連載

第13回ゲスト「山田マサルのオレ哲学」第2週

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連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。13回目のゲストは、演劇ユニットPaingSoe(パインソー)の主宰で、役者でもあり演出家でもあり、そして現役デザイナーでもある、山田マサルさんです! そっくりな赤のトレーナーを着て、不思議な感じでお送りします。山田さんの独特で突き抜けた哲学、それは、○○しないこと!?

COLUMN 2016 3/25 UPDATE

川本 パインソーの不思議なところは、欲望や業などのドロドロした部分を出しているにも関わらず、見ている方は、嫌な気持ちにはならない。それはふざけた気持ちと同居しているから?

 

山田 世の中、クソふざけてますからね(笑)。

 

川本 (笑)。いわゆる、アングラっぽいものやドロドロしたもの、目の前で殺人が起こるものなんかは、嫌な気持ちになることが多い。そういう気持ちにさせるのも演劇的ではあるけれど、パインソーの場合は、そうではなくて、ばかばかしくやってるからか、気持ちとしては重くならない。その表裏一体感もありますよね。

 

山田 そうですね。役者にも「こんなクソくだらないことをやっても、全然大丈夫なんだ」ということを自覚してもらえれば、あとは、言いたいことは結局「人間は、とんでもないことを考えているやつもいれば、そうでないやつもいるけど、総じて誰しも、できれば人を裏切りたくないし、裏切ったら自分の中に傷は残る。罪悪感が全くない、ってことは絶対にないと思うんです。

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川本 なるほどね。

 

山田 それをくだらなさで覆い隠しているんです。

 

川本 パインソーは見ていると、途中から、逆転現象が起きるんですよ。くだらないなぁと思って笑ってる。そしてシリアスなシーンは真剣に見てる。そのうち、逆転して、笑えるシーンのほうが怖くなってくるんです。シリアスなことをやってる方がほっとする瞬間がお客さんに訪れる。そのときに、社会もそうだなって思えてくるんです。

 

山田 そうですよね。

 

川本 例えばテレビなんかでくだらないことをわーって楽しそうにやっている。でも、冷静に考えると、怖いことだなって。これは一種の洗脳だなと。どっちが本当なんだと。ピエロ的な話ですよね。

 

山田 そうですね。僕らもあまり意識してはいないんですけど、僕が演出して、役者が演じて、作り上げていくうちに段々、クロスしていくみたいです。

 

川本 恐ろしいことに!

 

山田 川尻君がうちに書いてくれる脚本もそういうのが多い。ファンタジーも正当派SFも書ける人ですが、うちに書いてくれる脚本は、そういう感じですね。

 

川本 川尻君も、東京での川尻くんと札幌での川尻君、他人から見れば二つの作風は違った別物だけど、川尻君にとってはどちらも同じ、ひとつ。マサルさんも、変態役者であり、デザイナーであり、二つの面を持ってるけど、マサルさんにとってもひとつなんですよね。

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 山田 僕の中でも、それはひとつなので、無理しないです。無理するの嫌なので

 

川本 確かに、無理してないですね(笑)

 

山田 無理してもいいことはないので。無理してよかったことは一回もない。無理したら失敗するし。反省もしない。反省しても意味はない。

 

川本 意味ない!?

 

山田 反省してできるんなら、最初からできるでしょ。

 

川本 (笑)、なるほど。

 

山田 だから、反省って、非合理的だなと。いつの間にか、体に刻みこまれてなんとなくできるようになってるもんですよ

 

川本 凹まないんですか?

 

山田 凹まないです。

 

川本 (笑)

 

山田 どうせ、いつか死ぬんですし。凹んでる時間がもったいない

 

川本 ははは!!

 

(第3週につづく)

 

 

ゲスト・プロフィール 山田 マサル(やまだ・まさる)
1998年に札幌の劇団「AND」に参加。以降俳優として解散まで多数の作品に出演。
2009年、当時自ら一人だけのユニットを「PaingSoe(パインソー)」と命名し活動開始、現在に至るまで、全ての作品を演出し、札幌出身の作家・川尻恵太が脚本を担当することが多いが、まれに脚本も担当する。無謀と言われつつも機動性の高い企画や作品をハイペースで創作し続けており、近年では東京公演を2回にわたり行うなど、活動範囲を大きく広げている。また、俳優として客演も多数行っている。
その活動の傍ら、1994年からグラフィックデザイナーとして、広告デザインからWEBに至るまで、また短編映画や映像を製作するなど、現在はディレクションに軸を置くが、前述の演劇活動を含め、まさに節操のない「神出鬼没のディレクター」(本人談)である。
人間の欲望と業をあぶりだし、「一見形にならなそうなことを、形にしようとする」作品を自身のフィールドとしている。


ホスト・プロフィール 川本 成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ『ナルウザクスダの!』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』、『男子はだまってなさいよ!聖バカコント』他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。趣味の分野では映画好きで、大の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ファン。この作品を語らせたら右に出る者はいない、と本人が自負している。(あくまでも本人が)

 

★山田マサルさん出演情報です★
イレブンナイン 短いはなしシリーズ「分泌指南」
3月30日(水)〜4月3日(日)@札幌/演劇専用小劇場BLOCH
★オムニバスの企画に過去の脚本を提供しています。

パインソー パルチザン03「タイトル未定」
5月27日(金)〜29日(日)@札幌/演劇専用小劇場BLOCH
★プロデュースと出演を担当します。

HP https://yamadamasaru.wordpress.com
パインソーHP http://paingsoe.com
Twitter https://mobile.twitter.com/yamasaruox


★川本成さん出演情報です★
<舞台>
月刊「根本宗子」第12号『忍者、女子高生(仮)』
4月23日(土)~5月1日(日)@下北沢ザ・スズナリ
http://gekkannemoto.wix.com/home

時速246億 川本成ソロ公演「独歩」
7月6日(水)~10日(日)@中野・テアトルBONBON
演出:小林顕作/作:川本成、小林顕作/出演:川本成
http://www.jisoku246.com/info/

<テレビ>
スタイルプラス
東海テレビ 毎週日曜12:00~13:45
http://tokai-tv.com/styleplus/

<ラジオ>
ナルウザクスダの!
インターネットラジオステーション音泉 毎週月曜配信
http://www.onsen.ag/

おしゃべり会 戦車部
インターネット放送局 ケーズステーション 不定期配信
http://www.kzstation.com/

blog「Naru’s blog’n boy」http://ameblo.jp/kawamotonaru/
Twitter https://twitter.com/runarurunaru

 

 

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