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連載

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第5回ゲスト『島口哲朗のオレ哲学』第1週

タレントで、舞台・役者・声優・ミュージシャン・プロデューサーとしてマルチに活躍の川本成(あさりど)さんがホストとなって、エンタメ業界のみなさまに聞く、「オレの哲学とは?」。

連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。第5回目のゲストは、剣伎衆かむゐ主宰の島口哲朗さんです。映画「KILL BILL」の出演・殺陣振付、地球ゴージャス公演の殺陣を担当するなど、ワールドワイドに活躍するサムライ・ソードアーティストの島口さん。そのルーツは意外なところに…!?(撮影/熊谷仁男 構成・文/中村恵美)

COLUMN  2012 8/7 UPDATE

川本:島口さんっていくつでしたっけ?

島口:僕、先月42歳になりました。

川本:お兄さんだ。3つ上だ。

島口:いやいや。年が上でも、成さんはね、バランスがすごくて、一目置いてますよ。僕、アンバランスで生きてるんで。

川本:(笑)。島口さんは哲学ありそう! じゃなきゃ、この服着れないですよ、普通に。

島口:そうですね(笑)。

川本:出会いから一年ぐらいですよね。

島口:ちょうど震災の時に一緒にいましたからね。

川本:次の舞台の稽古で、用賀の稽古場で殺陣の練習なんかをやってた時だったよね。 ベルが鳴ったの覚えてますよ、ジリリリリって。

島口:直感で逃げた感じでしたね。

川本:地下にいたんで、地上に上がったら目の前の建物が、ぐにゃぐにゃ曲がっててね

島口:工事中のおじさんが上から落ちてきたり。

川本:そうそう。

島口:あのときの舞台はたぶん一生忘れないでしょうね。

川本:俺、殺陣やるのは、それが初めてだったんですよ。

島口:そうおっしゃってましたね。

川本:生涯で初めて殺陣をやるってことで、それが、『キル・ビル』も担当した剱伎衆かむゐの島口さんだってことで、「うわー、これはどうしよう」と。

島口:いやいや、僕はそんな大した者じゃないですよ。でも、最近は

殺陣っていうカテゴリーを、もう越えちゃおう

と思ってて。もちろん演劇のカテゴリーとしては、芝居の闘争表現を「殺陣」って言うんですけど、殺陣をやる人とか殺陣をやる俳優とか殺陣師とか言葉ではなくて、

サムライ・ソードアーティスト

だって名乗ってるんです。
 

川本:サムライ・ソードアーティスト!

島口:サムライ・ソードアーティストとして、一番のコンセプトは、コミュニケーション。そういう意味では、成さんは初めてだったんですけど、やっぱり凄くよかったですよね。

川本:よいかどうかは別にしても、面白かったですよ。

島口:いや、もう、単純によかったです。

川本:あ、ありがとうございます。

島口:単純によかったし、稽古中はそんなにお話はしてなかったんだけど、自分が殺陣の世界でやろうと思ったコンセプトに、成さんの感覚が合ってたんですよね。だから俺は凄くやりやすかったですよ。

川本:そもそも論ですけど、島口さんは、もともと殺陣の人なんですか?

島口:もともとは、物書きになりたかったんです。

川本:ほう! 意外! 島口:実際、剱伎衆かむゐでやる時、構成は今、全部自分で書いてます。

川本:ほうほう。

島口:もともと、自分が多感な時期に感じてたことを、いつか本にしてやろうと思って中高生の頃からいろいろ書いてたんです。それで、日大の芸術学部の物書きのコースに入った。もちろんその頃は、この世界に入るとも思ってなかったんですけどね。だから演技なんて、もちろん習ったこともない。そしたら日大の芸術学部に、殺陣同志会という、ちょっと頭おかしいクラブがあってですね(笑)。真田広之さんとかもそこの出身なんですけど。

川本:ほうほう。

島口:業界でも、そこのOBがたくさんいて、そこで殺陣に出会った。僕は、高校球児だったので、動くのは好きだったし、せっかくだから物を書くだけじゃなくて、動きながら熱いサムライみたいなものをやってみようか、と思ってたら……気付くとそれが職になっちゃった(笑)。

川本:高校球児だったんだ。もともと剣道やってました、とかじゃない?

島口:ないです、ないです。

川本:サムライ的なものとの出会いは大学だったと?

島口:はい、大学のそのクラブが出会い。まぁ、さらに紐解くと、大学一年生で日本舞踊とか歌舞伎とか剣術とか空手とか和太鼓とかを自主的にトレーニングするようになって、今の自分のベースになっていった感じです。

川本:殺陣をやって、フィットする感じってあったんですか?

島口:ぼんやりとはありましたけど、すぐドンピシャってのはなかったですね。だけど、6、7年前に取材を受けた時に、心理的なことをすごくえぐってもらったんです。そうして記憶を掘り下げていったら、僕、物心ついた頃に「死ぬ遊び」をしてたらしいんですよ。

川本:「死ぬ遊び」?

島口:「死ぬ演技をする」という遊びですね。

川本:ほう。

島口:たぶんドラマなんかを見てないと、アウトプットしないと思うんですけどね。

川本:なるほどなるほど。

島口:もちろん、死ぬことは怖かったし、でも生きるってなんだろってみたいなことを子どもながらにクソ生意気に考えてて。自分、一人っ子なんで、部屋に戻っても兄弟もいないから、一人で死ぬ遊びをしてたようです。

川本:へぇー(笑)。

島口:老衰で死んだり、水死したり、車にはねられたり、絞殺されたり、撃たれたり。

川本:(笑)。イメージでしょ。本当に車にぶつかりに行くわけじゃなくて。

島口:それじゃ、本当に死にます(笑)。

川本:妄想なんだ。

島口:妄想を一人で部屋でずーっとやってたみたいなんですよね。それが楽しいかどうかじゃなくて、死ぬということを、ただ自分で演じたがってたらしいんですよ。

川本:「死」に興味があったんでしょうね。

島口:そうみたいです。でも、やっぱり思い出した時に、子どもだし、怖いという気持ちが一番最初にありましたけどね。 「死ぬ遊び」では、ほんとにいろいろなシチュエーションがありました。たとえば、手術室のライトが目の前にあって、ベッドの手すりのまわりに、自分を囲むように、自分の娘夫婦とか、孫とかいるわけです。それで「おじいちゃん、おじいちゃん!」と僕を呼んでいる。まだ、本当はガキなのに(笑)。

川本:何歳のときですか、それ(笑)。

島口:たぶん、5歳か6歳の時です(笑)。

川本:(笑)それ前世なんじゃないですか?

島口:そうなんですかね。ドラマにしてはあまりにも忠実にやってるんですよね。

川本:なるほど。

島口:しかも1回2回じゃなくて。それが苦しみながらぱたってなったり、安らかに逝ったりとか、演劇の稽古のようにいろんなパターンでやってた。

川本:5歳にしちゃ「死」に対する引き出しが多くないですか?

島口:今思えばですよね。しかも、たぶんダメだしとかも自分の中でやってたんじゃないかって思うんですよ。「あ、今のよくねーな、もう一回水死しよう」とか(笑)。

川本:(笑)。それ何故なの?

島口:わかんないです。心理的に「死ぬ」とか「生きる」とか「演じる」とかってキーワードに僕が食いついたところから、思い出すことができた記憶なんですけどね。

川本:へぇ。

島口:何でそんなことになったのかわかんないんですけど、そんな幼少期を過ごした後、一回全部それを忘れて、その後は、普通の中学生高校生になったんですよね。そうするうちに、誰でも多感な時期に思うようなこともあり、何か物を書きたいなと思って大学にいって、チャンバラに出会った。

川本:ほうほう。

島口:だからまだその時は、殺陣と「死ぬ遊び」はつながってなかったんですが…。成さん、刀、真剣、持ったことあります?

川本:持ったことないです。

島口:名刀を持つと、人を斬りたくなってくるんですよね。

川本:えっ! 島口:もちろん、斬らないですよ(笑)。でも、殺陣を披露するときには、そういうときに沸き起こる感覚に似たものが常にある。殺陣は疑似で人を斬ること。エンタメとしてやる人もいれば、僕のように、

「死」「生」「憎悪」のようなキーワードと向き合ってやっている

者もいる。成さん、憎悪って聞いて、何が浮かびます?
 

川本:憎悪…かぁ。ぐにゃぐにゃとした「ウルトラQ」のオープニングみたいな感じ?

島口:ああ。

川本:渦巻いてるカオスみたいなもの。

島口:なるほど。なんか、説明の感覚が、やっぱり似てますね。 自分の場合は、

「漆黒の珠」

なんですよ。人間の心の奥底に核のようにあって、その漆黒の珠は誰にも砕けない。
 

川本:漆黒の珠。

島口:表現的に言うと、殺陣って人殺しなんです。擬似で、何万回も人を殺して、何万回も人に殺される。それを、

ポジティブに感じてもらうこと。

だからもちろん、剣を持って振り回しているのを、美しく見せたり感動させたり、リアルに見せたり怖く感じさせたりすることは、これからもやっていきますけど、僕の場合は、それよりも、「憎悪」など本質的な人間の欲求を、殺陣による擬似の「死」「殺人」によって消化しているということが大きいと思っています。

(第2週へ続く)

ゲスト・プロフィール 島口哲朗(しまぐちてつろう) 日本大学芸術学部映画学科出身。歌舞伎などの舞台で経験を積んだ後、1998年「剱伎衆かむゐ」を創設、主宰を務める。自らの俳優活動(舞台・映画・イベント)の他、2003年「KILL BILL vol1」に出演・振付、地球ゴージャス「クラウディア」や「星の大地に降る涙」公演の振付を担当し、殺陣師としても活躍。日本舞踊七々扇流名取。最近はアメリカやヨーロッパなどの海外のメディアに特集されることも多い。日本文化を発信する【SAMURAI SWORD ARTIST】である。

ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる) 欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ「絶滅寸前男子」へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』『GON』(2012年4月~)他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』他、また自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。 

★お知らせ★その1
「剱伎衆かむゐ」の今後の予定です。
8月 西冬彦監督映画「TOURNAMENT」(島口出演)DVD発売
8月 かむゐ沖縄公演&サムライ道場
8月10日(金)~13日(月)なんばグランド花月にてゲスト演舞
8月23日(木)~26日(土)かむゐアジアツアー2012(ベトナム)
9月22日(土)Wバレル 於:名古屋ちくさ座
10月2日(火)~28日(日)明治座創業140周年記念
梅沢富美男・中村玉緒特別公演 出演・演舞、殺陣振付
10月27日(土) 日本流伝心祭「クサビ-楔-」於:渋谷公会堂 出演(島口)
11月中旬~12月上旬 かむゐヨーロッパツアー2012公演&サムライ道場(イギリス・スペイン・ポーランド・イタリア)
詳細は、剣伎衆かむゐHP http://www.k-kamui.com/・島口哲朗HP http://www.kamui-tetsuro.com

★お知らせ★その2
川本成さん主宰「時速246億」次回公演のお知らせです!
「時速246億vol.06『リボン』」
日程:東京2012年10月23日(火)~28日(日)
   名古屋2012年11月3日(土)・4日(日)
劇場:東京 赤坂RED/THEATER
   名古屋 テレピアホール
総合演出・作とか:御笠ノ忠次
作とか:川尻恵太(SUGARBOY)・川本成・喜安浩平(ナイロン100℃・ブルドッキングヘッドロック)・小林顕作(宇宙㋹コード・コンドルズ)※50音順(全員か行だけど)
出演:増田裕生・寺崎裕香・中村龍介・渡部紘士・飯野雅彦・津田英佑/川本成
http://www.jisoku246.com/

★お知らせ★その3
川本成さん出演舞台のお知らせです!
「小堺クンのおすましでSHOW27 ~SATU ACADEMYサツアカデミー~」
日程:2012年8月31日(金)~9月9日(日)
劇場:東京グローブ座
出演:小堺一機・松尾伴内・川本成・堀口文宏・伽代子・柳沢里奈・後藤藍
料金:S席¥7,000 A席¥6,000
チケット:東京音協・チケットぴあ【Pコード420-238】・ローソンチケット【Lコード32841】・イープラス・カンフェティにて発売中
お問合せ:東京音協 03-5774-3030
 
★お知らせ★その4
川本成参加CDのお知らせです!
「エンリコ・イリソギ/WAO!AMUSEMENT PARK 第3弾 愛の激情編」
品番:VCCA-2003
価格:¥2,100
http://vocez-record.com/enricoirisogi/

 

 

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