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インタビュー & 特集

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SPECIAL! 『エリザベート』ルキーニ役 成河さん 後編

帝劇公演を大盛況で幕を下ろし、いよいよ全国ツアー公演に入る大ヒットミュージカル『エリザベート』。トートを演じる城田優さん&井上芳雄さんの対談、今回から初参加した、ルキーニ成河さんのインタビューを、連続掲載いたします。(撮影/熊谷仁男)

INTERVIEW & SPECIAL  2016 8/8 UPDATE

(前編より続く)

_DSC1190――成河さんが考える『エリザベート』という作品の魅力とは?
「多面性ですね。小池先生も何度もおっしゃっていますが、クンツェさんとリーヴァイさんが作品の上演の権利を各国に委託する際に、振付や演出を自由に任せてくれたことが大きく影響していると思います。いろいろな国で上演されるたびにいろいろなシーンが変化し、ウィーンで再演される際にはそのいい部分を取り入れて上演されています。決して同じ位置に留まらず、さまざまな文化を取り込んで、ものすごい勢いでハイブリットに進化している作品です。
 また、どこからでも自分の見たいように見ることができる作品でもあります。ウィーン版はシニカルで退廃的な歴史劇。リーヴァイさんも、例のインタビュー本で、ブロードウェイの華やかなショーミュージカルに対して、ヨーロッパ発の退廃的なものを作りたかったと語っています。実際、ウィーンでの初演時は、小難しく、皮肉がきき過ぎていて批判もあったそうです。どうして自分たちの国の歴史をこんなにも嫌みたっぷりに描くのか、と。それを小池先生は、日本人の持つ情緒、っていうのかな、ある意味、少女マンガ的というか、アニメやコミック、ゲーム的なファンタジーの要素にぐっと寄せていった──。
 小池先生の中では、思いっきりファンタジーに寄せるのか、歴史劇に戻すのか、上演のたびに葛藤とパワーバランスが働いているようですが、今回、お話を聞いた限りでは、2015年の新演出から今回の公演に向けて、少しずつ歴史劇としての要素を取り戻そうとしてらっしゃるのかな、というのは感じています。特にルキーニにその役割を託しているというお話もされていました。
長くなりましたが、『エリザベート』という作品の魅力は多面性。歴史劇として楽しめなくても、お姫さまのところに素敵な死神が現れるおとぎ話として見ることもできるし、音楽にうっとりもできる。見方を変えれば、私たち自身の話でもあるかもしれません。そんな風に、随所にさまざまなテーマを見いだすことができる作品ですが、僕が特に好きなのは、「誰も知らない真実、エリザベート」という歌詞ですね。エリザベートはいったい何を考えていたのかという疑問をお客様に掲示し、共有する楽しさがある。歴史ミステリーとしてとらえてもものすごく面白い作品だと思います」

──そもそも成河さんが、ルキーニ役として、出演を決めたきっかけは?
「僕、(出演依頼を)そんな断らないですよ(笑)。こんなありがたい話はないじゃないですか。ただ、過去のインタビューでも何度かお話していますが、僕がいちばん心をひかれるのは、やったことのない役です。自分の引き出しの中に入っていない役に魅力を感じます」

_DSC1111――このところ、『グランド・ホテル』、『エリザベート』とミュージカルが続いています。
「自分が歌唱表現のできる俳優だとは、今はまだとても思えません。歌唱表現の奥深さは常々感じています。今までやってきたことの延長線上で今はやらせていただいているだけで、歌唱というのはもっと奥深いものだと思っています。ミュージカル俳優というのは、歌唱表現を突き詰めて、突き詰めて、突き詰めた先にあるもの。そもそもルキーニじゃなかったら、僕に話が来るわけないじゃないですか。フランツとか、宮廷の人とか、誰も僕にやらせようとは思わないし、見たいとも思いませんよ(笑)。
(田代)万里生くんとかシュガー(佐藤隆紀)くんとかの芸大出の歌唱方法は、1、2年、訓練してできる歌唱ではないし、さらにそれを磨き上げ、彼らはそっち側から芝居に入ろうとしている。それは今の僕にはできないことです。
 ただ、歌って発信することに関しては、昔からうらやましいとは思っていたんですよ(笑)。歌は5秒くらいのフレーズで泣かせることができるじゃないですか。僕はつい戯曲を読むと言葉をとらえてしまうんですけど、「メロディには言葉と理屈ではない何かがあるらしいぞ?」というのが、今、僕のマイブーム(笑)。小池先生がおっしゃった、「音楽にどんどん乗っかっていくことで、もっと楽に表現できるよ」という言葉にも背中を押されました」

――お話を伺っていると、成河さんにとっては、ストレートプレイで演じることと、ミュージカルで演じることにはあまり変わらない、のでしょうか?
「そうですよ! 変わっちゃだめだと思います。技術的には水と油でドレッシングができてしまうかもしれませんが(笑)、日常会話こそ音楽的に聞こえるべきだし、音楽でも言葉が聞こえなければなりません。逆の要素が強調されて作品が豊かになると思います。そもそも僕は、ストレートプレイという言葉もあまり好きじゃなくて。僕自身はせりふ劇という言葉を使うようにしているのですが、そもそもせりふ劇とミュージカルの区別の前に、翻訳劇というものをもっと意識したほうがいいんじゃないかなと思っています。外国語を日本語にするという作業は、またひとつ大変ですから」

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――最後に、8月6日の博多座公演から始まる、全国公演に向けての意気込みをお聞かせください。
「博多座は今回、初めてなのですが、お客さんも俳優さんもみなさん大好きとおっしゃるんですよね。かなり期待値があがっています。博多に1か月も滞在するのは初めて。(井上)芳雄くんの家にも泊まりに行って、隣で寝ようと思っています。まだ、約束はしていませんが、僕の中ではもう決めています(笑)。
帝劇公演を終えて、全国公演にむけて、芝居については、ルキーニの狂言まわしとしての部分をより深めていきたいですね。ルキーニには狂言まわしと1人の人物という2つの側面があって、人物としての表現に関しては説明が少ないぶんあまりこねくり回すつもりはありません。謎は謎のままだから面白い! ただ、最後に物語をお客様の手に渡すのは、ストーリーテラーとしてのルキーニの役目。僕がより作品への理解、愛情が深めることで、狂言まわしとしての立ち姿も深めていきたいですね」

 

_DSC1297成河●そんは
1981年3月26日生まれ、東京都出身。実力派俳優として、これまでさまざまな舞台、テレビに出演。2016年は『グランドホテル』『エリザベート』とグランドミュージカルの出演が続いている。『エリザベート』ルキーニ役の後は、2016年末~2017年初にかけて、ミュージカル『わたしは真悟』、2017年には『髑髏城の七人 season花』に出演が決まっている。平成20年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞 第18回読売演劇大賞 優秀男優賞受賞 (『BLUE/ORANGE』および『春琴』の演技により )

●公演情報
『エリザベート』
2016年8月6日~9月4日 福岡公演 博多座
2016年9月11日~9月30日 大阪公演 梅田芸術劇場メインホール
2016年10月8日~23日  名古屋公演 中日劇場

Staff
脚本/歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲 シルヴェスター・リーヴァイ
演出/訳詞 小池修一郎

出演 花總まり・蘭乃はな/城田 優・井上芳雄/田代万里生/古川雄大・京本大我(ジャニーズJr.)/未来優希/涼風真世・香寿たつき/山崎育三郎・成河 ほか

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