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インタビュー & 特集

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INTERVIEW! 『マイ・フェア・レディ』霧矢大夢さん

2013年に演出が一新され話題を集めたミュージカル『マイ・フェア・レディ』が、今年3年ぶりに再演されます。主役のイライザを再び演じる霧矢大夢さんが、役から得たもの、稽古場での発見、宝塚歌劇団退団後の“第二の人生”についてなど、大いに語ってくれました。(取材・文/小野寺亜紀、撮影/大東佐和子)

INTERVIEW & SPECIAL  2016 6/17 UPDATE


――前回の『マイ・フェア・レディ』は、宝塚歌劇団を退団されて初のミュージカル出演でした。
 当時は宝塚とは色々勝手が違いますし、ダブルキャストゆえに自分のお稽古時間も半分になってしまうので、最初はペースをつかめず戸惑いもありました。でも公演が始まってからはふんぎりがついたと言いますか、お客様の前で演じるということは宝塚時代と何も変わらないと実感しました。最初はイライザの揺れ動く心、女性ならではのいじらしさなどを表現するのが難しくて、「なんて私は女心がないんだろう!」と思ったりも(笑)。でもやっぱり同じ人間ですし、男性はこっちの感情で突き進む、女性はこっちの感情で突き進むと脳の違いみたいなものがありますが、私はそこは両性の脳を持っていると思うので(笑)、いい意味で客観的に女性をとらえて演じる楽しさもありました。

――“reborn”ということで、G2さんが翻訳や演出を一新され、イライザのコックニー訛りは江戸弁になっているのが新鮮でした。
 日本ならではの解釈、言葉遣いとなっていて、下町言葉ということで江戸弁に。“ひ”という発音が“し”となるので、ヒギンズ教授のことも「シギンズ教授」と言ったり、日本人が親しみのもてる作りになっています。もともと私は、男役時代に英国を舞台にした作品を演じさせていただくことが多くて、映画『マイ・フェア・レディ』は私にとって教科書みたいな感じでした。英国の独特の格式や階級社会のこと、下町の人のふるまいや、上流階級の方のお茶を出すしぐさなど、色んなことが参考になる映画だったので。でも全然イライザを観ていなかったので、まさかまさかでした! イライザはオードリー・ヘップバーンと大地真央さんしか演じてはいけないと勝手に思っておりました(笑)。

――だんだんレディに変身していく辺りはどのようなことを意識されていましたか?
 イライザ的には苦労して身につけたものが、自然に出せるようになって、自分自身の達成感みたいなものはあるんですけれど、その中でヒギンズ教授と気持ちが離れていくんですね。淑女としての立ち居振る舞いを学んでいるけれども、そこから先の将来に不安を感じたりとか。それは現代社会の今を生きる皆さんにも重なる部分があるように思いますし、私自身にも重なるところがありました。宝塚を卒業して“第二の人生”と言いますか、霧矢大夢という名前で女優として舞台をさせていただき、色んな葛藤を持ちながら続けているので(苦笑)。だからこそまたイライザに出会って、感じることもあると思いますし、自分の変化を楽しみにしています。

――イライザとして美しい衣裳も着こなされて、女優としてもとても自然でしたが…。
 いえいえ(笑)。本当に少しずつ少しずつという感じです。私は音楽学校を含むと20年間宝塚にいたので、青春時代に色んなものを形成してもらいました。やはり宝塚は卒業する場所。でも退団後は卒業がないわけですよね。終わりなき戦いと言いますか、宝塚のように先のスケジュールまで決まっているという安定感はないので、将来的に不安になることもいっぱいあります。でも今は先が見えない感じも楽しみつつ、模索しながら過ごしています。

――改めてこの作品の魅力については?
 ミュージカルの醍醐味が詰まっていますよね。楽曲やストーリーの素晴らしさはもちろん、キャラクターが本当に魅力的。イライザの父親であるドゥーリトルだって、どうしようもない飲んだくれのおじさんだけどやっぱり憎めなくて魅力的で。おのおののキャラクターがすごく愛おしい。共演者の方はほとんど3年前と変わりませんが、ヒギンズの母親役の高橋惠子さんや、フレディ役の水田航生さんなど新しいキャストの方もいらっしゃるので、もう一度台本に立ち返って新たな気持ちで取り組みたいなと思います。

――フレディとイライザとの関係も面白いですよね。
 そう! 本当に独特で。女性として安定を求めるか、ちょっと荒波を選ぶかみたいなところもこの作品にはありますよね。そうやって人生の岐路に立つことは、皆さんもあると思うんです。イライザの最終的な選択は、実ははっきり描かれていないんですよ。多くを語り過ぎないところも、すごく“粋な作品”で素敵だなと思います。また単なるシンデレラストーリーではなく、男女とその周りを取り巻く人々の成長物語ですし、大恋愛ものではないけれど、心の距離感が甘く切ないメロディに乗せて生き生きと、コミカルに綴られています。男女の心の “あるある”が描かれているからこそ、こんなに長く愛されているんだなと思います。

――稽古場ではWキャストの真飛聖さんと交互に演じながら発見もありましたか?
 同じ役で同じ台詞を言っていても微妙に感じ方や表現の仕方は違うので、分析をしたりはしなかったですが、「真飛はこういうイライザなんだな~」と思いながら稽古をしていました。ヒギンズ教授の寺脇(康文)さんは、二人のイライザを相手に大変な思いをされていたと思うのですが、すごく伸び伸びと私たちを自由に転がしてくださいました。大らかな明るいヒギンズさんで、カンパニーの兄貴的存在です。寺脇さんは、大きい声で言ってしまう私の独り言、ヘンな語録をすごく拾ってくださるんです(笑)。初めてお会いした制作発表会で、私が「女性のポーズが分からない~」と一人つぶやいたのを今でも覚えてらっしゃって! 普段から自分がどう出てもちゃんと受けとめてくださって頼もしいです。

――宝塚を退団されて4年、体当たりの演技を見せた『ラ・マンチャの男』などこの1年も幅広い作品に出演されています。
 やはり芸事は終わりがないですし貪欲に、自分はこうなんだという概念を植え付けず、柔軟に変化していける役者になりたいなと思います。稽古場では“人間観察”をよくするようになりました。色んな畑から色んな方が集まって、とても自由にされている方もいます。するとつい気になって(笑)。宝塚出身だと、初舞台の同期生のロケットなどで叩き込まれた協調性、瞬時に周りをパッと見てしまう感覚が植え込まれているんですね。でももっと伸び伸びと、自分らしく主張するところは主張してもいいのかなと、この4年間で学びました。やっぱり自分の中でぶれない何かを持ってらっしゃる方は、どんな舞台でも凛としているんです。私もそういうふうになりたいなと思います。

【プロフィール】
霧矢大夢(きりや・ひろむ)
大阪府出身。1994年宝塚歌劇団入団。花組に配属され、1996年『ハウ・トゥ・サクシード』新人公演で主役に抜擢される。1997年月組に組替え後も、三拍子揃った実力派男役として活躍。2010年、月組トップスターに就任。『スカーレット・ピンパーネル』『アルジェの男』などで主演を務める。2012年に宝塚歌劇団を退団後も、『オーシャンズ11』『ラ・マンチャの男』『レミング』『THE LAST FLAPPER』など数々の舞台で活躍している。2009年文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞、『I DO ! I DO !』で第22回読売演劇大賞 優秀女優賞受賞。


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ミュージカル『マイ・フェア・レディ』
脚本・歌詞:アラン・ジェイ・ラーナー
音楽:フレデリック・ロウ
翻訳・訳詞・演出:G2
出演:霧矢大夢・真飛聖(Wキャスト)、寺脇康文、田山涼成、松尾貴史、寿ひずる、水田航生、麻生かほ里、高橋惠子、他

◆東京公演
7月10日(日)~8月7日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
S席12,500円、A席8,000円
お問合せ:帝国劇場 03-3213-7221
HP http://www.tohostage.com/myfairlady/

名古屋公演
8月13日(土)~14日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
S席13,000円、A席10,000円、B席7,000円
お問合せ:キョードー東海 052-972-7466(月~土10:00~19:00 日・祝休)
HP http://www.kyodotokai.co.jp/events/detail/1131

◆大阪公演
8月20日(土)~22日(月) 梅田芸術劇場メインホール
S席12,500円、A席9,000円、B席5,000円 U-25チケット7,000円(25歳以下対象、当日指定席引き換え、要証明書)
お問合せ:梅田芸術劇場メインホール 06-6377-3800
HP http://www.umegei.com/schedule/540/

 

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