連載
mag4連動企画 6 茅野イサムさん
2.5次元という言葉が生まれるずっと前から、その先駆けともいえる「サクラ大戦スーパー歌謡ショウ」シリーズなどの「2.5次元舞台」に携わってきた茅野イサムさん。昨年トライアル公演を行い、5月27日より本公演が幕を開けるミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞〜と、「2.5次元舞台 」のこれからについて、お話をうかがいました。
(撮影/熊谷仁男 文/横澤由香)
Ⓒミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
COLUMN 2016 5/26 UPDATE
5月末から始まるミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞〜は、待望の本公演。トライアル公演の人気と高評価を受け、開幕前から相当の期待が集まっている。
「トライアル公演とはいえ完成型を目指した前回のステージは、とっても楽しい舞台でした。これは『サクラ大戦』で初めて体験したことなんですけど、客席が幸せなオーラで包まれているというのかな?客席のお客様がホントにニコニコしていて…“なんでみんなこんなに幸せそうなの?”という反応をね、見せてくださるんですよ! そしてその幸せが舞台上にも降り注いで俳優のパフォーマンスを高めて、劇場全体がもっとハッピーになる。それがミュージカル『刀剣乱舞』にもあったんです。やっぱり演劇って腹にズシンと来たり観終わった後に考えこんだり、ってところも当然なくちゃいけないんだけど、それと同時にああいうみんなが幸せになれる作品を創りたいなっていつも思っていたので、前回のトライアル公演を終えたとき“あー、やっぱりいいなぁ。俺、こういうの好きだな。こういうの創りたかったな”って心底感じました。2部のライブの時に客席から役名で声援が飛んだときは鳥肌が立ちました。 すげえ!歌舞伎みたいだ!って。客席も参加して一緒に盛り上がれる文化としての演劇。その愉しみを体現できるのも、こういう2.5次元舞台の大きな魅力なんだと思ってます」
では、ますます活性化する2.5次元舞台の未来については?
「2.5次元舞台は“演劇ってこうでしょ”という固定概念をぶち破るパワーのあるジャンルです。僕の目標は…若手登竜門というだけでなく、例えば世に知られたベテランの俳優が“『刀剣乱舞』出たいね”と言ってくれるような、もっと成熟した2.5次元作品を増やすこと。僕もまだまだ成長していきたいし、一度距離を置いたからこそ気づけたこともたくさんあります。演劇と2.5次元を結びつけてきた僕にしかできない仕事も絶対あって…そう、それをやるべきだと信じ、これからも作品創りに臨んでいければと思っています」
(『omoshii mag』vol.4より抜粋)
[プロフィール]
茅野イサム
かやの・いさむ
1962年2月1日生まれ、愛知県出身。1986年に劇団善人会議(現・扉座)に入団し、劇団の中心的な俳優の一人となる。2002年『そらにさからふもの』以降、演出家としても活躍。近年はD-BOYS STAEGEやロック☆オペラ『サイケデリックペイン』など、若手俳優が活躍する作品を多く手がけている。
[公演情報]
ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~
[東京] 2016年5月27日(金)~6月12日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
[大阪] 2016年6月17日(金)~19日(日) 森ノ宮ピロティホール
[京都] 2016年6月23日(木)~26日(日) 京都劇場
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より (DMMゲームズ/Nitroplus)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付:本山新之助
出演:黒羽麻璃央 北園 涼 崎山つばさ 佐伯大地 大平峻也 佐藤流司 / 田中しげ美 荒木健太朗 奥野正明 加古臨王 ほか
お問い合わせ:ネルケプランニング03-3715-5624 (平日11:00~18:00) 公式HP:https://musical-toukenranbu.jp/