連載
第11回ゲスト「豊永利行のオレ哲学」第1週
連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。11回目のゲストは、俳優であり、声優であり、歌手でもある豊永利行さん! しかも芸暦なんと20年! 成さんとの共通点があるという豊永さんことトッシーの哲学とは!?
COLUMN 2015 1/30 UPDATE
川本:トッシーはなんでもやってるよね。俳優、声優、ミュージシャン・・・。
豊永:結果論ですよ。飽き性なんですよね。だからいろいろやっているんですね。
川本:いないよね、そういうやり方でやってる人。
豊永:いないからこそ、このポジションでやっていこうと思って。
川本:子役だったんだよね? いくつからやってるの?
豊永:僕は10歳からやってますね。
川本:10歳! 芸暦何年ですか?
豊永:20年です。
川本:わはははっ。
豊永:去年20周年を迎えました。
川本:それはどうもおめでとうございます!
豊永:ありがとうございます(笑)。
川本:もともとは役者からなの?
豊永:もともとは10歳から舞台役者。CMソングとか歌ってましたよ。「大森屋のふりかけ」とか「青雲」とか。
川本:「青雲」歌ってたの!? うそでしょ!!
豊永:歌ってましたよ。小椋桂さんの後ろで歌ってたちびっこでした。
川本:さすが芸暦20年、大ベテラン!! 今おいくつでらっしゃる?
豊永:30歳になったところです。
川本:芸暦20年でまだ30歳なんだよね。
豊永:成さんと10歳ちがうんですよね。
川本:そうそう。トッシーと俺と小野坂(昌也)さんは、全部10こずつ違う。そう言ってたよね。
豊永:小野坂さんが、「お前、あと20年後には俺みたいになるんだ」と、なぜか嬉しそうに言ってました(笑)。
川本:『テニプリ』が出会いなわけだよね。
豊永:あのときで18、19ぐらいだったかな。
川本:そうなの!? そっかー、もう結構たつもんな。トッシー年齢不詳だから!
豊永:(笑)。
川本:ずっとこうだから。そう考えると、随分付き合いは古いよね。
豊永:あのころは「あ、川本成さんだ! 知ってる~!」っていうミーハー心がありましたよ。
川本:そうなの? でも変わんないよね、全然。
豊永:成さんも変わんないですよね。
川本:そうだけどさ(笑)。でも、ホント、いくとこいくとこトッシーがいる。器用な人だなぁと思うけど、それよりも感じるのが、「おかしな人」ですよね。
豊永:そうですね。どこかネジが1本とんじゃってるというか(笑)。
川本:器用ですねって言われることは多かった?
豊永:はい。
川本:それについては、どう思ってたの?
豊永:個人的には嫌でしたね。芸能の中の評価として、S、A、B、C、Dっていうようにランクわけすると、たとえば、すごい人って特化してると思うんです。演技がすごいなら、演技のランクはSランク。でもほかの技術的な部分はCランクだったり。そういう人は強いなって思うんです。
川本:うんうん。
豊永:でも、僕の場合は、器用って評価は、AとかBとかばかりになる。それは果たしていいことなんだろうか、と。良く言えばなんでもできるけど、悪くいうと特化していない。何かがない。だから、どれでもSを狙うところにいこうと思って頑張っているところです。
川本:でも、歳とか経験を重ねていくうちに培ってきたものはあるでしょ。
豊永:そうですね。でも、それが果たして自分の中に、どんなふうに残っているのかはわからない。いい方向に転がればいいなとは思ってるんですけど。
川本:一緒に何回も共演したことがあるし、246億に出てくれたときにも、トッシーは絡みやすいし、周りからしたらそのままで何の問題もないわけですよ。なのに、トッシーには客席にダイブしようとする気持ちがずっとある。
豊永:あはははは!
川本:どこかに『はみ出したい』っていう気持ちがあるのかな。
豊永:そうですね。その結果、ケガしようがなんだろうが構わない。ヤケド上等!!みたいなところがありますね。
川本:それは「器用からの脱出」みたいなところがあるから?
豊永:うーん、そうですね。・・・成さんからいただいた言葉が、結構、俺の根本にあるんだと思います。
川本:この間、そのことツイッターでもつぶやいてたでしょ? 誰かから、「トッシーさんがこんなこと言ってました」ってまわってきたよ。
豊永:まわってきました? 成さんの“「笑い」「芝居」「表現」に対する持論についてつぶやいたんですよ。
川本:すっげー、俺、偉そうじゃん。
豊永:実際、成さんはエライですもん。
川本:いやいやいや。勘弁してください。
豊永:すごい尊敬してるんですよ、俺。
川本:今日来てくれてよかったよ(笑)、褒められてるな、俺。
豊永:このあとご飯をご馳走してもらえば(笑)。
川本:なんでもおごっちゃうよ。
豊永:ありがとうございます(笑)。でも、本当、笑いにしても、「誰も傷つかない笑い」だったりとか、「表現に対して保守的にならない」とか、頭の回転の速さだったりとかが、納得できるなぁ尊敬できるなぁと常々思ってるんです。あと、イベントなんかに参加させていただいていて、成さんの対応ぶりをみていると、おこがましいんですけど、なんとなく俺と似ているなって感じるんです。
川本:そうそう。今の話を聞いてるとね、若いころの俺、似てるかも。今も若いけどね。
豊永:そこ別に突っ込みませんよ(笑)。
川本:まぁ、それはいいとして、俺もトッシーほどじゃないけど、小器用だねえ、なんて言われたことがあって、それが嫌でしたねえ、やっぱり。
豊永:やっぱり、そうですか。
川本:そうそう。無駄に尖ってたよ。はみ出たいって感じで、無茶したいっていうのは俺もわかる。
豊永:ですよね。
川本:そういえば、トッシーは稽古中でも決しておんなじことしないよね。稽古中も本番なんだよね。
豊永:そうですね。
川本:芝居の中でズボンを下げるところがあって、稽古でやった時に全部下げちゃったことあったでしょ!?
豊永:下半身モロ出しちゃいましたね(笑)。
川本:あれはビックリした! つーか爆笑したよね。トッシーはすごいな、と。
豊永:しかもまさか俺が、というところもありますから。
川本:稽古中も負けたくないの?
豊永:僕の中で、稽古場っていうのは、自分の引き出しすべてをあけて全部提供する場所だと思ってるんですよ。本番でお客さんに出したときに、何が正解なのかわからないから。だから稽古していることが演出家や主宰の人たちの目に止まったときに、どれが面白かったって判断してもらう。稽古場はそういう場所なのかなと。
川本:ああ。
豊永:稽古場で面白かったっていう空気になったものが、本番でこれは使えるんだろうなって。そういう方向性の決め方をしてますね。
川本:攻めるねぇ。昔から?
豊永:昔はそうじゃなかったです。与えられた台本や演出をきちっとこなすっていうことが美学だと思ってました。
川本:うん。
豊永:でも、なんだか途中で、それだとどうにもこうにも駄目な時期というのがあって。つまり、アドリブが全然きかなかったんです。
川本:それはいくつのとき?
豊永:20歳過ぎから25,26歳ぐらいのときかな?
川本:立派だね! そんな時分から気がついたんだ。
豊永:今になって思えば…なんですよ。当時は、なんだかもやもやする、楽しくない、っていう気持ちだけだったんです。
川本:ふんふん。
豊永:それで成さんの舞台に出させていただいたときに、「あ!これだ!俺の求めていたものは!」ってなったんですよ。
川本:すごい、喜んでもらえていたかな。
豊永:ものすごく楽しかったんですよ。
川本:2011年の『グレイトフルデッド』だよね。
豊永:そうです。すごく楽しくって、でも同時に、一緒舞台に立っている人に対して「悔しい」とも初めて思ったんです。ここにはこんなにすごい人が集まって、こんなに最高のものを作ってる!って。
川本:こんなに適当な人たちが!
豊永:そう(笑)。演劇の正攻法ではない道をたどってきた人たちが、紆余曲折してお花畑を自由に走り回ってゴールしているような人たちが、こんなにすごいものを作っている。それなのに、自分はどうだ?と。セオリー通りの道を普通に歩いてきたことが恥ずかしくなったんですよ。
川本:あせった?
豊永:あせりましたね。俺のしたい表現ってこういうことだったんだなって気づいたんです。みんながみんな自分のしたいことをやっている。しかも自由にやっているようでいて最終的にいきつくところは抑えた上での適当加減だから、はたして俺にそれができるんだろうかとも思いながら、当時はやっていました。
(2週目に続く)
ゲスト・プロフィール 豊永利行(とよなが・としゆき)
10歳の時に初舞台を踏み、現在は、俳優・声優・歌手・パーソナリティとして幅広く活動。現在出演中の作品は、アニメ『デュラララ!!×2 承』『東京喰種』『アイカツ!』WEBラジオ『デュララジ!!×2』『グルラジ』『B-GENERATION』その他、ゲームやキャラクターCD(歌唱/ドラマ)など多数出演中。自身の音楽制作活動として、2013年9月~2014年月まで毎月ライブ「豊永屋」を開催。
2014.4.30にインディーズでアルバム「MUSIC OF THE ENTERTAINMENT」(全13曲中12曲が作詞作曲。他1曲は作詞のみ。)をリリース。
その後、2014.12.17にメジャーデビューシングル「Reason…」(PS Vita「デュラララ!!Relay」主題歌)をリリース。
ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ『ナルウザクスダの!』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』、『男子はだまってなさいよ!聖バカコント』他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。趣味の分野では映画好きで、大の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ファン。この作品を語らせたら右に出る者はいない、と本人が自負している。(あくまでも本人が)
★お知らせ その1★
豊永利行さん、川本成さん出演イベントのお知らせです!
ナルウザクスダRock on!~夜の部★ナルウザクスダの!公開収録Vol.9~
日時:2月1日(日)18:00開場/18:30開演
会場:阿佐ヶ谷ロフトA
出演:川本成、UZA、楠田敏之
ゲスト:豊永利行
チケット:前売・当日共2,100円(全席自由・整理番号付き・税込)*別途飲食代必要
ローソンチケット<Lコード36434>にて発売中
★お知らせ その2★
豊永利行さん出演イベントのお知らせです!
1/31(土)「東京喰種×ナゾメイト」@アニメイト池袋本店
http://www.nazomate.com/tokyoghoul/
2/8(日)B-GENERATION「Bらいぶ♪」@阿佐ヶ谷ロフトA
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/30307
2/9(月)rejet新作発表2015「スノーヴァージンロード」@ニコファーレ
http://rejetweb.jp/event/svr2015/
2/28(土)豊永利行メジャーデビューシングル「Reason…」発売記念イベント
トーク&ミニライブ
http://www.toyonaga.info/
※イベント参加券は全て配布終了。
3/14(土)「ツキプロフェスタin 推しなモノ」@アニメイト横浜
http://www.tsukino-pro.com/news
3/15(日)「電撃文庫 春の祭典2015 de デュラララジカル!!」@秋葉原UDX
http://dengekionline.com/gdfes2015/stage/
3/21(土) Anime Japan2015「デュラララ!!×2 承」クライマックス直前イベント
http://www.anime-japan.jp/
★お知らせ その3★
川本成さん出演舞台のお知らせです!
遠ざかるネバーランド
日程:3月11日(水)~15日(日)
劇場:東京芸術劇場シアターウエスト
脚本・演出:ほさかよう(空想組曲)
出演:松田凌、矢田悠祐、横田美紀、二瓶拓也、小野川晶、小西成弥、小玉久仁子
川本成(時速246億)、荒木健太朗、林剛史、時東ぁみ、平田敦子、松村雄基
チケット:6,800円(税込)
1/31(土)よりイープラス、東京芸術劇場ボックスオフィスにて一般発売開始
お問合せ:る・ひまわり 03-6277-6622(平日11:00~19:00)http://le-himawari.co.jp/
★お知らせ その4★
川本成さん出演舞台のお知らせです!
パインソー10thれんぞくきかくとうきょう2015「NamuHナムー」
日程:3月18日(水)~21日(土)
劇場:下北沢シアター711
脚本:川尻恵太(SUGARBOY)
演出:山田マサル
出演:藤谷真由美、赤谷翔次郎、ツルオカ、山崎亜莉紗、白鳥雄介(NEXTAGE)、
原彩弓(おかめの三角フラスコ)、熊谷嶺(霊6)、渋木のぼる、川井“J”竜輔、
小島達子(ELEVEN NINES)他
東京公演ゲストキャスト:川本成(時速246億)
チケット:一般3,000円、当日3,500円、通し券5,000円(枚数限定・パインソーHPのみで受付)
パインソーオフィシャルサイトhttp://www.jisoku246.com/
★お知らせ その5★
川本成さん出演舞台のお知らせです!
時速246億「春の桜まつり2015」
日程:4月9日(木)~12日(日)
劇場:新宿村LIVE
構成・演出:川尻恵太(SUGARBOY)
出演:川本成 他
時速246億オフィシャルサイトhttp://www.jisoku246.com/
★お知らせ その6★
川本成さん出演舞台のお知らせです!
月刊「根本宗子」第10号『もっと超越した所へ。』
日程:5月9日(土)~17日(日)
劇場:下北沢ザ・スズナリ
作・演出:根本宗子
出演:根本宗子、梨木智香、大竹沙絵子、あやか、
川本成(時速246億)、小沢道成(虚構の劇団)、猪股和磨(ぬいぐるみハンター)、土屋シオン