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連載

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第4回ゲスト『御笠ノ忠次のオレ哲学』第2週

タレントで、舞台・役者・声優・ミュージシャン・プロデューサーとしてマルチに活躍の川本:成(あさりど)さんがホストとなって、エンタメ業界のみなさまに聞く、「オレの哲学とは?」。
更新お待たせいたしました! 連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。第4回目のゲストは、演出家・劇作家の御笠ノ忠次さんです。川本さん主宰のユニット「時速246億」の最新公演「No.721」でも、作・演出を手がけた御笠ノさん。第2週は、そんな御笠ノさんのバックボーンに鋭くせまります! 過激発言も飛び出すかも!? (撮影/下坂敦俊、構成・文/中村恵美)

COLUMN  2012 5/14 UPDATE

川本:御笠ノくんは、いつから今のような演出の考え方を身につけたの?

御笠ノ:僕ね、友達がいなかったんですよ。それはたぶん、僕の人格に問題があっていなかったんでしょうけど(笑)。それはさておき、17歳くらいで芝居をはじめたんですね、高校の時に劇団を作ったんです。

川本:本格的に?

御笠ノ:地域の暴走族みたいなノリで作った集団だったんですけどね。高校卒業と同時に解散したんですが…。

川本:それはどうして解散したの?

御笠ノ:元々高校卒業するまでっていう企画だったので。その劇団では路上パフォーマンスとかを色々やって、最終的に劇場借りて公演をやったんですけど、その最終公演のときは僕、いないんですよ。何でかと言うと、僕一人の熱量が勝っちゃったんですよ、メンバーは各高校の番長さんみたいな奴らばっかりなのに(笑)。熱くなり過ぎて「あいつにはついていけない」ってことになり、結局僕が抜けざるを得なくなった。

川本:ほうほうほう。

御笠ノ:そういうわけで、最終公演を客席で見てたんです。そして思ったんですよ。             ああ、これは

自分の理想が高すぎたんだな

って。当時、技術が無いから様式にはめようとするじゃないですか、俺はこういうことやりたいって、はめようとする。だけどそれがうまくいかないし、うまくいかないことを受け入れる幅が僕には無かった。メンバーはただ楽しくやりたかっただけなのに。

川本:ほおほお。

御笠ノ:その後、1年たって、もう一回演劇をやりたくなったんですよ。でも、そう言っても誰も集まらなかったんです。しかたないから、演劇なんてやったことのないリストカットやってるホームレスみたいなヤツとか、就職したけれども5月病になっちゃったヤツとか、あとは今回美術やってくれた魚住と、ほぼしょうもないメンバーだけど、何とか集めて…。

川本:それでもやりたいと?

御笠ノ:ええ。

それでも演劇をやりたかった。

でも、できる人間もいないし、やる気のない人たちしか集まらなかった。だけど、それが現実だから、演劇やりたいなら、こっちが現実に合わせるしかない。

川本:(笑)。

御笠ノ:みんな、僕がやりたいと言ったから付き合ってくれてただけで。だからゲネとか来ないんですよ!

川本:あははははは! ゲネ、来ない!(笑)

御笠ノ:「何、ゲネって? やめて、演劇っぽいから」みたいな(笑)。そう言うヤツらを相手にしてきたから。もう、格闘ですよね。

川本:ほほう。

御笠ノ:そこで何かいろんな力が付いたような気がするんですよ。ちなみに、その劇団、spacenoid(スペースノイド)は、一昨年解散しましたけど。まぁ、そもそもみんな、演劇やりたくない人たちの集まりだったんだから、むしろ長続きしましたよね。

川本:高校時代の過去は、勉強になってる?

御笠ノ:やっぱり、恐怖心は未だに残ってますね。自分の中にある本当にやりたいことを追求した時に、誰もついてこないだろうっていう恐怖心。だから今、一人でやってるのはたぶんそういうことなんだろうと思うし。でも、どこかでやっぱりカンパニーをつくりたいっていう願望もあったりするし。でも、自分が100パーセントを出した時に、辛く感じる人も絶対出てくるって思うと、ね。

川本:ああ、そう。これまでみてると、御笠ノくんは、ポジティブな人間だよね。

御笠ノ:だと思います。

川本:だから、友達がいなかったり、今、話してくれた過去っていうのが、パーンと『表現』をすることに向いたってこと?

御笠ノ:うーーーん、そうですね。

それがなかったら、僕、今頃、死んでると思う

んですよ。

川本:(笑)死んでる。いろいろ表現ってあると思うんだけど、御笠ノくんにとって、その時一番やりたいことが、たまたま演劇だったの?

御笠ノ:演劇だけではなかったですね。音楽もあったし、お笑いもあった。僕は中2の夏ぐらいまで、ダークサイドに陥っていた人間で、ナイフを持ち歩いてるようなヤカラだったんですね。そのころ、ダウンタウンの松本人志の『遺書』っていう本を読んで、「きたーーーっ!」って。

川本:ほほう。

御笠ノ:中2の夏休みまでは、ほんと誰にも口きかないようなヤツだったんだけど、夏休み終えたら人格が変わったんですよ。急にクラスで笑いを取るヤツみたいになった。そしたら友達ができたんです。

川本:あー、なるほど。

御笠ノ:自分が発信したことによって人が笑って、しかも特に、自分の悲惨な話をネタにしたんです。で、笑いが起きるじゃないですか。そこで、たぶん、何かが大きく変わった。

川本:ポジティブシンキングに、急に切り替わった?

御笠ノ:うん、切り替わった

川本:松本さんの影響は…。

御笠ノ:大きいですよ。きっかけは絶対、あの本ですね。何の偶然か音楽でも、ザ・ブルーハーツなんかが同じ時期に心に響いて、影響を受けた。演劇に影響をうけたのも実は同じ時期。今井雅之さんの『THE WINDS OF GOD』とキャラメルボックスの芝居を当時テレビで見て。

川本:はいはいはい。

御笠ノ:だから、お笑いと音楽と演劇は、同時に中2の夏に出会った。だから、たぶん、今があるのかなと。

川本:ほうほうほう。御笠ノくんはブレない人間だと思う?自己分析すると。 

御笠ノ:ブレないじゃないんですか、客観的に見たら。だけど、

ブレたいんですよね。

 

川本:ブレたい?

御笠ノ:ブレたいって言うか、変化したいというか。変化したいっていっても、もう自分が嫌だから変わりたいんじゃなくて、

もっと何か面白いとこがあるんじゃないかと思って変わりたい。

 

川本:ああ。

御笠ノ:成さんともよく、「とにかく挑戦しましょう」って話をするじゃないですか。だから、挑戦してしくじってもいいんですよ。

挑戦した段階で、僕、成功したと思ってる

から。

川本:そこなんだけどさ、人って、歳をとるごとに怖さが倍々になってくるでしょ。

御笠ノ:うんうん。

川本:ケガができないとおもっちゃう節があるよね。でも、俺、御笠ノくんと出会って、それは逆なんだと思ってきた部分があった。なんて言うのかな、守りに入ると、不安は倍増するよね。

御笠ノ:そうですね。

川本:攻めてると不安もあるけど、それ以上にヤッてる感があるでしょ。

御笠ノ:攻めていかないと、たぶん面白くない。というか、

攻めないと終わる

じゃないですか。

川本:そうなんだよね。日常的なことを聞くけどさ、御笠ノくんって、普段から、いろんなことしてるじゃん。自由気ままに(笑)。

御笠ノ:(笑)

川本:自分が楽しいから、してます!みたいな。たとえば、消しゴムを集めてます、とか。

御笠ノ:はいはいはい。最近はもっぱら駅のスタンプですけどね。

川本:駅のスタンプを押してんの?

御笠ノ:駅のスタンプ。かばんの中にスタンプノートがありますよ。(おもむろに取り出す)。どんな駅でも置いてあるんですけど、これを最近は押してるんです。

川本:へー。

御笠ノ:これがね……何でこんな物が世の中にあるのかなって不思議でしょうがないんですよ。

川本:ああ、そう、なるほど!

御笠ノ:だって、いらなくないですか?

川本:いらないね。

御笠ノ:いらないですよね、スタンプって。でもこれ好きな人多いんですよ。

川本:うん。

御笠ノ:僕、昔から旅行好きだったんで、スタンプを日記帳なんかに押してたんですよ。そしたら、去年、俳優の大沢健さんに出会ったんですが、その大沢さんのウエストポーチからから、ごっそりスタンプノートが出てきたんです。

川本:(笑)ほう。

御笠ノ:「スタンプノート!? 何、これ? え?え?え?」って。それで、このノートの存在を知ったんです。大沢さんもすごく好きで、押しまくってるそうで、それでひとしきり盛り上がったんですが。…なんかねえ、たぶんこれやってもやんなくても、僕の人生変わんない。

川本:(笑)うん。

御笠ノ:演劇も消しゴムもそうなんですけど、もともと、僕、

あんまり役に立たない物が好き

なんですね。

川本:役に立たない物(笑)。

御笠ノ:演劇やってると、どこかで、「自分たちは、特別なこと、高尚なことをやっている」なんて気持ちが芽生えることがあるんです。でも、そっちにおぼれたら終わるなって思ってて。いやいやそんなに意味はないんだからって。去年震災があった時も、いろんなヤツらから「こんな時だからこそ演劇を」っていう告知メールがよく来たんですけどね。その当時、僕も本番中だったんですけど、「いやいやいや、まてよ」と。「こんな時っていうくらいなら、それこそこんな大変な時に、演劇やってんじゃねーよ!」と。

川本:(笑)。

御笠ノ:僕は「やるな」といってるわけじゃないんです。別にやりゃいいじゃないですか、震災だろうがなんだろうが。

演劇は演劇でしかない

んだから。そんな大義名分が必要なものじゃない。僕らも2日間中止にしたけど、やりましたし。「こんなときだからこそ」っていうけど、演劇なんて、そもそもが必要の無い物だっていう前提でやってないと、何かおかしなことになるんじゃないかなって気がするんですよね。

川本:なるほどね~。御笠ノくんは、音楽も好きだし、スタンプ集めも好きなわけじゃないですか。

御笠ノ:好きですね。

川本:演劇は、その一つってぐらいなの?

御笠ノ:そうですね。あとは、僕を呼んでくれる人がいるからかな。僕なんか、いつ辞めてもよくて、それこそ時速246億での仕事も、最初に成さんに声かけてもらって、スタートしてるじゃないですか。

川本:うん。

御笠ノ:だから声を掛けてくれる人がいなくなったら、それが僕の賞味期限なんだろうなって思ってます。

情熱がないわけではないが、執着はない。

そんな感じです。

(3週目に続く)

ゲスト・プロフィール 御笠ノ忠次(みかさの・ちゅうじ)
劇作家、演出家。1980年7月24日生まれ千葉県出身。高校卒業後、劇団1980に二年間所属。同劇団退団後、「SpaceNoid」の作・演出家として本格的な活動を開始。2006年9月に上演した『スタンレーの魔女』が話題を呼び、翌2007年5月赤坂RED/THEATER杮落としシ(リーズvol.1『絢爛とか爛漫とか』(作:飯島早苗)を演出。2010年より、SpaceNoidの活動を休止し、プロデュースユニット案山子堂を始動。時速246億の作・演出も手がける。2012年1月に上演された「劇団スーパー・エキセントリック・シアター ブレーメンプロデュース 中島鉄砲火薬店」がグリーンフェスタ2012 BOXinBOX賞を受賞した。

ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』他、また自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。 


★お知らせ★その1
御笠ノ忠次さん作・演出舞台のお知らせです!
「タイトル未定」
日程:2012年6月26日(火)~7月1日(日)
劇場:下北沢・楽園
作・演出:御笠ノ忠次
出演:飯野雅彦・榊木並・嶋田あきえ・西岡知美・西史明・藤枝直之・松村真
知子・諸岡立身・横大路伸
料金:¥3,000

★お知らせ★その2
川本成さん出演舞台のお知らせです!
トライフルエンターテインメントプロデュース「Panelist Drive」
日程:2012年5月30日(水)~6月3日(日)
劇場:新宿シアターサンモール
脚本:金房実加(THE REDCARPETS)
演出:大岩美智子(劇団ジュークスペース)
出演:佐野瑞樹・川本成・湯澤幸一郎/
郷本直也・渡辺瞳・田中康寛・中島愛子/町田慎吾
追加キャスト 福澤重文
料金:S席¥6,000 A席¥5,000(全席指定・税込)
   ※5月30日(水)は初日割引で全席¥1,000割引となります。
   ※未就学児童はご入場頂けません。
最新情報はこちらからご確認下さい
http://blog.livedoor.jp/panelist_drive/


★お知らせ★その3
不二周助(CV:甲斐田ゆき)と河村隆(CV:川本成)のユニット「茄子」のCDが発売中!
「さよなら春の日」
発売日:2012年3月14日(水)
定価:¥1,000(税込)
メディア:マキシシングル
品番:NECM-10172
発売元:ティー ワイ エンタテインメント
販売本:キングレコード株式会社
(C)許斐剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト

★お知らせ★その4
河村隆(CV:川本成)4thシングルが発売中!
「あの場所まで-sloping road-」
発売日:2012年2月15日(水)
定価:¥1,000(税込)
メディア:マキシシングル
品番:NECM-10170
発売元:ティー ワイ エンタテインメント
販売本:キングレコード株式会社
(C)許斐剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プ

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