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連載

川本成の「オレ哲学」

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第15回ゲスト「丸尾丸一郎のオレ哲学」第3週

 _DSC3216_サイズ変更連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。15回目のゲストは、「劇団鹿殺し」代表の丸尾丸一郎さんです。最後となる今回は、丸尾さんから川本さんへの逆質問も飛び出して…!?

COLUMN  2017 5/29 UPDATE

丸尾:あの、僕1つ聞きたいんですけど、1人芝居、もうすぐ3本目をやるじゃないですか。 あれってどういう気持ちなんですか? 僕から1人芝居っていうのは出てこないから。

川本:さっき言ってたことと同じで、今自分が生きてきていろいろやってきたとすると、割と普通に小器用にできるようになっちゃってることがあるとするじゃない? そしたらそれは、もうその筋力は勝手に付いていくから筋トレする必要性がないけど、その筋力にだけ頼って生きていく人になりたくないというか。だから今一番生理的に嫌なことはなんだろうと思ったわけ、40になる前に。一番僕が生理的に嫌なこと、つまり避けてきたこと、自分が意識してるくせにやりたくないと思ってきたことってなんだろうって思ったら“1人”だなと思って。

_DSC3058_サイズ変更丸尾:うーん。

川本:それはいままでコンビでやってきたし、どこか人のふんどしで相撲をすぐ取ろうとするし、人が作った飯を食って美味いって言いたいし、隙あらば人が稼いだ金で食っていきたいと思うぐらい。

丸尾:逃げ場がない所に追い込みたかった?

川本:生理的に避けてたきたことって、興味があって、頭の隅にあるようなことよ。頭の隅にないことは興味もないってことだから。頭の隅にあるくせにやってなかったことってなんだろうって思ったら“1人”だなーと思って。

丸尾:うーーん。

川本:そしたらやらないと、気になってるくせにオレは逃げてるって気持ちになるから。実際ずっと逃げてきたから、1人でやることから。

丸尾:それやってみてどうだったんですか? でもまあ実際3回続けてるってことは、意外なものが見つかったってこと?

_DSC3090_サイズ変更川本:これがね、やっぱり景色が変わるのよ。自分が変わると景色が変わる。たとえば、オレ少しだけボクシングやってた時があるんだけど、ボクシングって怖いじゃん、よくリングにあがるなーって思うじゃん。叩かれるし、人前で。で、オレ「ボクシングやらないか?」って言われて、えーーーってなったんだけど、1回行ってみるか、と思って行ってみたの。で、1ヶ月位行ってみたらスパークリングやってみないかって言われるわけ。嫌だ、やらないやらないって断ったけど、でも結局スパーリングをやらされて。怖かったんだけど、実際目の前に相手がいて、打たれたら、くそーと思って。でもこっちが打っても上手いから避けられるわけよ。すごい腹立って蹴ってやろうかと思ったけど(笑)。で、3分経って、なるほどなーと思ったの。怖さよりも、打たなきゃ打たれるっていう感情の方が出たの。怖いのは、始まる前までなのよ。リングに上がったら、すぐ打たれちゃうから怖いって考えすらなくて、もう必死にやるよね。だから物事って大概は、やる前が一番怖い。それは憶測や妄想ばっかりで怖がってるから、経験してみないと…。経験して怖ければやめるだろうなと。それで、実際1人でやったら、やる前は怖かったけどやってみたら、あら、なんだろう、1人じゃないなって思ったの。1人でやってるのに。あ、お客さんがツッコミになってくれるじゃん、と思って。お客さんが共演者という感じになっていった。

丸尾:なるほどね。1人芝居をやってから、その先というか、他に自分を追い込んでいく方法はあるんですか? これをやってみたいとか。

川本:例えば1人芝居だと自分で用意ができるじゃない? ある程度の脚本や照明とか、打合せして稽古ができるじゃん。でも今度やるスタンダップコメディ(5/4に上演)なんかは、もう少し自分だけでやるって感じだから。30分のフリートーク。

丸尾:清水宏さんとやってるやつですよね?

川本:そうそう、30分のフリートークを2回やるんだけど。で、清水さんという強い敵とやるっていう。

_DSC3011_サイズ変更丸尾:清水さんのトークを見てると、うまく倍々に増やしていくところあるじゃないですか。ちょっと笑いが起こったところから、どんどんどんどん広げていくというか。ああいう力ってすごいですよね。

川本:あれも経験してみると、ある程度、話のネタを用意するとするじゃん。で、今度は人前に立つと、全然違うことを話し始めたりする自分がいるのよ。

丸尾:用意してたのに(笑)。

川本:ちょっと用意してたやつをやめてみようかな、みたいなことが起きていって、どこまでも勇気を試せる感じ。だって忘れたら戻ればいいからな、とか。それで30分話しきったりする。

丸尾:そうかそうか。

川本:前も話すネタを2つか3つで悩んでたの。で、これを話そうって思ってステージに出たら、やめたって思って違うほうを話ししたり、話すはずじゃなったあんまりネタを詰めてないやつを話したり。

丸尾:あれって不思議なもんで、僕もライブのMCをやる時に、ノートに書くときもあれば、頭の中で設計図だけを立てる時もあるんですけど、書いてやった時は全く面白く喋れないことありますよね。

川本:そうなんだよね。例えば前の日に、明日丸尾くんと芝居でこういう風に絡んでみようと、自分でこういう言い方でとか用意してやると大体失敗するよね。

丸尾:そうですね。

川本:なんでかって言うと相手がいるからなんだよね。

丸尾:うん。

_DSC3071_サイズ変更川本:相手が違う出方してくるかもしれないのに、自分で用意したものをやるとダメなはずなんだよ。ホントはオレ、全然好きじゃないのよ、人前で喋るのが。

丸尾:ホントですか!? ここにいる全員が嘘つけ!って顔してますよ。

川本:ホントは、誰かが用意してくれたものを気持ちよくやってキャーキャー言われたいんですよ。でもそうもいかないから自分でやるしかないんですよ。話題だけは作ってないとな、と思って。で、それすら話してしまおうと思って、「実際嫌なんですよ」って言うと笑いがおきるという。

丸尾:話変わるんですけど、役者の魅力って僕すごい最近悩んでて、例えば上手い、下手ってあるじゃないですか。器用、不器用とか。でもそれって本質じゃないじゃないですか。別に不器用だから魅力的じゃないわけでもないし、下手でも魅力的な人はいるし、だから劇団員と稽古してて、ある程度ごまかしのことは言えるんですよ。こうしたら上手くなれる、こうしたらこういう風に見えるから、っていうことを言うことはできるんですけど、本当に魅力的なものになっていくかどうかっていうのは、僕の中でもこうすればいいっていう答えがない んですよね。それは自分で気づくべきことなのかもしれないし、誰もが答えがないからずっと探してるようなものなのかもしれないし。たまに共演者でも、こいつなんか見ちゃうなっていうっていう人いるじゃないですか。

川本:いるいる。これはオレの持論になっちゃうんだけど、嘘じゃないかどうかってことだと思うんだよね。例えば、おもしろそうな先生やってみてって言ってやるとするでしょ。でも、同じことをやっても題材がいる人は強いのよ。全くもって想像の範囲内でやってる人は嘘なのよ、少し。そこによってにじみ出るものが大きく変わるなって思ってて、おもしろいけどグッとこないっていう人いるでしょ? それは想像の範囲でやってる人なのよ。

丸尾:なるほどなるほど。

_DSC3109_サイズ変更川本:おもしろくはないけど、なんかグッとくるなって人は、実は具体的なやつがあるの。

丸尾:同じような話なんですけど、少し自信てのもあるじゃないですか。自信がありすぎる人が良くなく見えることがあって、自信がないあやふやなところの人の方が魅力的っていうか。だから役者って表面のものじゃなくて…。

川本:そうだね、やっぱその人自身がにじみ出るっていうのがね。代わりがきかないってのがいいじゃん。君じゃなきゃダメなんだって言われたくて生きてる気がして。役者もこの人じゃないとやっぱりダメだよね、っていうのがプロっていうことだと思うね。

丸尾:いろんな役になる時に、毎回丸尾じゃ面白くないじゃないですか。毎回同じ人格が出てきてっていうのも。かと言って、憑依型というか全くの別人になることもできないし。で、前にCoccoさんと舞台やった時に、Coccoさんが違う服を着る、っていう言い方をしてて、その表現がすごいスッと入ってきて、自分が八百屋を演じるんだったら八百屋の服を着てみるっていうね。

川本:なるほどねー。そういう楽しみ方いいかもね。

丸尾:それってすごく腑に落ちる感覚であったり、考え方だなーと思って。

川本:それ、でもずっと続けていくことで、自分の中の発見てのが出てくるの?

丸尾:そうですね、続けることで出てくるし、これだ!って思ってた答えに向かって、例えば昔だったらこれがおもしろい舞台だ、これがエンターテイメントだ、ってそこにいってみて、あ、違ったってなって、壁が溶けていくような感覚でしたね。一生、これだ!って思うところは見つからないんだろうなとは思う けど…。

川本:さっき、台本を見ると当時文章が稚拙だったなって思うって言ってたじゃん。それは自分が変化してるからなんだよね。

丸尾:うん、そうですね。

_DSC3077_サイズ変更川本:例えば「なごり雪」を聴いてるとね、昔思った感想と、今子どもが生まれて聴く感想と違うのよ。

丸尾:へー。

川本:なんか、あーこの歌ってこういう歌だったのか、って思ったり。でも、歌は変わってないんだよ。だけど、自分がいろんな変化をしてきたことによって変わる。映画もそうで、今見るとこういう映画だったんだって思った、みたいなことで。だからいいんじゃないですか、こういう作品に今向き合うってことは。ちょこちょこ5年ごと位にやるってのはいいかもね、今の感覚で。

丸尾:当時しかないものもあるじゃないですか。今の自分じゃ恥ずかしくてあんなこと書けないけど、当時はきっと切羽詰まって書いてるわけだし。だからこそ真に迫る言葉が残ってたりもするし。

川本:そうだよね、その時に書いた言葉とか情熱を大事にしつつ、今の感覚で今度はどう料理できるか勝負だよね。

 (第15回おしまい。次回のゲストをお楽しみに)

 

 

 ゲストプロフィール 丸尾丸一郎(まるお・まるいちろう) 
座長 菜月チョビとともに劇団鹿殺しを旗揚げ。作家、演出家、俳優。家族や仲間・夢と現実といった普遍的なテーマを、生身の自分から出た等身大の言葉と叙情的な歌詞を用いて、独特の世界観で描き出す。代表作である「スーパースター」は 第 55 回岸田國士戯曲賞最終候補に選出。役者として、PARCO presents「カフカの『変身』」(主演:森山未來)、映画「モテキ」(大根仁監督/主演 森山未来)、舞台「リンダリンダ」(作・演出 鴻上尚史/主演:松岡充)等に出演。2015年には「残酷歌劇-ライチ☆光クラブ」で脚本を担当する。作・演出として、舞台「ジルゼの事情」(2014年 主演/Cocco)、NHKラジオ「劇ラヂ!ライブ」、映画「ピースオブケイク」(田口トモロヲ監督)劇中劇を手がけ、さらに砂岡事務所プロデュース「絵本合法衢」、乃木坂46主演舞台「墓場、女子高生」で演出をつとめるなど、ジャンルを超えた作品作りに定評がある。


ホストプロフィール 川本 成(かわもと・なる) 
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ『ナルウザクスダの!』、『おしゃべり会戦車部』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『男子はだまってなさいよ!聖バカコント』、『ブルドッキングヘッドロック おい、キミ失格!』、『月刊「根本宗子」忍者、女子高生(仮)』他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。2016年に細川徹(男子はだまってなさいよ!主宰)を作・演出に迎え上演したSFコメディ「バック・トゥ・ザ・ホーム」の再演&続編を2018年秋に同時上演することが発表され話題を呼んでいる。趣味の分野では映画好きで、大の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ファン。この作品を語らせたら右に出る者はいない、と本人が自負している。(あくまでも本人が)

 

 

★丸尾丸一郎さん、川本 成さん お知らせ★
<舞台>
劇団鹿殺し電車二部作同時上演「電車は血で走る」「無休電車」
<東京公演>2017年6月2日(金)~18日(日)本多劇場
<大阪公演>2017年6月23日(金)~25日(日)サンケイホールブリーゼ
http://shika564.com/densha-w/


★丸尾丸一郎さん お知らせ★
<舞台>(脚本)
應典院舞台芸術大祭 space×drama ○(わ) 「レクイエム」
満月動物園 (2004年優秀劇団)×脚本:丸尾丸一郎(劇団鹿殺し[2003年優秀劇団])
2017年6月9日(金)〜11日(日) @シアトリカル應典院

<舞台>(脚本・演出)
OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.M「不届者」
作・演出:丸尾丸一郎
主演:松岡充
2017年 秋上演決定

★川本 成さん お知らせ★
<舞台>
時速246億 川本成ソロ公演「独走」
2017年9月6日(水)~10日(日)@劇場MOMO
http://www.jisoku246.com/

<テレビ>
アナログBANBAN
AT-X 初回放送 毎月第一日曜22:30~23:00
https://www.at-x.com/program/detail/7978

<ラジオ>
ナルウザクスダの!
インターネットラジオステーション音泉 毎週月曜配信
http://www.onsen.ag/

おしゃべり会 戦車部
インターネット放送局 ケーズステーション 不定期配信
http://www.kzstation.com/

blog「Naru’s blog’n boy」 http://ameblo.jp/kawamotonaru/
twitter @Runarurunaru

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