連載

第6回 清水宏さん

第6回ゲスト『清水宏のオレ哲学』第4週

タレントで、舞台・役者・声優・ミュージシャン・プロデューサーとしてマルチに活躍の川本成(あさりど)さんがホストとなって、エンタメ業界のみなさまに聞く、「オレの哲学とは?」。
連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。第6回目のゲスト、役者・コメディアン・演出家の清水宏さんの最終回、最後まで破天荒ぶりが爆発!?(撮影/熊谷仁男 構成・文/中村恵美)

COLUMN 2013 4/10 UPDATE

川本:今は一緒に演劇をやっていますけど、最初の出会いはアニメだったんですよね。

清水:アニメの現場でも、オレ面倒臭かったろうね。考えてみると。

川本:そうですか?

清水:ちょっとあったよね、やっぱり。勝手に台詞にないようなネタ考えてきたり、語尾を特徴的な感じにしたりね。「なんとかだに~、そうだに~」って。そしたら監督が、「『に~』じゃねーよ!!」って思ってたらしくてね(笑)。

川本:(笑)。

清水:当然「に~」をはずされるでしょ。そうするとオレが例のごとく、「ちょっとすみません、『に~』はどうしてだめなんでしょうか?」とか言い出しちゃうわけ。そんなようなことがちょこちょこっと。

川本:そんなことがありましたか。オレの中の記憶では、清水さんは、全くキャラクターの口が動いてないところでも、ずっと喋ってた(笑)。でも、それがOKになっちゃう。すごい人だなーと。

清水:うん。すごいよ、オレは(笑)。

川本:昔の、例えば『モンティ・パイソン』なんかのアフレコもそうじゃないですか?

清水:広川太一郎さんとかね。

川本:まず口と合ってないのは気にしないし、全く原作で言ってないことも喋ってる。「おーっととと、横になっちゃったりなんかして~」「いいんでないかい?」とかね。なんとなく勢いとゴロで話してるでしょ。

清水:そうそう。全然原作では言ってない、アドリブ的だよ。

川本:オレの場合、アフレコは、なんか形でやっちゃうんですよ。だから平均点になっちゃうっていうか。

清水:成ちゃんは、形にはめていくのがうまいよね。でも、アニメだと7割くらいの力でやらないと通らないよ(笑)。オレ、全力でやって全カットだったこともあるもん。

川本:それは……(笑)。

清水:120パーセントでやると、ダメ。演出の三ツ矢(雄二)さんも、だんだんもう、全力のオレを相手にするのが大変だから、後半になると「OKでーす、いただきましたー」と言って、全カットになっちゃってたもん。

川本:(笑)。その時に、一緒に飲みに行かせていただいてました。

清水:それで何年か経って、成ちゃんがある芝居を観に来てくれた。次の日にいきなり「一緒にお芝居やりましょう」って、オファーくれてね。……「ハヤテの成ちゃん」だよね。

川本:ハヤテの成ちゃん(笑)。

清水:いきなりオファーしないよね、プロなら(笑)。ちゃんと効果を考えてから依頼するでしょ、普通。

川本:間違ってなかったですよ。清水さんは、僕のやってる時速246億での芝居に、ものすごいターニングポイントを与えてくれた人だし。一緒にやった初めての先輩ですよ。

清水:ほんとぉ?

川本:同世代とやるのもいいんですが、オムニバスの芝居じゃなくて、1本ものを初めてやったときに、刺激というか、「いい意味で混ざらない人」がいてほしかった。それが清水さん。清水さんが入ってくれることによって、若い有象無象がね、どんな影響を受けるんだろうと。

清水:うんうん。

川本:それまで、僕は清水さんのことを存じ上げてたけど、アニメしか一緒にやったこともなかったし。2年か3年前だったら、怖くてオファーできなかったと思う。

清水:怖くて? まぁそれまでの様子を見てれば、ぶつかってしまうとか考えるよね。

川本:そうですね。

清水:でも、オレもオファーを受けたとき、

一緒にやってくれる人の大切さがわかってきたところだった

んだよね。

川本:前は尖ってたんですか?

清水:尖ってたというか、普通にいろんな人と関わっていくと面白いことあるんだなということを、楽しめるように感じ始めてたんだよね。いい時期に声かけてくれた。いい作品を見てくれたというか、そういう時期の作品を見てくれたから、オファーが来たんだと思うし。その前だったら、オレ自身スルーしてたと思う。

川本:ちょうどいい時だったんだ。

清水:きっと、成ちゃんも、「ああ、清水さん、若い子と楽しそうにやってるな」って見えたから声かけてくれたんだと思うし。

川本:森山直太朗さんの舞台なんかもやってますもんね。

清水:それも、そういう状態になったから、一緒にやりたいなって思ってくれた人が出てきて、やれたんだろうね。いい感じに変化したオレのことを見てくれて、「この人とやってみたいな」と思ってくれたから、オファーしてくれたんじゃないかな。そうじゃないと一緒に仕事したいなんて思わないでしょ。ちょうどいい時期だった。これも、2、3年前じゃダメだったと思うよ。

川本:タイミングですね。

清水:やっぱりそれまでは、ちょっとスケジュール空いてたもん。現実に、迷走してたし。陽が当たったような、風通しのいい状態になってきた時に、声がかかったんだ。ちょうどよかった。

川本:オレが清水さんの歳の時には、やっぱり、こういう風になりたいと思いますからね。

清水:そりゃそう言うよね、若い世代は(笑)。

川本:そのパワーはどこから来るんですか? 楽しさですか?

清水:そうですね。やりたいことをやれるようになってきたし、そうなるとすごくやる気が起きる。今は……、

やる気満々ですね~!

 

川本:円熟してきてますからね。

清水:うーん、どちらかといえば、

3年生ぐらいですよ、感覚的には。

まぁ、何の3年生かはわかりませんけど(笑)。

川本:適当すぎでしょ(笑)。

清水:円熟っていうよりはね、そうだなぁ……確かにスキルはできてきたと思うんだよね、同時に、ある意味、以前に比べて、よりバカに見えてると思う。やりたかったことが出来るようになってきたから。エグみみたいなものが取れた、あきれる感じのバカ。「あ~あ、しょうがねぇな~、バカなんだから」ってね。そんな感じになれてきたかな。

川本:真打っぽい円熟さもあるけど、第一試合の青コーナーでパワー全開でガンガンいってるっていう感じもありますもんね。

清水:ウワーって一人で向かってく。なんだかわかんないけど、そういうのが好き!

川本:永源みたいになってきた(笑)。

清水

永源の呼吸を盗みながら、星野勘太郎のように。

 

川本:そうですね! ……って、誰もわかんないですよ! このプロレスネタ。

清水:プロレスに対する

山本小鉄のような愛情と、星野勘太郎のパンチ力と髪型ね!

 

川本:付いてきてないですよ、見てる人は(笑)。でも、今、楽しいですね~。

清水:もう止まらないですねー、今日はここで飲み明かしますか!

(清水宏さんの「オレ哲学」は今回で最終回です。次回のゲストをお楽しみに!)

 

ゲスト・プロフィール 清水宏(しみず・ひろし)
愛知県出身。俳優であり、演出家であり、声優であり、コメディアン。本人曰く、演劇出身のテンション爆発芸人。早稲田大学演劇研究会を母体とした劇団「山の手事情社」出身。退団後、石井光三オフィス所属を経て現在はフリー。舞台、ラジオ、テレビなど、幅広いジャンルで活躍中。2011年、2012年連続でイギリスのエジンバラ・フリンジ・フェスティバルに参加。〈2011年4ツ星を獲得〉

ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ「絶滅寸前男子」、へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』(2012年4月~)他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』他、また自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。

 

 

★お知らせ★その1
清水宏さん、川本成さん出演舞台のお知らせです!
時速246億「No.721」再演
日程:東京7月2日(火)~9日(火)/名古屋7月13日(土)~14日(日)
劇場:東京・赤坂レッドシアター/名古屋・テレピアホール
作・演出:御笠ノ忠次
出演:飯野雅彦、海老澤健次、郷本直也、清水宏、DAIZO、豊永利行(SET)、藤原祐規、宮下雄也(RUN&GUN)※50音順/川本成
時速246億オフィシャルサイトhttp://www.jisoku246.com/

その他、清水宏さん出演情報は、オフィシャルブログをご覧下さい!http://ameblo.jp/hiroshimizuflamingcomedy/

★お知らせ★その2
川本成さん出演舞台のお知らせです!
WBB vol.4「川崎ガリバー」
日程:4月20日(土)~4月28日(日)
劇場:青山円形劇場
演出:佐野瑞樹
作:佐野大樹
出演:佐野大樹/佐藤永典・根本正勝/加藤学・小野友広・千田聖也/川本成(時速246億)・河野まさと(劇団☆新感線)他
料金:前売・当日共 ¥5,000(全席指定・税込)
チケット:イープラス・チケットぴあ・ローソンチケットにて発売中
詳しい情報はWBBオフィシャルサイトをご覧下さい。http://www.w-b-bros.jp/

★お知らせ★その3
川本成さん出演舞台のお知らせです!
男子はだまってなさいよ!⑨「聖バカコント」
日程:6月6日(木)~6月16日(日)
劇場:下北沢・本多劇場
作・演出:細川徹
出演:荒川良々・皆川猿時・ラバーガール・シソンヌ・川本成・大堀こういち
詳しい情報は男子はだまってなさいよ!オフィシャルサイトをご覧下さい。
http://www.dansiwa.com/

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