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インタビュー & 特集

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INTERVIEW! 『グランドホテル』 成河さん

4月9日、赤坂ACTシアターにて幕を開け、名古屋、大阪も控えている、注目のミュージカル『グランドホテル』。GREENとRED、2つキャスト、2つの結末が話題を呼んでいます。そのRED版で、元会計士オットー・クリンゲラインを演じる成河さんに、開幕直前にお話を伺いました。(取材・文/高橋彩子、撮影/増田慶)

INTERVIEW & SPECIAL  2016 4/19 UPDATE

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――『グランドホテル』の舞台は1928年のベルリン。豪華なホテルでの人間模様が描かれます。

 1928年において世界の花だったベルリンという都市の、一番高級なホテルで、物語は展開していきます。その翌年には世界大恐慌が起こって、さらにその後ナチスが台頭してくるんですよね。演出のトム・サザーランドがよく言うのは、タイトルからは古典的で華やかなミュージカルという印象を受けるけれど、最初にヴィッキー・バウムが原作の小説を書いた時も、映画化された時も、ブロードウェイでミュージカルになった時も、ものすごく革新的だった、と。それだけ、よくできた群像劇ですし、観終わった時、主人公が人ではなく、グランドホテルであり1928年のベルリンだという気持ちになるんです。一人の人物に共感しながら筋を追っていって感動するのではなく、目紛しい幾つものドラマを観ながら想像力をかき立てられるところが、この作品の見どころではないでしょうか。

2016-0323_0788――成河さん演じる元会計士オットー・クリンゲラインは、ほかのゴージャスな宿泊客とは一線を画す人物ですね。

 僕が演じるオットーはユダヤ人の、しがないサラリーマンで、誰にも名前すら覚えてもらえない人物なのですが、重い病にかかって余命を宣告された時、ステイタスに対する憧れや執着が生まれる。自分の社長が泊まっているようなホテルで、そういう人達と肩を並べ、余生を過ごしたいと思い、今まで貯めた財産すべてを現金に換えて泊まりに来るんです。そんなオットーの執着は最後、ホテルを出る時には大きく変わります。この作品では、どの登場人物も何かしらの変化をしますが、オットーが担う変化は作品のテーマと深く関わるので、どう出せるかが重要になってきそうです。

 

――劇は、複数の人生に時々スポットが当たるかたちで進行しますが、どのように感情の変化を作っていますか?

 オットーとよく絡むのは伊礼彼方さん演じるフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵ですが、男爵もまた変化していくし、ほかの人も変わっていく。同時に進む5〜6つほどのストーリーが、有機的に結びついています。俯瞰しているというか、すごくドライに突き放して生き様を並べているところが面白いですね。なので恐らく、一人の軸だけを考えて作っても成立しなくて、色々な人達の色々な顛末の中での自分の変化に意味がある気がします。

――トム・サザーランドさんの演出はいかがですか?

 トムは、『タイタニック』にしても『グランドホテル』にしても、200〜300人規模の劇場で演出して、高い評価を受けている。一ヶ月二ヶ月ロングランしていますから、日本の小劇場とも、また意味が違うんですよね。その彼が稽古場で言っていたのは、「デモンストレーションにならないで、ただそこに(その人物として)いて(just be)くれ」。これはストレートプレイをやる人は皆心がけることで、実践するのは非常に難しいのですが、ミュージカルの現場でも聞けるとは思っていませんでした。とはいえ、歌と踊りと芝居が高いレベルででき上がって初めて合わせられるミュージカルなので、テクニカルな部分でやらなければならないことは多いし、翻訳物で時代物ということで独特の振る舞い方をしなければならない部分もある。どうしても、説明過多になったりぎこちなくなったりしがちなところを、いかにデモンストレーションではなくジャストビーするかたちでこなすか。相当、大変です。でも、大綱を握るトムがそう言ってくれるのが僕はすごく嬉しくて、全面的に信頼していますね。ディスカッションも重んじてくれて、翻訳の一言一句まで細かく話し合ってくれるので、豊かなシーンになっていますよ。

2016-0323_0874――これまで、ミュージカル『ハムレット』(2012年)や『100万回生きたねこ』(2015年)に出演されていますが、今回、歌唱面での課題などは?

 『ハムレット』ではソロは1曲もなかったですし、『100万回生きたねこ』はダンス作品だったと考えているので、別物という感じが強いです。オーケストラでソロを歌うのは、『グランドホテル』が初めてですね。オットーのソロは作品全体においてとっても大事で、ものすごくいい曲。毎日特訓してもらいました。今回の現場には日本人の歌唱指導がおらず、音楽監督のマイケル・ブラッドリーが指導しているのですが、彼はとにかく芝居とかけ離れた歌い方を嫌っていて、腹式でわーっと出す発声ではなく、胸からの発声、「チェストボイスで」と、すごく言うんですよ。日本語としての歌い方を自分で考えなければならない難しさはあるけれど、とにかく自然に歌うことを絶対的な基準に稽古が進んだのが新鮮です。これって、トムが言う「ジャストビー」とほとんど一緒のことなんですよね。振付のリー・プラウド含め、海外からきたクリエイター達がそうした姿勢を貫いてくれているのは心強いです。

――リアルなドラマがどう立ち上がっているのか、楽しみです。

 面白い作業をたくさんしたので、ちょっとびっくりしてもらえるんじゃないかと思うんです。今回は、2チーム制で、GREENとREDでは、同じ台本で真逆のことをしますし。中川晃教さんがオットーを演じるGREENチームは、成し遂げようと思ったことが、成し遂げた瞬間に全て奪い去られるチーム。一方、僕が演じるREDチームは、地べたを這いつくばって成し遂げようとしたことが、紆余曲折を経て成し遂げられるチーム。ハッピーエンド/バッドエンドと言ったら薄っぺらく聞こえてしまいますが、結末が違います。ということは、ただでさえミュージカルでは歌に踊りにとやることが多いのに、さらに稽古に時間がかかるわけで……本当に、時間が足りない! 画竜点睛は本番ぎりぎり(笑)。海外のクリエイター三人の、決して丁寧には進まないその勢いにうまく乗っていきたいですね。

★動画コメント到着です!(5月3日更新)

速報!成河さんのグラビア&ロングインタビューを、

5月19日発売の

「omoshii mag  オモシィ・マグ」vol.5 

ミュージカル特集2 にて掲載!

詳細は、近日、本サイト&ツイッターなどで告知いたします。

『グランドホテル』のお話はもちろん、

『エリザベート』のお話もたっぷりと!

お見逃しなく!!

 

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成河●そんは
1981年3月26日生まれ、東京都出身。実力派俳優として、これまでさまざまな舞台、テレビに出演。今年はグランドミュージカルの出演が続き、6月28日からは、ミュージカル『エリザベート』に、ルキーニ役で出演も決まっている。平成20年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞 第18回読売演劇大賞 優秀男優賞受賞 (『BLUE/ORANGE』および『春琴』の演技により )


ミュージカル『グランドホテル』
東京公演 2016/4/9(土)〜4/24(日)赤坂ACTシアター、
名古屋公演2016/4/27(水)・28(木)愛知県芸術劇場大ホール
大阪公演2016/5/5(木)〜5/8(日)梅田芸術劇場メインホール
脚本:ルーサー・ディヴィス
作詞・作曲:ロバート・ライト&ジョージ・フォレスト
追加作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:トム・サザーランド
キャスト:
GREEN 中川晃教、宮原浩暢(LE VELVETS)、安寿ミラ ほか
RED 成河、伊礼彼方、草刈民代 ほか
http://musical-grandhotel.com/

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