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インタビュー & 特集

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INTERVIEW! 「新春浅草歌舞伎」 中村壱太郎さん

「新春浅草歌舞伎」の魅力とそれぞれの抱負を伺う出演者インタビュー。3回目は中村壱太郎さんの登場です。(文/仲野マリ、撮影/増田慶) 

INTERVIEW & SPECIAL  2017 1/11 UPDATE

壱太郎は3年ぶりの登場。その前は6年前から3年間連続して出演している。4回目の新春浅草歌舞伎出演となる今回は、メインとなる若手4人の中で唯一の女方。『傾城反魂香』のおとくと『吉野山』の静御前に初役で臨む。

おとくはうまくしゃべれない夫をリードする妻

「『傾城反魂香』のおとくは、あこがれのお役の一つ。上方の狂言で近松門左衛門の作品ということもあり、古典的な雰囲気をどうつくっていくか、チャレンジしていきたいです。通用『吃又(どもまた)』というように、主人公の又平は吃音でうまくしゃべれません。そんな夫を支えるのが女房のおとくなので、夫の代わりに話したいことを通事する、しゃべりが眼目となります。セリフの駆け引きが重要になってきますので、言葉にきちんと心情をのせてお客様に届けられるよう、ていねいに演じたいと思います」
 おとくの役は、市川猿之助に稽古をお願いしたという。
「猿之助のお兄さんに習おうと思ったのは、父・(四代目)中村鴈治郎の襲名披露公演のときに、父の又平に猿之助のお兄さんのおとくの舞台を観て、心の底から感動したからです。そのとき、自分も修理之助の役で舞台に出ていたのですが、思わず役を忘れて引き込まれてしまうくらいでした。それまでも何度も観ていたお芝居のはずなのに、そのときほどおとくが愛情深い女性に思えたことはありません。一緒の舞台に出て、間近で見ていたからなおさらだったのかもしれません。とにかく、猿之助のお兄さんのおとくに近づけるよう、まずは真似ることから始めたいと思います」

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“完コピ”から始まる芸の精神の継承

「実はもう一つ、猿之助のお兄さんに習いたいと思った理由があるんです。私たちが初めてのお役を習うときは、とにかく教えを受ける人の完全なる真似、いわば“完コピ”です。でも、ちゃんと習ったつもりでも、感情が入ると「完全コピー」が鈍ってしまいがちで……。ところが猿之助のお兄さんは、本当にそっくりに演じられる。祖父(坂田藤十郎)からいろいろなお役を習っていらっしゃるんですが、舞台を拝見すると、祖父の芸にまるで生き写しなんです! 私はそういう方から習いたいなと思ったんです。今回のおとくの役を、猿之助のお兄さんは(先代の中村)雀右衛門のおじさまに習われていらっしゃるので、自分は猿之助のお兄さんを通じて雀右衛門のおじさまの芸を学べることになる。これ、すごいことだと思いません? 先人から受け継いだものを一つも間違わず、それも内面から、気持ちの面からして受け継いでいくということが、真に役を受け継いでいくということではないかと思うんです。特に上方歌舞伎というのは、いわゆる“型”というものがなく、“性根”を芯にもった上での雰囲気が大切。自然な関西弁のトーンも含め、その雰囲気がなくなってしまうと上方歌舞伎そのものが失われてしまうので、きちんと継承していくことの大切さを意識しています」

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歌舞伎にはドラマの色濃い魅力が詰まっている!

『吉野山』は、『義経千本桜』という長編作品の一場面だ。壇ノ浦の戦いなどで華々しい戦果を挙げ一躍源氏勢のヒーローとなった源義経が、兄・源頼朝の不興を買い、絶頂から坂道を転げ落ちるように追われる身となる。途中で義経と離れ離れになった愛妾・静御前は、義経の家来・佐藤忠信(実は狐)を伴って吉野山の道をたどり、義経との再会を目指すというのが、『吉野山』のあらすじである。
「でも『義経千本桜』と言いながら、『吉野山』には義経は出てこないんですよね(笑)。こんなふうに、13話完結の連ドラでいきなり10話くらいからお芝居を始めるというやり方は、慣れない人にとって歌舞伎をわかりにくくしている要因の一つだとは思います。でも、『吉野山』だけ切り取っても、そこにちゃんとドラマがあって、歌舞伎ならではの色濃い魅力が詰まっている。だからこそ、ずっと上演され続けているのだと思います。実は『吉野山』は、起承転結がはっきりしていて展開がダイナミックなお芝居なんです。静御前が鼓を鳴らすのが「起」、鼓の音を聞いて忠信が出てくるのが「承」。その忠信が、合戦の様子を物語るのが「転」で、最後は早見藤太と花四天の捕り手が出てきて立廻りで華々しく終わる(「結」)。改めて、よくできてるなと感心します。静御前を演じるにあたっては、清元という音楽の特徴、音符で表せない部分をどう体を使って表現するのか、そこに心を砕いていきたいと思います。清元って手ごわいんですが、だからこそやりがいがあり、好きでもあるんです」

浅草歌舞伎は歌舞伎を好きになってもらうための登竜門

「お客様にとっての新春浅草歌舞伎の特徴は、なんといっても“安い・早い・楽しい”! 学割もありますし、上演前に出演者が日替わりで出る「お年玉<年始ご挨拶>」があったり。そういう親しみやすさ、楽しさを、これからも大事にしたいなと思っています。若手歌舞伎俳優の登竜門であると同時に、お客様にとっては歌舞伎を好きになってもらうための登竜門――それが新春浅草歌舞伎です!」

2016-1118_1379なかむら・かずたろう●初代/屋号:成駒家
中村鴈治郎の長男。平成2年8月3日生まれ。人間国宝の坂田藤十郎は祖父。平成3年に初御目見得の後、平成7年に初代中村壱太郎を名乗り初舞台。上方歌舞伎を継承する実力派若手女方として活躍中。平成26年日本舞踊吾妻流七代目家元・吾妻徳陽を襲名。

★★★お知らせ★★★
最新刊「omoshii mag vol.8」に、尾上松也さん、坂東巳之助さん、中村壱太郎さん、中村隼人さんがご登場!
ぜひ、誌面でもカッコイイお写真とインタビューをご堪能ください。

asakusa
『新春浅草歌舞伎』
1/2(月)~26(木)浅草公会堂
出演/尾上松也、坂東巳之助、中村壱太郎、中村隼人/中村錦之助ほか
☎0570・000・489(チケットホン松竹)

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