インタビュー & 特集

INTERVIEW!THE CONVOY SHOW『1960』今村ねずみさん

今年結成30周年を迎えたTHE CONVOY SHOWが昨年6年ぶりに東京で上演した舞台『1960』が好評を得て、4月6日から東京・天王洲 銀河劇場を皮切りに、全国ツアーとして再演されています。作・演出・出演の今村ねずみさんが、再演に向けての思いを語ってくれました。(取材・文/金本美代、撮影/笹井タカマサ)

INTERVIEW & SPECIAL 2016 4/15 UPDATE

――昨年6年ぶりに上演したコンボイショウの新作『1960』は大きな反響を呼びましたね。今回の再演、全国ツアーが、昨年の千秋楽で発表されてファンは大喜びでした。

千秋楽に発表することはスタッフが考えたのですが、皆さんまんまとワナにかかりましたね(笑)。

――昨年の公演は東京だけだったので、全国ツアーの発表はファンの皆さんは喜ばれたと思います。

いつも全国公演をやっていましたからね。去年は6年ぶりだったこともあって、地方公演関係者は「まず見てから」ってことだったんですけど。でも早々に、見極めていただいた結果ですね。嬉しいことですね。

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――6年ぶりの公演ということで、ファンのみなさんもですが、ねずみさんもかなり力が入っていたのではないでしょうか?

そうですね。そして実際に公演して、待ってくださってるお客様がいたということに幸せを感じました。終わった後にファンの皆さんからかけていただく言葉やいただく手紙で「待った甲斐がありました」「変わらずにコンボイショウでした」って。すごい幸せでした。充実感というか。僕らも「本当に心からありがとうございます。やってよかった、続けてきてよかった」と思いましたね。

――公演がなかった6年というのはどんな時間だったんでしょう?

ずっと前ばかり見てやってきたので、一息ついた感じ。いっぱいいっぱいになってたので、ここで一休み、みたいなタイミングでもあったと思う。個人としてそれぞれの道を、みたいな期間でもあったのかな。そうしてみて、結果的にまた『1960』で同じ舞台に立ったという。

いろんなことがありましたからね。個人的なことや集団的なこと、コンボイショウは自分たちだけでこうなってきたわけではなくて、いろんなスタッフの方に支えてもらってきた。待っていてくれたファンの方々の想いも嬉しかったことですが、スタッフのありがたさも感じましたね。変わらずに僕らに付き合ってくれてるって。

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――そんないろんな思いが渦巻く中でうまれた、『1960』という作品に込めたものはどういうものなのでしょうか?

コンボウショウって、その都度その時の自分たちが出て来る。自分たちが素材になって出て来る。ノンフィクションであったり、フィクションであったり、実施の自分たちの状況が前面に出て来るようなショウ作りなんですよね。『1960』は、自分たちが50代に入って、コンボイショウも今年で結成30周年。それがそのまま出た舞台だなと。結果論なんだけど、やってみて、今の自分たちの姿がいい意味で出た舞台になったんじゃないかなと思います。なにかこう、「変わりたい」「こうなりたい」「ああなりたい」と思って30年間やってきたんだけど、変わることなく「やっぱりこれだ」、みたいなのを改めて感じたというか。

――「やっぱりこれだ」というのは?

コンボイショウとして30年間続けて来たメンバーとの関係とか、お互いの意味合いみたいなのが『1960』に出ていたんだよね。昨日今日集まった関係ではなく、一緒に続けてきているからこそのせめぎ合いみたいなのが舞台の上の節々に出ていた。いろんな舞台があるけど、コンボイショウはそれがカラーなんです。全員が主役で全員が脇役で、幕が開いて閉じるまで、とにかくエンターテインメントショーをやろうっていう、50代になったいまの自分たちが素直に出ていた。30年間コンボイショウでは色んな作品をやってきたけど、実は変わってない、同じことやってるじゃん、っていうのが素直な俺の感想なんだけど、これがコンボイショウなんだと。スタートは1988年ですよ。ストーリーは変わっているけど、とどのつまり、同じことやってる。自分で言うのもなんだけど(笑)、でもそこなんだな、みたいな。

――同じことをやってると言っても、皆さんキャリアを重ねているわけですから、当然変化もあると思いますが。

知恵とかは身につけたかもしれないですよね。器用にできるようになったかもしれないけど、それを抜きにしてもコンボイへの想いとか、なぜ一緒にいるの? とか、そういうことです。会社でもないし、劇団員ではないから離れることは簡単にできるけど、でもなにゆえコンボイショウで30年過ごしたのか。僕たちをなぜそこまで引き付ける場所なのかってことが『1960』では、僕なりに答えが出た舞台だった。

――『1960』はねずみさんが日々書き留めているノートから生まれたと聞いています。

なんでも書き留めてるノートがあります。ちょっと自分のなかで引っかかったこと、思いついたことから、印象に残ったこと、友達の電話番号からメールアドレス、なんでも書いています。話のネタにしようと書いているわけではないですけど、たしかに今回、ノートに書いたことから生まれたキャラクターやエピソードがありますね。『1960』に登場するタクシーの運転手は、ヨーロッパで面白いのいたなって書いたのから始まってるし。バーのマスターもNYとかパリで道に迷ってはいったバーのマスターが面白かったのを書き留めてた。

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――やはりコンボイショウといえば、お芝居の他にもタップやダンスシーンが魅力です。年齢を重ねていくうえで体力維持、体調管理は大切なことですが、特に気を使われていることはありますか?

今はホットヨガをほぼ毎日1時間半、海パン一枚でやってます。去年の誕生日に思ったんですよ。これまで続けることが苦手だったんだけど、せっかくだから続けてみようって始めたの。去年の6月からこれまで150レッスンを越えました。さらに今年に入ってからまだ7日程度しか休んでないですね。すごいよね、俺(笑)。これで1年続いたら、1つ階段があがったなって。痩せたいからとか、体力作りになるからとかそんな目的があってもいいんだけど、この歳で1つ続けられることがあったらいいなって。ちょっとしたことだけども、自分に自信を持たせることって大事だと思うから。

――なるほど、継続の効果は出ましたか。

僕は五十肩で、腰痛で、ひざ痛で…といった感じなんだけど、最近五十肩は治ってきましたね。公演をする身として一番気をつけたいのはケガ。この歳になるとケガすると体の戻りが悪いしね。それにさ、健康じゃないと朝起きてもその日1日が面白くない。絶対に良い発想も浮かばないし、前向きな気持ちにもならないし、道歩いててもなんかダメだよね。背中が落ちちゃってさ。スタバの美味しいコーヒーを飲んでも全然面白くないんですよ。でもホットヨガを続けていることでそういうことが少なくなってきたと思いますよ。

 

――ほかのコンボイメンバーのみなさんもそれぞれ、ねずみさんのような努力を重ねていらっしゃるのでしょうか?

具体的に何をしているのかは把握してないですけど、それぞれが醸し出していますね。余計にやってきているヤツはより分かりますし。腹筋とか見ればね。お互いライバルでもありますから気にします(笑)。毎回稽古場での作業は大変なんだけど、いやな思い出じゃなく、いい思い出になればいいんです、コンボイのメンバーでやっていると、いい思い出に変える力はあるなと思う。「こいつ年取ったなって」向こうもそう思ってるかもしれないけど、笑えるんだよね。「ああこいつらとやってきてよかったな」って笑える。そんなことなかなかないですからね。そういうメンバーがいるだけでも超シアワセなことだよね。

――では最後に、改めてメッセージをお願いします!

コンボウショウを観たことある人たちには、「コンボウショウがあるよ。今のコンボイショウ観に来た方がいいよ!みんな歳とったけど、見る価値あるよ!」
観たことない人たちには、「日本にも結構変わった、イキのいい面白いオジサン集団がいるよ、観においでよ!」かな。あの北野たけしさんが「死ぬまでに一度は観た方がいいよ」って言ってくれましたから、ぜひいらしてほしいですね(笑)。もしお口に合わなかったら、文句はたけしさんにお願いします。

 

<公演データ>
THE CONVOY SHOW vol.31『1960』

作・構成・演出:今村ねずみ
出演:瀬下尚人 石坂勇 舘形比呂一 黒須洋壬 トクナガクニハル / 今村ねずみ

チケット料金:¥9,000(前売・当日共/全席指定・税込)
※未就学児童入場不可

★東京公演
2016年4月6日(水)〜17日(日)
天王洲 銀河劇場

★大阪公演
2016年5月12日(木)〜14日(土)
森ノ宮ピロティホール

★名古屋公演
2016年5月18日(水)〜19日(木)
アートピアホール

★新潟公演
2016年5月25日(水)
りゅーとぴあ・劇場

★札幌公演
2016年5月27日(金)
札幌市教育文化会館 大ホール

★福岡公演
2016年6月3日(金)
ももちパレス


今村ねずみ●いまむら・ねずみ
「THE CONVOY SHOW」の主宰者。 劇団「夢の遊眠社」の門を叩いたのち、1986年、「THE CONVOY SHOW」をスタートさせる。以来、「THE CONVOY SHOW」における作・構成・演出の全てを手掛け出演。ノンストップ・エンタテインメント・ショウ「THE CONVOY SHOW」というジャンルに20年間挑み、活動の場を劇場にとどめず、ホテル、ホール、日本武道館にまで拡げ、全国公演で10万人を動員。1999年には前年グランドプリンスホテル赤坂(クリスタルパレス)にて、THE CONVOY SHOW Vol.16「帰ってきたパ+ピ+プ+ペ+ポ~」1ケ月公演を大成功に収め、国内初の試みである「ホテルを劇場」に変え、演劇界に新たなムーブメントを巻き起こし、本物のエンタテインメントを追及する期待の演劇人ということに対し、日本映画テレビプロデューサー協会主催、第12回「ザ・ヒットメーカー‘99」演劇部門を受賞。また、2006年には単身韓国に渡り、韓国人キャスト・スタッフと共に、自身の代表作である「ATOM」韓国版を創り、絶大なる評価を得、ロングラン公演を実現した。その他、外部舞台にも多数出演。2010年「キサラギ」で演じたオダ・ユージと「THE 39 STEPS」のクラウン1の演技が認められ、第35回菊田一夫演劇賞を受賞した。

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