現在は稽古の真っ最中(取材時)だと思うのですが、現段階で、この何度となく舞台化されている『オーファンズ』という作品が持っている魅力をどんなふうに捉えていらっしゃいますか?
佐藤 台本の読み方の違いというか、キーの上げ下げ一つで見えてくる景色や3人の関係性、距離感みたいなものが違ってきて、それがすごく面白い作品だなと思っています。
細貝 トリートとフィリップは兄弟ですが、まったく関係のないハロルドという人物が入り込んでくることで、疑似家族ともいえるような関係が生まれていく…それは、考えようによっては「ありえない話」なんですけど、その3人の関係が、時間がたつにつれて、だんだん歯車が噛み合っていくようで…。
佐藤 そうだね。でも、噛み合ってないといえば噛み合ってない関係性。
細貝 そう。噛み合ってないのに、つながっていく。ハロルドという存在によって僕ら二人の未来は確実に変わるという。モヤモヤの中で生まれてくる光…というようなものがこの作品の魅力なのかな、と思ってます。
加藤 家族という枠組みは、決められたもので基本的に動きのないものじゃないですか。そこから出て行くこともなかなかできない。でも、結果として疑似的な家族になっていくというのは、意外と無意識の中で心地よかったりする。そして、その関係性の中で、気づかぬ内に先々の人生が変わっていくというのは、面白いなと思っています。
――3人芝居ということでの面白さ、難しさはどう感じていますか?
細貝 とにかく気が抜けないですね(笑)。
佐藤 とりあえず稽古場での時間の進みが早いよね。待ち時間がないから、どんどん進むし、内容も濃密。
加藤 今、形を固めていってるところだから、最終的にはどうなってるかわからないけど、毎回倒れそうだね(笑)。終わって、家に帰っても疲れが取れそうもない(笑)。
佐藤 僕も立ち稽古が終わって、筋肉痛でした。階段を何往復もするので。
加藤 体力を使うっていうのはマキノさんもおっしゃってましたね。
佐藤 昨日も、帰ったらすぐに倒れるように寝ました(笑)。ただ、僕自身、こういうフィリップのような役柄というのも久々で、最近はどちらかというとトリート側の役柄が多かったので、そこへの挑戦というのはやりがいがあるし、ありがたいなと思ってます。濃密な3人の会話劇ということで、試行錯誤しながらも日々、楽しいですね。
加藤 これ、女性が喜んでもらえるという作品で…。
細貝 女性がキュンキュンするという面もあると。
佐藤 あー、マキノさんがそうおっしゃってましたね。「キュンキュンさせてやろう」って(笑)。
加藤 どちらかというと、男性が好きそうな作品かなと思ってたんだけど、そうじゃない部分もあるらしいので…。
細貝 男同士の関係性、みたいなところですよね。
加藤 そこは二人が担当で(笑)。
細貝 いや、ハロルドじゃないですか?
佐藤 まぁ、そこは、それぞれに見る方に自由に捉えていただければと思います(笑)。
細貝 過去にも多くの俳優さんがこの『オーファンズ』という作品を演じられてきましたが、今回また新しいアプローチで、見ていただけると思っています。何の先入観もなくフラットな状態でこの世界に入ってきていただきたいですね。翻訳劇ってどうなんだろう、と思っている方こそ、どうぞお試しあれ!です。
佐藤 これは良い作品になるな、という手ごたえみたいなものを感じています。自分の周りの人間に、「見に来たほうがいいよ」って勧めたい作品。マキノさんを信じて、自分たちの『オーファンズ』を作り上げていきますので、期待してください。
加藤 ほとんど二人が言った通りなんですけど(笑)。男同士のいろいろがお好きな女性には佐藤祐基、細貝圭、この二人を見ていただければいいなと思います(笑)。翻訳劇なんですけど、スッと見ていただけるエンタテインメントで、とても入り込みやすいと思います。構えずに気軽に見ていただければうれしいですね。
『オーファンズ』
10月14・15日 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
10月18日~22日 草月ホール
作:ライル・ケスラー、
翻訳:小田島恒志
上演台本・演出:マキノノゾミ
出演:細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介
細貝圭●1984年10月10日生まれ 東京都出身。
幼少期から14年間米国で生活し、2008年にミュージカル「テニスの王子様」でデビュー。以後、舞台「戦国BASARA」(10~13)やTVドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」(11~12・EX)など、多数の舞台や映像作品に出演。そのほか、バンド「ココア男。」のメンバーとしての音楽活動(10~12)や、ゲームアプリ「あんさんぶるスターズ」(14~)のアフレコなど、活躍の場は多岐にわたる。主な出演作品は、【舞台】「トロイラスとクレシダ」(12)、「マルガリータ~戦国の天使たち~」(14)、「新・幕末純情伝」(16~17)、「パタリロ!」(16)、「剣豪将軍義輝~星を継ぎし者たちへ~」(17)、【映画】「新宿スワン」(15)、【TVドラマ】「サヨナラ、えなりくん」(17・EX)など。
佐藤祐基●1984年2月22日生まれ 東京都出身。
2005年にTVドラマ「ごくせん」(NTV)でデビュー。TVドラマ「仮面ライダーカブト」(06~07・EX)や「白と黒」(08・CX)で話題を呼び、人気を集める。初舞台の「ブラウニング・バージョン」(05)以後、舞台出演作も数多い。16年には、Air studioプロデュース公演「蒼い季節」で演出を手掛けた。主な出演作品は、【舞台】「トロイラスとクレシダ」(12)、タクフェス春のコメディ祭!「わらいのまち」(17)、【映画】「新宿スワン2」(17)、【TVドラマ】「水族館ガール」(16・NHK)、宮部みゆき サスペンス「模倣犯」(16・TX)、「警部補・碓氷弘一~殺しのエチュード~」(17・EX)、「貴族探偵」(17・CX)、【配信】「ガキ☆ロック~浅草六区人情物語~」(17・Amazonプライム・ビデオ)など。
加藤虎ノ介●1974年10月20日生まれ 大阪府出身。
大阪で舞台を中心に活動中、NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」に出演して注目
される。最近の主な出演作品に【舞台】「国語の時間」(演出 詩森ろば)、
「OPUS/作品」(演出 小川絵梨子)、「休暇」(演出 栗山民也)【TV】「平清
盛」「限界集落株式会社」「夏目漱石の妻」「ブランケット・キャッツ」(NH
K)、「ダーティー・ママ!」(NTV)、「半沢直樹」(TBS)、「無痛~
診える眼」(CX)、「おみやさんSP2」(EX)など。