インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『ETERNAL CHIKAMATSU』矢崎広さん
2月29日に梅田芸術劇場にて開幕した『ETERNAL CHIKAMATSU』。デヴィッド・ルヴォーが演出する近松門左衛門ワールドに、注目が集まっている。出演する矢崎広さんに話を聞いた。
撮影/平岩亨 文/片桐ユウ スタイリング/津野真吾(impiger)
INTERVIEW & SPECIAL 2016 3/7 UPDATE
近松門左衛門の代表作「心中天網島」をベースに、現代と江戸時代が交錯する“究極の愛”の物語『ETERNAL CHIKAMATSU』。
国内外で数々の演劇賞を受賞し、日本でも多くの舞台を手掛ける名演出家・デヴィッド・ルヴォーのオリジナルアイディアに基づき、作家・谷賢一が描く“新・近松門左衛門ワールド”に、深津絵里、中村七之助の二人を始めとする、そうそうたる顔ぶれがキャスティングされた。
その中でも注目なのが「自分がこのキャストの中に入っていることに対して、僕自身驚いています」と語る矢崎広。
ルヴォー氏とは、2014年6月の日生劇場にて開催された公開ワークショップで顔合わせ済み。
「またルヴォーさんとやりたい、という思いはありつつも、その機会は10年ぐらい先かなと思っていたので、出演が決まった時には慌てる気持ちが大きかったです。でも、こうして出演出来ることになった以上、素晴らしいキャストの方々に負けないような自分でいたいなと思います」
ミュージカル『タイタニック』(2015年3-4月/Bunkamura シアターコクーン)や『嵐が丘』(2015年5月/日生劇場)などで大作タイトルに加わり、座長を務めた『黒いハンカチーフ』(2015年10月/新国立劇場中ホール)ではベテラン俳優と競演。着実に実力とキャリアを積み重ねている矢崎だが、自身は決して満足していない。
「芝居力をもっと付けていかなければと思っています。三十歳になったら『俳優』なので。いつまでも若手俳優ではいられない。昔は「勉強させていただきます!」だったんですけど、今は自分で自分をちゃんとプロデュースしていかなければと思います。ちゃんと台本を読み込んで埋めて、それをルヴォーさんに見ていただくことで、また何か新しいことに気付きたい。今までより自分がやって、新たな何かを得たいですね」
矢崎広の挑戦は続く。
『ETERNAL CHIKAMATSU』中島歩さんのインタビューはこちら
【公演概要】
舞台『ETERNAL CHIKAMATSU —近松門左衛門「心中天網島」より—』
作:谷賢一
演出:デヴィッド・ルヴォー
出演:深津絵里 中村七之助/伊藤歩/中島歩 入野自由 矢崎広 澤村國久 山岡弘彦 朝山知彦 宮菜穂子 森川由樹 /中嶋しゅう/音尾琢真
◆大阪公演
場所:梅田芸術劇場シアタードラマシティ
日程:2016年2月29日(月)〜3月6日(日)
◆東京公演
場所:Bunkamuraシアターコクーン
日程:2016年3月10日(木)〜3月27日(日)
◎追加公演決定!3月20日(日)18:30公演
公式サイトhttp://www.umegei.com/schedule/514/
【ストーリー】
ほんのちょっと、15分だけの恋のはずだった。
止むに止まれぬ事情から、売春婦になったハル。割り切って始めた商売だが、 足繁く通うジロウ(妻子持ち・現在失業中)と命懸けの恋に落ちる。周囲の反対を押し切ってこの恋を全うすることが出来ないと諦め、ハルはジロウに愛想尽かしをしたふりをして心ならずもジロウと別れる。自暴自棄になって街をさまよっていたハルは、かつて遊女の涙で溢れたという蜆川(曽根崎川)のあった場所で、ハルと同じ境遇にある、妻も子供もいる紙屋治兵衛と命懸けの恋をしている遊女小春と出会い、近松門左衛門の江戸の世界、古い古い恋の物語に引きこまれていく。
衣裳協力/ジャケット¥174,000/TOM REBL(志風音 ☎03-6666-4321)、ニット¥6,800/WHO’S WHO gallery(☎03-5919-4002)※税別